第二十八話 チーム・レジェンズ
sideカケル
「あれ? ここは?」
「ここは水源の谷だ。ここで倒れていたんだ」
あれからフラワナに言われた通りに水を汲んでフラワナとヴィントが薬を調合した。それによってエレブーは目を覚ました。
「俺、ここで倒れてたのか…ありがとう! 助けてくれて。」
「よかったな。こっちの探検隊の方が助けたのだ。」
フラワナはヴィントや僕の方をツルで指した。
「いやいや、本当にありがとう! 助かりました! 俺はバレー。住処はエレキ平原というところにありますんで来る機会があったらいいですね。それでは」
バレーはボク達にお礼を渡すと帰っていった。
「お前らは何者だ? 薬にも長けているし…」
ヴィントはフラワナに向かってそう言った。
「なんだかんだと言われたら…」
「答えてあげるが世の情け!」
「おい…普通に答えろよ」
ミズハとリシューカが某ロケット団の名台詞を言いかけるとフラワナが言った。
「世界の平和を守るため!」
「世界の破壊を防ぐため!」
「………」
ミズハとリシューカは悪ノリして続けた。
「愛と真実のあk…「私らは探検隊_________レジェンズだ。」」
痺れを切らしたのかフラワナが名乗る。
探検隊レジェンズ。チャームズやレイダースにも引けを取らない有名探検隊だ。雑誌にもほとんど出ておらずまさに幻の探検隊なのだ。詳しいことは帰ってからトリルに聞いてみよう。
「俺はリザードンのリシューカ・ボルケーノ。」
「それで俺がミズハ・アクアマリン。種族はカメックス。そしてリーダーが……」
「私、フシギバナのフラワナ・バーナーだ。あと…養子のツタージャ。ネイルだ。」
フラワナの花の陰に確かにツタージャが寝ている。
「ボク達は探検隊ポケダンズだよ」
「僕はラクサスだよ」
「なるほど『裁きの悪魔』か。まあいい。私らがここにいたことは言いふらさないで欲しい。」
「どうしてだ?」
ヴィントが気になったのか聞いた。
「ここにきたのは依頼ではなく旅だからな。この子の親類を探すためのな。」
「あとは無謀にも戦いを挑んでくるやつがいるしサインとかも面倒だからな」
とても有名人らしからぬ発言だ。
「それで君たちはどこのギルドに属している?」
「トレジャータウンのプクリン_________フリルのギルドだぜ」
「フリル…まさかあいつが親方になるとはな…」
「知り合い?」
「ああ…東大陸にいた時に知り合ったんだ。」
フリルの顔の広さに正直驚いた。
「それじゃ縁があったらまた会おう!」
そう言うとフラワナ達は別の方へと歩いていった。
「それじゃ、オレらも帰るぞ!」
「おーーっ!」
グラスの掛け声でギルドへ向かって戻り始めたのだった。