時代を越えて - 第一章 修行のはじまり
第六話 9割没収!?なん…だと…

「ありがとうございます!この真珠がなくなってから私は落ち着かなくて…そこらじゅうピョンピョンはねまくり!あちこちはねてぶつかってもう痣だらけ!」
ところどころ痣ができていて痛々しい。でもネブタは笑って喜んでくれている。
「大変でしたね…」
「はい!でもおかげさまでそれもなくなります。これはほんのお礼です。どうぞ」
「いいの?こんなに?」
お礼の品を見てみる。瓶?リゾチウムって書いてある。あとはタウリン?ブロムヘキシン?それに2000ポケだった。ポケはこの世界のお金だ。日本で言う円ってやつだな。
「はい。真珠に比べたら安いものです。では」
ネブタは喜んで帰っていった。
「みんな今日からウチら大金持ちだよ!」」
「やったね!」
「カケル…」
「何?ショウ」
「2000ポケって…2000円かな?」
「うーん…そうであって欲しくないね…」
正直2000ポケじゃ微妙だ。ブラック会社ならぬブラックギルドか?
「お前たちよくやったな。感心感心。でも…お金は預かっておこう」
「え?」
「お前たちの取り分は…これくらいかな?」
トリルがポケをフーコからとって渡したのはなんと十分の一の200ポケだった。なんやこのブラックギルド!
「え〜!」
「少ないよ!」
「このギルドのしきたりなんだ。維持費とか食糧費(主にセカイイチ)とかに必要なんだ。すまないな(笑)」
「がーん…」
「「ふざけるなあ!しかも(笑)って…」」
チコとフーコは怒り爆発状態だ。
「こればかりは仕方ないみたいだね」
「夕飯できたぞオラァ!」
下の階からハープの声が聞こえてくる。
「わーい!ご飯だー!」
「とりあえず飯だよ!」

ギルドの夕食は木の実の料理だった。結構うまかったぞ。
それで部屋に戻ってきたわけだが…
「たったの200ポケ…たったの200ポケ…」
フーコが落ち込んでいるみたいだ。
「フーコ元気だして…
「うん。ありがとチコ。もうウチは寝るよ。おやすみ」
「おやすみ」
マルは既に寝ていてフーコとチコも寝てしまった。
「なあカケル。起きてるか?
うん。」
「成り行きで探検隊になったけど…それでよかったのかなあ…?」
「ショウらしくないよ。大丈夫だよ。きっとそのうち見えてくるよ。真実もきっとそのうち…」
「そうだな…」
カケルも寝てしまったか…まあ今日はネブタが喜んでくれたみたいだし良かったな。
「ふぁ〜あ…オレも寝よう…」
また明日頑張ろう…。

翌朝
「起きr」
「うるさ〜い!!火の粉!」
「葉っぱカッター!」
「痛えな…ワシに起こされる前に起きろよな!」
「起きてるか確かめないでしょアンタは!」
相変わらずボイムの声はうるさくて仕方がない。不快だ。耳栓欲しくなる。でも攻撃するなよ…。
「ショウ、マルはどこ?」
「あれ?いない…」
昨日寝坊していたはずのマルがいない。先に朝礼の方に行ったのか?
「先に行ってるんだろ。早く朝礼にいこう」
「うん」
言い争っているチコ、フーコ、ボイムはほっといて朝礼の場所にむかった。
「あっ、おはよーショウ、カケル!」
「マル…起きてたのか」
「ま、まあね。」
「朝礼始めるよ」
フーコとチコ、ボイムもなんとかきた。
なんだかんだあって…
「みぃ〜つ!みんな笑顔で明るいギルド!」
「みんな!今日も仕事にかかるよ!」
「おおーーーっ!」

てな感じで朝礼は終わった!

「ああ、お前たちまたウロウロしてるな」
「ウロウロしてないっ!」
「とりあえずついてきなさい」
怒っているチコを無視してトリルは地下一階へ登って行く。

ギルド地下一階
昨日とは反対の方向の掲示板の前にトリルに連れてこられた。
「あれ?昨日とは違うみたいだけど…」
「そうだ。今日はこっちの仕事をしてもらうよ」
「たくさんのポケモンの似顔絵が貼ってあるけど…」
「これらは全員お尋ね者。かなりの悪い事をして指名手配されているポケモンだ」
「ええっー!そんなん無理だよ!」
「ハハッ!冗談だよ。何もお前たちに世紀の犯罪者を捕まえてこいってわけじゃないよ。ピンキリだから弱そうな奴を選んで捕まえてきてくれよ」
「怖そうだね…」
「そうだな…まあ準備が必要そうだし…誰かに街を案内させるか。おーいビータ!」
「お呼びでしょうか…はあはあ…」
そこに息を切らし現れたのはビッパのビータだった。
「こいつらはわかるよな?トレジャータウンを案内してやってくれ」
「わかったでゲス!」
「任せた」
トリルはビータにバトンパスして地下へいってしまった。
「ううっ…嬉しいでゲス…」
ビータはいきなり涙を流す。
「ど、どうしたん?」
「いや、後輩ができて嬉しいんでゲス…君たちが来るまではあっしが新入りだったでゲス」
「そうだったの」
「それじゃ案内するでゲス!」
「うん!」

まずビータに連れらて交差点まで来た。
「ここには水飲み場があるでゲス。セーブは普通自分の部屋でするもんでゲスが…ここでもセーブができるでゲス」
「ビータ。セーブって何?」
「メタいので詳しくは言えないでゲス」
ビータはマルの質問を受け流して交差点を右に曲がった。

トレジャータウン
「ここがトレジャータウン____この大陸では大きな方の町でゲス」
「結構賑わってるんだな。」
探検隊もかなり出入りしている。
「トレジャータウンならボクもわかるよ。ヨマワル銀行。お金を預けられるよ」
と、マル。
「それからカクレオン商店。道具とかが買えるよ」
「あとはガルーラの倉庫。預けた道具はなくならないよ!」
チコとフーコもそれに続く。
「なかなか詳しいでゲスね。他にもエレキブル連結店があるでゲスが…今はいないみたいで…ガラガラ道場は潰れたでゲス…」
ビータは3人の説明にさらに付け加えた。
「そうだったの…気づかなかったわ…」
「あっしはギルドに戻ってるでゲス。お尋ね者選ぶの手伝うでゲスよ。」
「ありがとうビータ!優しいんだね!」
「そんな…優しいなんて…ポッ。それじゃ戻ってるでゲス」
マルの言葉にビータは照れている。
しばらくしてビータはギルドの方に帰っていった。
「ウチはカクレオン商店に行きたいな。」
「それじゃカクレオン商店へいこうか」

「いらっしゃ〜い!」
「オレンの実五つください」
「はい!250ポケになります」
250ポケをフーコが渡す。昨日の報酬がパーになった。
「ちょうどお預かりします。毎度ありがとうございました〜!」
「カクレオンさ〜ん」
そこにマリルとルリリがやってきた。
「いらっしゃ〜い!ルース君ルナちゃん!」
「リンゴください!」
「はい!」
「ありがとうカクレオンさん!」
「あとは落とし物を探すだけだ。行くよルナ。」
「うん!」
「あの兄妹はね病気のお母さんのためにこうして買い物にきてるんだよー」
「偉いね〜」
そこにルナとルースがものすごい勢いで戻ってきた。
「カクレオンさん!」
「どうしたの?」
「リンゴが一つ多いです!」
「ああーいいの!それはワタシたちからのオマケだよ。仲良くお食べ」
「うん!ありがとうカクレオンさん!」
「ルナ行くよ!」
「うん」
そうして兄のルースの方に駆けていこうとしたが…
「痛っ!」
転んだルナがリンゴを落とす。リンゴはショウの元に転がってきた。
「大丈夫か?ほい、リンゴ。」
「ありがとうごさいます。では」
リンゴをルナに手渡したその時。
(ん?なんだ?この目眩は…)
ショウはいきなり目眩に襲われた。
「かわいいな〜ルナちゃん」
「マルってロリコンって感じなの?」
「ち、違うよ!」
そんなやりとりがおこなわれているなかショウは聞いた。ピキーンという耳なりの後に…誰かが「た、助けてっ!」と助けを求める声を。


緑のヨッシー ( 2015/02/03(火) 22:58 )