番外編5 夜空に願いを
7月7日…。七夕の日。ショウ達はギルドの1日の仕事を終えていた。ギルドでは笹の葉に短冊を飾っている。みんな思い思いに短冊に願い事を書いているみたいだ。
牽牛と織姫が出会うその一日を覗いてみよう_______。
side ショウ
今日は7月7日七夕だ。しかしまあ、この世界にも七夕の風習があったんだな。ただいまギルドの中に短冊を飾るために短冊に願い事を書いている。
あ! フリルが短冊を飾った! 多分書いたのは『セカイイチたくさん食べたい!』だろうな。
ぼーっとして何を書こうか悩んでいると、レインやトリル、ララ、ルル、しばらく後にチコ、ヒノ、フィン、ホルン達が次々と短冊を飾りに行く。ふと、横を見るとフーコが少し顔を赤らめながら恥ずかしそうに書いていた。そんな願い事を書くことが恥ずかしいのかな? いや、見られたら恥ずかしいのかと勝手に頭の中で解釈をして自分の願いを短冊に書くため集中する。
そうだ! オレの願いは________。
side out
七夕飾りの短冊が風に揺られて、外は晴れていて星が煌めいている。そして夜中…みんなが寝静まった頃…。
「ふんふん。ふんふん♪」
星型で短冊を三つつけたポケモンがギルドの七夕飾りのところにやって来て短冊の願いを見ている。
そこにギルドから1人のポケモンがやって来た。
「久しぶりでゲス。ジラーチ。」
「やあ…! お久しぶりビータ!」
「そういえばなぜここに?」
「ボクは七夕には願い事を叶えないといけないんだ。んで、ここまで来たってわけ」
「七夕に会えるってこういうことだったんでゲスね」
「うん。キミの願い…見てもいい?」
「勿論でゲス!」
「ふんふん♪ 」
ジラーチはビータの願い事を見てにこやかに言った。
「キミって家族思いなんだね♪」
「そう言われると照れるでゲス……ぽっ…」
それからビータとジラーチは少しの間話していた。
「それじゃ、あっしはそろそろ寝るでゲス! おやすみなさいでゲス!」
「うん。おやすみビータ!」
そして…ビータは戻っていったが、ジラーチはまだ短冊を見ていた。
「ふんふん♪ ん? 『ショウと…みんなとずっと一緒にいられますように』かー…ショウってこのギルドのコリンクのことかな? この短冊を書いたのは…『フーコ』。ここのギルドの…テールナーかな? ちなみにショウの短冊には何て書いてあるのかな? 『フーコ達との楽しい日々が続きますように…』かぁ…」
ジラーチはそれを読んだ後、口を噤んだ。そして…
「いいよ。その願い……叶えてあげる!!」
ジラーチがそう言うと天の河に流れ星が流れた。七夕の夜はまだまだ続く。星が煌めいていた。2人の願いを叶えるべく……。