第二十九話 迷宮の洞窟
ヴィント達が水源の谷にいるのと同時刻ぐらいのこと…。
side ショウ
オレ達、Aチームのフーコ、ホルン、フィン、マルは迷宮の洞窟へ来た。依頼の内容はオレと同じ種族のコリンクが妹を助けるため万能薬のガバイトのウロコをとってきて欲しいとのことだ。
ダンジョンはそれほど厳しくなく突破ができた。まあ、道中ではフィンがバブルこうせんをマルに5回くらい当てていて、オレも2回くらい被弾したけどフィンは目が悪いから仕方はないが結構痛かった。そのことをフィンに話すと…。
「あ……ごめん。私の特性ちからもちだから…」
と、言った。ちからもちという特性は確か、自分の攻撃力が2倍になるというものだったはずだ。
その他にもマルがワープスイッチや転びスイッチに引っかかって大変なことになった。フィンはそれを見て『爆破スイッチとかだったら危ないなあ…』と言った。
フィンはここ最近、晩御飯の後にヒノと本を読んでいる。その時に罠について知ったのだろう。
ゆっくりと歩いていると奥の方に広い場所がみえた。
「あそこの広いところがガバイトのいるところかな? みんな気をつけてな? 特に…」
「それならレッツゴーー!」
「こら! マル!」
フーコが警戒して言う。それにもかかわらずマルは勝手に奥へと進んで行った。仕方ないからオレはマルを追いかけた。フーコ、フィン、ホルンもその後を追いかけてきた。
「お前達…何の用だ? ここは我らの縄張りだぞ?」
その声とともに現れたのは大きな身体にヒレのついたポケモン_________ガブリアス。
「オレ達はガバイトのウロコを取りにきたんだ。どうかウロコをいただけないだろうか?」
できるだけ平和的にもらうことができたら…そう思ってそう言った。
「なるほど…みたところお主らは探検隊か?」
「そうですよ」
「ふむ。ガバイトのウロコを上げるのにはしきたりがある。」
「しきたり?」
「ああ…ガバイトと戦って勝てたらウロコを勝者に渡すというしきたりがな…」
しきたり…それは大切な儀式なのだ…仕方がない。ここはリーダーとしてオレが行くべきだろう。
「ガブリアス。オレが…」
「いや、戦ってもらうのはガバイトが決めるのだ。
「カイト。」
「はい、ヤイバ様。」
「この方々が挑戦者だ。この中から相手を選べ。」
「わかりました。」
ガブリアスはヤイバというらしい。カイトと呼ばれたガバイトがオレ達の方を見て品定めをしている。そしてマルの方を見て言った。
「そこのペンギン…俺と勝負だ。俺に勝ったらリーダーにウロコを渡そう。」
なんと選んだのは相性でカイトが有利なオレやフーコではなくマルだった。