誓いの虹 - 第一章 赤の扉〜倭国編〜
闇の軍勢


コトの家へとミヤビに先導されてヒョウガ達は向かっていた。
そして数分が経ち…こぢんまりとしたたたずまいの屋敷の前でミヤビは止まった。



「ここだ。入るぞ。」


ミヤビは門番と話をつけ中へ入っていく。ヒョウガ達もそれを追って入る。



「よくいらっしゃいました。私は万葉 琴。古を紐解く者です。」


屋敷の玄関にいるリーフィアの彼女______コトは微笑みながらそう言った。



「それで…ミヤビさん。何の用でしょうか?」
「この3人に古の書を見せてやってくれ。私は帰るから…」
「わかりました。さあ、3人ともこちらへどうぞ。」
「は、はい。」


コトは屋敷の中へ来るように手招きした。
クロ、ヒョウガ、モモの順にコトの屋敷へ上がる。そしてヒョウガ達は座敷に通された。


「お茶を出しますから少し座ってお待ちください。」


と言うとコトは足早にどこかへ行ってしまった。



「そうだ。そういえばヒョウガは別の世界から来たんだっけ?」
「うん。」
「向こうの世界の記憶…ある?」
「まあ…少しはね」


などと3人は話しているとコトはお茶を持って戻ってきた。


「お待たせしました。この国自慢の緑茶ですよ」


コトの持ってきたのは濃い緑茶。湯気が立っておりそこからはお茶の香りが漂っている。


「そろそろ本題に入りましょうか」


お茶を置きコトが口を開いた。そしてどこからか古い本を取り出した。国史と表題に書かれている。



「この本は王家に伝わる本です。さて…そんなに長くないですからちゃんと聞いてくださいね」



コトの言葉に3人は頷いた。そして彼女は語り始める。


「空に穴が開かれし時、この国は動乱に見舞われる。その時、新雪の勇者が訪れる。都の動乱を鎮め国を救うだろう。
…王家の宝玉は動乱をおさめし勇者に渡すべし。」


コトは詠うように言った。


「質問!」
「なんでしょう?」


クロがコトに質問をした。


「その動乱については記されていないのか?」
「…闇の軍勢の七柱とだけ書かれています。」



クロの質問に答えた時、屋敷の門番が駆け込んできた。



「た、大変ですっ!」
「どうしたの?」
「街中で大暴れしている人が……『我らは常闇軍なり』と言って建物を破壊したり住民を殺害したりしてます! ここにも何人か来てます!」
「このままでは明後日のお祭ができなくなってしまうわ! 3人とも、追い払うのを手伝って!」
「はい!」


ドタッ…。

ヒョウガ達が外に出るとさっきの門番が倒れている。どうしたのだろうとモモが近づこうとすると、どこからか鋭い葉っぱが飛んできた。モモは咄嗟に跳ねてよけた。


「ちっ! 運のいいやつ!」
「どちらにしても…勇者の一人がここにいる。だから倒さないと…」
「4人か…まあなんとかなるだろ」


その言葉とともに物陰から出てきたのはベイリーフ、マグマラシ、アリゲイツの3人だった。


■筆者メッセージ
絶賛スランプ中…コラボキャラは2章から出しますのでしばしお待ちを。
緑のヨッシー ( 2015/06/07(日) 21:32 )