第三十四話 対決! サンセット! マルvsシノハ
side マル
チコが負けた。相手はかなり強いのだろうか。できればボクは戦いたくないなあ…
「次は……」
レインの声が聞こえてくる。どうか選ばれませんように。
「……マルvsシノハ!」
ガーン……見事に的中…最悪だよ。相手はフタチマルのシノハだ。仕方ないと思いながらボクは彼のもとへ行く。
「そなたがマル殿か。拙者はシノハ。悔いのない勝負をいたそう」
「うん!」
誰が相手だって平常心。頑張るんだ! ボクだってやる時はやる!
「それでは試合開始!」
「燕返し!」
「…………」
開始と同時に燕返しをしに向かう。シノハは目を閉じ、黙ったまま動かない。これは当たる。ボクはそう思った。
「白刃どり!」
燕返しを頭に叩き込もうとしたけど、行きなる目を開けてシノハは両手で受け止めた。
「拙者に刀のような攻撃は…効かないでごさるよマル殿。」
「ならばこれならどう? 渦潮!」
渦潮がシノハを襲う。シノハは二つあるうちの片方のホタチを取り構える。
「拙者に斬れぬものなど…あんまりない! シェルブレード!」
シェルブレードが渦潮を斬り裂き水滴がキラキラと舞う。
「次はこっちから行くでござるよ! アクアジェット!」
「渦潮!」
アクアジェットに向かって渦潮をぶん投げる…。巻き込まれてシノハは地面に着地したがフラフラしている。
「ま、まだまだ…でござる…ぅ」
「そう? 足下ふらついてるけど…まあいいや! アイスフィールド!」
「それを待っていたでごさる!」
冷凍ビームで砂浜を凍らせる。アイスフィールドの出来上がりだ。しかし、シノハはそれを待っていた? どういうこと?
「滑走居合!」
「ぐふっ……ゲホッ……」
軽やかに滑りながら居合斬りをしてきた。お腹に命中して咳き込み口から少し血を流す。
「少しやりすぎたかもしれないでござる。今から倒して楽にしてあげるでござるよ」
「……まだ、まだまだ負けないよっ! いつまでもヘタレじゃないんだからね!」
「これは楽しみでごさるね」
「潮水!」
「………」
シノハは残りのもう片方のホタチを抜き潮水の降ってくる上にかざした。
「跳躍斬り!」
降ってくる潮水を斬り、ダメージを
軽減するつもりだろうけど今、彼は空中にいる。そこがチャンス!
「滝登り!」
「しまった! やらかしたでござる!」
滝登りが命中しシノハは地面に倒れた。追撃して勝つんだ!
「ダブルアタック!」
二回シノハに突進した。これで倒したはずだよ。
ボコッ!
その時マルのお腹に衝撃が来た。よく見るとシノハは立ち上がっていた。
「…リベンジでごさる…危なかった。良い勝負だったでごさる…マル殿。」
「試合終了! 勝者はフタチマルのシノハ!」
その声とともにボクは意識を手放した。意識を失う直前に誰かに抱えられてどこかへ運ばれていた。勝ちたかった…。