第七話 謎の目眩と誘拐事件
『た、助けてっ!』
何だ今のは…君が言ったのか?
目眩の後の声はルナの声によく似ていた。
「どうしたんですか?」
あ、いけないいけない。変な人だと思われる。
「おーいルナいくぞ〜!」
「うん!それじゃありがとうございました。」
ルナはルースと帰っていった。
それにしても何だったんだ?さっきの目眩は…
「ショウ。どないしたん?ぼーっとしとるけど…」
「大丈夫だよ。それよりさっき助けてって声が聞こえなかった?」
「いや…ウチは聞こえんかったけど…カクレオンさんは?」
「いえ…」
「ワタシも聞こえませんでした」
「なあ…ショウ。疲れてたんと違う?」
確かにそうかもしれない…けど。
「とりあえず他に用事済ませよう?」
「そ、そうだな」
ガルーラの倉庫に道具を預けギルドへ戻ろうとしていたがヨマワル銀行の近くでルースとルナが黄色い身体に長い鼻を持つポケモンといた。
「あっ!ルナちゃんにルース君!」
「あっ!さっきの!」
「どうしたの?」
「僕たち落し物を探しているんですが…この人____スリープのソウムさんが見たかもしれないって!」
「へぇ〜…よかったね!」
「うん!」
「早く行きましょう」
ルースとルナが街の出口の方に向かって歩いていく。ソウムもそれについていくが…
”どんっ!”
「おっと…これは失礼いたしました」
「大丈夫です」
ソウムがショウにぶつかってしまった。ソウムは謝りその場を去った。
「親切だよね〜ソウムって人…悪いポケモンが増えているのに…今時は珍しいね…」
「そうね」
ま、まただ…。また目眩が…
そんな話をマルとチコがしている中、ショウはまた目眩に襲われていた。そして耳鳴りの後に今度は映像が流れてきた。
『言うことを聞かないと…痛い目に合わせるぞッ!』
『た、助けてっ!!』
な…なんだ今のは…何処かの山の頂上にソウムとルナがいて…ソウムがルナに何かをしようとしていた。今のは一体なんだ?
「どうしたのショウ?チコとマルとカケルはギルドに戻ったよ?」
心配そうにフーコが俺を見てる。話すか…目眩の後のあの映像の事を。信じてもらえないだろうけど…。
実は…目眩がしてその後に脳裏に映像が浮かんだんだ…その映像によると…ソウムがルナに何かしようとしていた。
「でも…ソウムはそんな人には見えなかったし…悪い夢と違う?」
「…ならいいんだけどね」
悪い夢ならまだマシだ。
「とりあえずギルドに戻ろうよ」
「そ、そうだな」
「大変だよ!」
「どうしたのマル?」
ギルドに戻ろうとした矢先マルが慌ててギルドの方から出てきた。
「実は…さっきのスリープお尋ね者だったんだよ!ギルドに戻ったら掲示板の更新があって…」
どうやらお尋ね者掲示板の更新時に見つけたらしい。
「わかった。急ごう!」
「そうね!」
あの映像は本当だったのか!フーコも相当慌てている。
「ルース!」
「あっ、さっきの…」
「ショウ!」
ルースとカケルとチコが街の出口にいた。
「ソウムとルナはどこに?」
「こっちです。少し目を離したらいなくなっていて…」
ルースから話を聞きながらソウムとルナがいなくなった場所まで走る。
「ここです!」
「トゲトゲ山…ね」
「ショウが見た映像は山みたいなところにソウムはいたんやな?
「うん」
「ならここにいるんとウチは思う。行こうみんな!
「おーう!」
「気をつけて!ルナをお願いします!」
ルースの声を聞きつつオレたちはトゲトゲ山へと向かうのであった。