燃える都
「ロッソ! お前はあのリーフィアとグレイシアを、ベルデはブラッキーを俺はエーフィをやる。」
「わかったよ、ブルーノ。」
「はいはい了解。」
ロッソと呼ばれたマグマラシがコトとヒョウガに、ベルデと呼ばれたベイリーフがクロに、モモにはブルーノというアリゲイツが向かっていく。
「危険な芽は早めに摘んでおかないとね…火炎放射!」
「コトは僕の後ろに。」
「はい!」
ロッソの火炎放射をヒョウガはもろに受けた。しかし、彼は笑っていた。
「ミラーコート!!」
「な、なんだってーー! うっそだー!!」
マグマラシの身体が宙を舞い地面に落ち気絶した。ヒョウガはモモとクロの方を見た。モモはブルーノを倒したみたいだ。サイコキネシスでねじ伏せたのかピクリとも動かない。クロはベルデと戦っているみたいだが両方ともフラフラして今にも倒れそうだ。
「これで…決めてあげようか。マジカル・リーフストーム!
「くっ…悪の波動!」
マジカルリーフの嵐がクロを襲う。悪の波動で対応するが、負けてしまう。
「…毒さえなければ…」
「ちっ…私もこれが限界…去るとしよう…この軍勢の目的は…宝玉の…破壊…勇者の妨害……」
と、ベルデは言ったが彼は毒で倒れた。宝玉の破壊と勇者の妨害が目的のようだ。
「クロ! 平気?」
「モモンの実をくれ…」
コトがモモンの実を渡すとクロは急いでそれを食べた。
「早く国王の所へ行きましょう!」
コトは慌ててそう言った。コトに続いて炎に染まった街を進む。いつの間にか昼から夜になっていていつもなら喧騒が絶えない都だが今日は悲鳴が上がっている。薄曇りに月の光が差し込んでいてこんな状況でなければとても美しい光景だ。夜だからなのかクロの額や足とかにある黄色い輪っかも光っている。
「ふっ…この程度か。この国の軍勢は…宝玉を奪うのも時間の問題…か。」
と、怪しい人影が闇夜の都を舞う。
コトはそれを見つけて声を上げた。
「いけない! 宮殿に急ぎましょう!」
ヒョウガ達は焼けた都の大通りを通り王の宮殿へと続く門をくぐるのだった。