第三話 ギルド入門
ギルドというものは崖の上に建っているらしい。階段多い過ぎだろ…。やっと登り終えたぜ…はあはあ。それにしても…プクリン型のテントかあ…小さいなギルドって。まさか地下に広がってるのか?登るとこの前の水飲み場の近くに窓あったし。それにしても不気味だな。床に格子があるし…。
焚き火がパチパチと音がしている。
それにしても…少し緊張してるのかな?3人は?
「それじゃ乗るね。」
「ポケモン発見!ポケモン発見!」
「誰の足型?誰の足型?」
チコとフーコが格子に乗るとその下から声がする。どうやら足型で誰だかわかるみたいだ。
「足型はチコリータとフォッコ!足型はチコリータとフォッコ!」
「他にも3人いるだろう。乗ってくれ。」
「ショウ。ボク達のことだよ。」
…でもなあ…あの格子の上に乗ると足の裏がこそばゆそうというかなんというか…。
「そこの3人!さっさと乗らんか!馬鹿者!」
馬鹿者は言い過ぎだ。あとで文句言ってやる。
「ポケモン発見!ポケモン発見!」
「誰の足型?誰の足型?」
これ…いちいちやらないといけないのか?
「足型は…ポッチャマと…えーと…うーんと…」
「どうした見張り番!見張り番のデイ応答せよ!」
「えーと…多分コリンクとゴンベ!多分コリンクとゴンベ!」
「なんだ多分って!」
「だってー…ここらじゃあまり見かけない足型だし…」
「あーもう…情けないな。足型を見てそのポケモンを誰だか当てることがお前の仕事だろ?」
「そんなこと言われてもわからないものはわからないよー…」
「あはは…なんか揉めてるみたいだね。」
「そ、そうだなカケル。」
呆れた顔でカケルは言ってきた。こんなことで平気かなあ?
「待たせたな!確かにコリンクとゴンベはここらじゃ見かけないが…怪しい奴でもなさそうだ。入れ!」
と、同時に入口の鉄格子の扉が開いた。
「わーい!」
「…はいろうか。」
「うん。」
マルが勝手に先に入って行く中まだチコやフーコはびっくりしている。
それをなんとかして中に入る。
下へ降り梯子と看板…か。
看板に書いてあることは読みたくなるぜ〜!
《ひとーつ!仕事は絶対サボらなーい!
ふたーつ!脱走したらお仕置きだ!
みいーつ!みんな笑顔で明るいギルド!
よぉーつ!…》
「ショウいつまで見てんの行くわよ!」
「ん…ああ。すまん」
この看板読んで置いた方が良かった気がするなあ…。フーコが呼ぶから行くか。
地下に降りるとマルが気絶していた。どうやら階段を頭から落ちたらしい。カケルとチコは真ん中あたりにいた。
「あっ、ショウ、フーコ。広いねここにいるのみんな探検隊かな?」
見渡すとタネボーやポッポなどたくさんのポケモン達がいる。
「さっき入ってきたのはお前達か?」
そこに話かけてきた奴がいる。
「はい!」
「そうか。ワタシはペラップのトリル。ここらで1番の情報屋であり…このギルドの1番の弟子だよ。勧誘やアンケート、押し売りに訪問販売はお断りだよ帰った帰った。」
「なっ…オレらは探検隊になりたくて来たんだよ!」
押し売りに訪問販売って…何があったこのギルド。
「…今時珍しい子だよ。最近はこんな修行耐えられないと言って…浮浪逃亡逃散が後を絶たないと言うのに…」
おい…脱走だろ。浮浪逃亡逃散って…。
「修行ってそんなに厳しいの?」
「いやいやいやいやっ!そんなことないよっ!ギルドの修行はと〜っても楽チン!いや〜ギルドに入りたいなら早く行ってくれなきゃ!ふっふっふっふっ!」
…さっき言ってること矛盾しとるがな。なんだコイツは…調子のいい奴だ。
「チームを登録するからこっちについて来てくれよ」
トリルは下へ続く梯子へ向かう。
「なんか急に態度が変わったね…」
「ああ…」
「何してるの?こっちだよ!」
仕方ないマルはほっといて下に降りるか。
「ここは地下二階。ギルドの弟子たちが働いているところだ。ところでさっきのポッチャマは…」
「わあ!地下二階なのに外が見えるよ!」
「だまr…(じゃなくて)いちいちはしゃぐんじゃないよ!このギルドは崖の上にある。だから外も見えるんだよ!」
今黙れって言おうとしたな?
「へぇー…」
「ポッチャマはお前達の連れだな?」
「ま、まあ…そういうことになります。」
「そうか。そうそう…ここが親方様のお部屋だ。くれぐれも…くれぐれも粗相のないようにな。」
「あっ、はい」
「親方様〜。弟子入りを希望している者を連れてきました。入ります。」
部屋の中へ入るオレたち。そこには親方らしき人物がいた。
「親方様?おやかたさまー?」
トリルが話しかけるが反応はない。立ったまま寝てるのか?
「やあっ!僕はプクリンのフリル。ここのギルドの親方だよ?
探検隊になりたいんだって?じゃあ一緒に頑張ろうね!」
「は、はい!」
いきなり振り向くなんて反則だぞ!びっくりしたよ。
「それじゃあ、まずチームの名前を教えてくれるかな?」
「ええっ?!ショウ、カケル何かいい名前ないかn「ポケダンズ!」マル!」
「ポケダンズだね?登録登録…みんな登録…」
「お前ら耳を塞げ!」
「なんで?」
「いいから早くっ!」
「たあーーーーーーっ!」
「鼓膜が…鼓膜が…」
「チームポケダンズ登録完了したよ。これで君たちも今日から探検隊だよ。これは僕からのプレゼントだよ。」
マルが言ったチーム名になってしまったようだ。フーコとチコは不満そうな顔をしているし。
フリルはにこにこしながら何かを渡してきた。
「これは?」
「これは探検隊キットだよ。まずは探検隊バッジ。探検隊の証だよ。それから不思議な地図。とても便利な地図だよ。そしてトレジャーバッグ。活躍するたびにどんどん中身が大きくなるという優れものだよ。開けてみて」
フリルの言う通りにあけてみる。すると中からリンゴが出てきた。
「あっ…それは間違えて入れてたみたい。ボクのセカイイチだ。それは返してね♪」
「親方様〜…」
「は、はあ…」
セカイイチをフリルに返して、バッグの中をみてみるとスカーフがあった。
「これは透明スカーフ。1分間身につけるとその人の波動の色になって効果を発揮する優れものだよ。明日から探検隊の修業頑張ってね!トリル。5人を部屋に案内してあげて」
「(仕方ないですね)…はい。お前たちこっちだぞ。」
親方の部屋から出てショウたちは広い個室に案内された。
「ここは…?」
「ここはお前たちの部屋だよ」
「…にしては広すぎないですか?」
「生憎ここしか部屋がないからな。あ、あと部屋が広い分仲間が増えた場合、ここで絆を深めることもできる」
とってつけたように言ったな。まあ仲間が増えたら一緒に修業すればいいか。
「なるほど…」
「それじゃお前たち。明日は早いから夜更かしせずに寝るんだぞ。」
と言いトリルは部屋を出て行った。
「ねぇ…みんな」
「なんだマル?」
「透明スカーフを身につけてみようよ。何色になるか気になるし」
「そうだね。つけてみようか」
透明スカーフは自分の波動の色に変化するらしい。何色になるのだろう?