時代を越えて - 第三章 滝とリンゴと遠征と
第二十一話 遠征の助っ人
side フィン

私の目線でははじめてかな? 探検隊の一員になったんだよね…。ペラップのトリルはすぐに私の目のことをわかってくれてギルドの生活の仕方について丁寧に教えてくれた。 そして、今は私にとってのはじめての朝礼。ギルドのみんなには昨日の晩御飯の時に自己紹介しておいた。みんないい人だったよ。
あっ、トリルが入ってきた。朝礼が始まるみたい。

「みんなっ、今日は仕事にかかる前に新しい仲間を紹介するよ!」
「仲間? また弟子入りか?」
「どうな人でゲスかねぇ?」

ボイムとビータが話していると突然、とてもくさい臭いが…なにこのにおい……臭すぎて視界がさらにぼやけて見える。

「臭い……」
「うぐっ……」
「このにおいは…」
「きゃー! なんだかオナラ臭いですわー!」
「あっしがしたんじゃないでゲスよー!」

ギルドのみんなが騒いでいるけど私も臭くて耐えられない…。

「あ、アイツらは!?」
「この3人が新しい仲間だ」
「ケッ、クリスだ。」
「へへっ…ロースだ。よろしくな」
「そして…このオレ様がこのチームドクローズのリーダーのドロンだ。覚えておいてもらおうか。特にオマエ達にはな」
「???」
ドロンという名前のポケモンはどうやら私たちの方をみながら言っているようだ。 しかしマルは誰だかわからないみたい。

「うん? なんだろう? よく見えないや」

種族がわからないなあ…。なんだろう?

「スカタンクのドロン。ドガースのクリス。ズバットのロースですよ。アイツらはフーコの宝物を盗んだんです。」

ヒノが答えてくれた。話によるとあまりいい人ではないみたい。気をつけないと…ぶつかりでもしたらひどい目にあうかもしれない…ショウたちから離れないようにしよう。

「なんだ。顔見知りなのか」
「いいえ違います」
「なら話が早い」
「あのー…聞いてます?」

チコは否定するけどトリルは聞いているのかいないのか話を進める。

「この3人は弟子ではなく今回遠征するための助っ人として参加することになったのだ」
「ええ〜〜っ!?」
「なんでそんなに驚くのだ?」
「トリルさん。アイツらはいちいち大袈裟なんですよ。ククククッ」


『この猫被りが!』と小さくチコが言った。私が探検隊に入る前に何かがあったのだろう。

「……まぁいい。とにかく今回親方様は遠征にこの3人がいてくれたほうが戦力になると判断された。ただ、いきなりチームワークは取れない。そういうワケで遠征までの数日間ともに生活してもらうことになったのだ。短い間だが仲良くしてやってくれ。」

と、トリルが言うと弟子たちはヒソヒソ話し始める。

「……(トリルは臭いと思わないのかな…)」
「……(親方様もですわ!)」
「…(ううっ…早く遠征が終わって欲しいでゲス)」
「…(トレジャータウンで消○力とかファ○リーズとかたくさん買ってこないと…部屋が臭くなるわね…)」

ボイム、ヒナ、ビータ、ララがこんなことを言っている。

「それではみんな今日も仕事にかかるよ!」
「「「「おー……」」」」

トリルは掛け声をだす。しかしみんなは声が小さい。臭くてやる気が出ないのかな?

「あれっ? みんななんか今日は元気ないね」
「だってよぉ!こんなに臭うのに元気だせって方がムリ…」

と、ボイムが言ったとたんにギルドが揺れはじめ私は転びそうになったけどカケルが支えてくれたから転ばずにすんだ。

…ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…
「あっ…これはまずい…」
「タァ……タァァァァァ……」

揺れがどんどん大きくなっていく。さっきまで一言も話さなかったフリルからこの声は漏れているようだ。トリルは危険を察知してこう言った。

「いかん! 親方様のいつもの怒りが…。親方様を怒らせてはとんでもないことになる! ムリにでも元気をだすんだよ!! みんな今日も仕事にかかるよ!」
「おおーーーーっ!!!!!」

みんなが元気に掛け声に答えるとさっきの揺れが一瞬でおさまった。部屋が臭いからなのかみんなすぐに上にあがっていった。

「クククッ。これからよろしくな」
「ケッ!」
「へへっ。」

ドクローズの3人も依頼の仕事に向かったみたい。

「くさい…」
「アイツら絶対怪しいよね…」
「そうですね。なにを企んでるかわかりませんし…みなさん注意して行きましょう。」
「そうだな」

フーコはドクローズを怪しく思ってるみたい。ヒノも注意して行こうと言った。ショウも。私も気をつけよう。






side ショウ


今日は普通に依頼をこなしてくれとのことだったので西の山岳地帯に行く途中に通った枯草平原というダンジョンの依頼をこなすことにした。
前にこのダンジョンにきた時はボイムたちがいたから余裕だったが今回はトラブルメーカーのマルがいるしどうなることやら。しかも別行動してるからなおのことだ。
枯草平原は年中枯草で覆われているし草が深いところもあるのではぐれやすいのだ。今回の依頼はキモリの救出…広いから別行動にして、オレはフーコと、ヒノはチコとフィンと、カケルはマルと行動してもらった。それにしても今日は…目が何かおかしい。なんだか知らないが物が透けて見える。

「ねぇ!ショウあそこ!」

フーコが突然声をかけてきた。フーコは枯草の道のを指差している。よく見てみるとオレンジ色のマフラーを巻いたキモリが何かをしている。

「おーい! 大丈夫ですかー!」
「ん? なんだお前ら?オレに何の用だ?」
「オレは探検隊ポケダンズのリーダーのショウです。」
「ウチはフーコです」
「あの…あなたのお名前は?」

もしかして人違い?と思いつつ名前を聞いてみる。

「探検隊か…オレはヴィント・ブレイドだ。」

捜しているキモリはヴィントという名前ではない。やっぱり違ったかぁ。

「ヴィントさんはどうしてここに?」
「ヴィントでいい。オレはここの枯草を取りにきたんだ。この枯草は風邪によく効く薬になるんだ。」
「へぇー…なるほど」

一年間変わらない枯草にそんな効果があるなんて…。

「そうだ。ここであったのも何かの縁だ。仲間になろう。」
「えっ? ええの?」
「ああ。ここに来るまでに友人とはぐれちまったんだ。そいつを捜して欲しい。」
「わかった。その友人も探そう!それじゃヴィント。よろしくな!」
「ああ…よろしく!」

オレたちはヴィントという心強い仲間を加えて引き続き依頼人を捜そうとしたがその必要はなさそうだ。なぜなら向こうからヒノたちが依頼主のキモリを連れてきたからだ。これで一件落着だな…。その瞬間オレの視界は歪み地面へ倒れこんだ。

「ショウ! 大丈夫!?」
「おい! ショウしっかりしろ!」

気を失う直前にカケルとヴィントの声が聞こえた気がした。






side カケル

依頼は無事は終えたもののショウが倒れてしまったので急いでギルドに戻った。リンが言うには疲れが溜まっていたみたい。ショウはそのあと夕飯の少し前の時間帯に起きた。

「ん…? ここは…ギルドか? そうか気を失って…」
「大丈夫?」
「平気だ。みんな心配かけてゴメンな…」
「おっ…起きたのか。」
「よかったわ!」

そこにやってきたのはヴィントとフーコ。さっきまで親方様の部屋でチームに入る手続きをしていたそうだ。

「…飯だぞ」

そこにいいタイミングでハープがご飯の時間を告げに来た。ご飯を食べて明日も頑張ろう。




________夕食後

「夕食食ったばかりだけど…なんか腹へったな」
「あんなんじゃ食った気がしないぜ」
「よし。ギルドの連中も寝静まったとこだし今からちょっと探しに行くぞ」
「へ? 探すって何を?」
「ギルドの中の食糧に決まってるだろ。食べ物を見つけて盗み食いだ。」
「流石は兄貴!」
「よし行こうぜ!」

黒い影がみっつ食糧倉庫に向かう。そいつらがショウ達に災いをもたらすことは誰も知らない。








■筆者メッセージ
目線をいろいろと動かしてみました。コラボキャラ2人目はヴィントさんです!ショウの目の具合についてはそのうちわかります。察しのいい人はもうわかってるかな?
緑のヨッシー ( 2015/04/29(水) 20:21 )