天文台
赤い宝玉を手に入れたヒョウガ達はあなぬけのたまを使ってボーダーシティの塔の前に戻ってきた。
「おお! よく帰ってきたのお…と言うことは宝玉は取れたのだな?」
ヌルがヒレを動かしながら塔の前に立っていた。
「うん。赤い宝玉だよ。」
宝玉は赤い光を放っている。ヌルはそれを見てほっと息をついてこう言った。
「それは良かった。古文書の解読をしておったら宝玉を納める台座の位置がわかったのじゃ」
「どこだそれは?」
「この街の天文台の頂上じゃ。」
「天文台?」
「ああ。この街の天文台は世界でも大きいことで有名なんだ。」
「街の北にあるわ。早速行きましょ」
「待つのじゃ。まだ解読の内容がある。」
「と、言うと?」
「2人目の勇者にまつわる情報じゃ。その前に勇者は7人いることが分かったのじゃ。」
「僕以外にもあと6人? 」
初耳という顔でヒョウガはヌルをみる。
「そうじゃ。そして2人目の勇者の特徴は…スバリ! 電気ネズミじゃ!」
「…ほぼ答えだね…」
「特徴じゃないなそれ……」
「かなり絞られてくるわね…」
ヌルのその答えに3人の反応は三者三様だ。
電気ネズミ___ピカチュウだろう。いや、デデンネと言う可能性もあるが…と言うよりデデンネは電気ネズミなのだろうか? ヌルのシビル丼…いや、シビルドンという種族も電気うなぎだが。
「ほほほ…それでは頑張るのじゃぞ」
ヌルはそう言うと家の中に入っていった。
「さて、行こうか。天文台に…」
「そうだね」
塔から北へ、3人は天文台へ向かう。
数分後、3人は天文台に到着した。すると、待っていたかのように扉が開き、クロと同じ種族のブラッキーが手招きをしている。
「おーい…こっちこっち。」
「行こう!」
ヒョウガ、モモ、クロは急いで天文台の中へ入る。受付の傍にある椅子に座ってブラッキーは言った。
「お前達だな勇者は。ヌルから話は聞いた。俺はアス・ザーバトイ。ここの天文台を管理している。」
アスに続いてヒョウガ達も自己紹介をした。
「天文台の頂上に台座があるらしいけど…」
「台座は最上階の天体望遠鏡の間にある。さあ、ついてきな。」
そう言うとアスは階段を登っていく。
「エレベーターはないのー?」
「ない! とにかく登れ!」
モモが息も絶え絶えと言うが無情にも楽はできないようだ。自分の足で登るしかないのだ。
そして最上階に着くとモモはぜえぜえと、息を切らしている。ヒョウガも若干息が上がっている。クロとアスは全く疲れていなさそうだ。
「ここが天体望遠鏡の間だ。勇者よ入るがいい。」
アスに続いて天体望遠鏡の間に入った3人。天体望遠鏡の置いてある台座に窪みがある。
「この窪みに宝玉をはめればいいの?」
「ああ。」
「よいしょっと…」
ヒョウガが赤い宝玉を窪みに納めると宝玉は輝きだした。そして、白の宝玉と同じようにすぐ、それは収まった。
「これで扉が出たはずだ行こう!」
「アスさん。ありがとうございます。」
「礼には及ばん。世界を救えよな。」
「頑張ります!」
そう言うとヒョウガ達は狭間の塔へと向かう。
狭間の塔には次の扉____オレンジの扉が現れていた。
「それじゃ…行こうか。」
「うん。」
ヒョウガ達はその扉を開けて次の世界へと進む…その先に広がる世界とは…?