第四話 初依頼
翌日
あれから波動のスカーフを身につけてみたわけだがオレが黄色、フーコが朱色、カケルが白、チコが緑、マルが透明色になった。
んでオレは早く起きて日が登るのを見ていた。なんでオレとカケルはポケモンになったんだ?それもそのうち見えてくるのか…ギルドの仕事を頑張るか…。それにしても綺麗な朝日だ…
「起きろぉーーー!!!朝だぞぉーーー!!!」
誰だよ人がのんびりしていたのに…。
「うるさい!もう起きてる!」
「なんだお前。起きてたのか。なら声くらいかけろよ。ワシは弟子の一匹、ドゴームのボイムだ。」
「普通は気づくだろ…立ったまま寝れねぇよ…」
「耳がぁ…耳がぁ…」
「いいから早く起きろ!朝礼に遅れるなよ。早くしないと親方様の『たあーー!!』をくらうことになるからな!ああ…恐ろしい…」
ボイムは思い出したのか身震いしながら出て行った。
「おはよ、ショウ。起きてたのね」
「ああ…」
「……」
「頭が痛い〜…」
「zzz…ぐぅ〜」
カケルはボーッとしていて、チコは頭痛に悩まされているようだ。マルはなんと寝ている!仕方ない起こさないとな。フリル親方の『たあーーっ!!』をくらいたくないし。
「起きろよマル!大変だぞ!」
「ふぇっ!?な、なにっ?」
「朝礼に遅れるよ!」
「ご、ごめんっ!」
「いいから早く行こう!」
1日目からこんなんで平気かなあ?朝礼の場所へ行こう。
「遅いぞ新入り!」
マルが起きなかったせいなのかボイムに怒鳴られてしまった。
「お黙り!相変わらずお前の声はうるさい!」
「うぐうっ…」
しかしトリルにうるさいと言われて黙ってしまった。
「すみませーん…遅れました…」
そこに1人のドッコラーが遅れてやってきた。
「お前は何日…」
「ボイム。ライムは特別だ。毎日遅くまで仕事してるからな」
叱ろうとしたボイムをトリルが宥めつつ事情を説明する。
「すみません…ボイム先輩」
「ま、まあ…いいよ」
「それじゃ、朝礼始めるよ!」
なんだかんだで朝礼が始まるみたいだ。カケルはまだボーッとしている。
「カケル?」
「ふにょ…?ショウどうしたの?」
「朝礼始まるよ」
「うん」
「親方様。お願いします」
バタっと部屋の扉が開いてトリルが出てきた。
「それでは親方様今日の一言を!」
「ぐぅぐぅ〜…」
「「えっ!?」」
「寝てるの!?」
「ヒソヒソ…(今日もですか…)」
「ヒソヒソ…(みたいだねー)」
「ヒソヒソ…(朝はいつもこうして起きてるように見えて)」
「ヒソヒソ…(実は目を開けたまま寝てるんでゲスよね…)」
ギルドの他の弟子たちの話によるとどうやらトリルは立って目を開けたまま寝れるらしい。オレもそのスキル欲しいよ。
「ありがたいお言葉ありがとうございましたあ♪」
トリルよ…フリルはなんて言ってたんだよ。
「次は…新しく弟子入りしたポケダンズ。自己紹介して」
「オレはコリンクのショウ。このチームのリーダーだ。よろしく」
「ウチはフーコ。種族はフォッコ。このチームの副リーダー。よろしくねー!」
「ボクはゴンベのカケル。よろしく…」
「アタシはチコ。チコリータよ。よろしくね!」
「ボクはポッチャマのマルだよ〜!よろしくね!」
「次はボイムから!」
「ワシはドゴームのボイム。今日みたいに起こすからな」
ああ声がでかい…うるせぇ。
「ワタシはキマワリのヒナですわ!よろしくですわー!」
このテンションについていけないな。
「ヘイヘイ!オイラはヘイガニ!名前はヘインだぜ!よろしく!」
気さくな人だな。
「私はチリーンのリンです。ブーバーのハープさんと調理当番を担当してます」
「私はラッキーのララよ。よろしくね新入りさん」
「ボクはプルリルのルル。よろしくね」
ボクって言ってるけど身体が赤だから牝?ボクっ娘?
「ワシはグヘイ。グレッグルだ。よろしくないグヘヘ」
危ない人か?
「ワタシはダグトリオのダリスだ」
「ボクはディグダのデイです。見張り番をボイムさんとしてます」
「俺はブーバーのハープだ。」
「私はドッコラーのライムです。ギルドの改築増築を担当してます」
「あっしはビッパのビータでゲス」
ゲスって…。
ギルドのメンバーの自己紹介が終わった。長い…覚えられない。
「…とまあこれから仲良くな。それじゃ朝の誓いの言葉はじめっ!」
なんだそれは?ちょっと!
「「「ひとーつ!仕事は絶対サボらなーい!
ふたーつ!脱走したらお仕置きだ!
みいーつ!みんな笑顔で明るいギルド!」」」
わからないオレたちとトリル以外の12人が誓いの言葉を口にした。
「みんな!今日も仕事にかかるよ!」
「「「おおーーーー!!!」」」
掛け声をあげて朝礼は終わりギルドのメンバーは解散した。そしてオレたちを一瞥するなりこう言った。
「お前たち。ウロウロしてないでワタシについてきなさい」
どこ行くんだろう。ついていくか。
ギルド地下一階
「お前たちは初心者だからね。まずは仕事をしてもらうよ」
トリルは地下一階の左側にある掲示板の前に案内して言った。
「これは何?」
「これは掲示板。各地のポケモンの依頼がここに集まってるんだ。最近悪いポケモンが増えているのは知ってるよな?」
「うん。時が狂い始めた影響だとか」
時が狂い始めてる?時は時間だよな。どういうことだ?それで悪いポケモンが増えている?
「その通り。時の影響で悪いポケモンがわんさか増えているせいか、この掲示板の依頼も最近特に増えているんだ。また…これは時の影響かわからないが…最近各地に広がっているのが…不思議のダンジョンだ」
「不思議のダンジョン?」
オレとカケルは何だかわからない。
「ショウ、カケル。ワタシ達昨日欠片を取り返したよね?あそこも不思議のダンジョンだったんだよ。不思議のダンジョンは入るたびに地形や落ちてる道具も変わるし…途中で倒れるとお金も道具もなくなるしダンジョンの外に戻されるという…本当不思議な場所なをんだけど…行くたびにいつも新しい発見があるから…探検するには本当に魅力的な場所なをんだよ?」
「なんだ。よく知ってるじゃないか♪。それなら話が早い。依頼の場所は全て不思議のダンジョンだからな。さて、どの依頼をやってもらおうかな…」
流石に初めてだから選ばせてもらえないか。
「うん。これがいいかな」
トリルがオレたちにふさわしい依頼を見つけたようだ。トリルは依頼をフーコに手渡した。
「え〜なになに…『初めまして。ワタシバネブーのネブタと申します。ある日悪者にワタシの大切な真珠が盗またんです!真珠はワタシにとって命。頭の上に真珠が無いとワタシ落ち着かなくて何もできません!
そんな時!ワタシの真珠が見つかったという情報が!どうやら岩場に捨てられてたらしいんですが…その岩場はとても危険なとこらしく…ワタシ怖くてそんな所行けませーーーーん!!
ですのでお願い。誰か岩場に行って真珠をとってきてくれないでしょうか?探検隊の皆様お願いします。
場所は”湿った岩場”という所です
バネブー___ネブタより』
…ってこれ…ただ落とし物を拾ってくるだけじゃないのよ!それよりウチは冒険したいな。お宝を探したり、知らない場所を探検したりね」
フーコは不満そうな顔をしている。チコとマルもうんうんと頷いている。
「お黙り!」
「ひゃあ!!」
「新入りは下積みが大切なんだよ。いいかい?念のためもう一度注意だよ。不思議のダンジョンは倒れるとここに戻されるし、お金も道具もだいたい半分くらい無くなることもあるから気をつけるんだよ!」
トリルは心配しているようだ。
「はい…」
フーコは仕方なく引き下がった。
「わかったら頑張って仕事に行ってくるんだよ」
「ううっ…」
「みんなポケダンズ初依頼だよ。張り切って行くぞ!」
「おーっ!」
ギルドから飛び出し、ネブタの真珠があるという岩場____湿った岩場へと向かう。