はじまり
あるポケモンが光の中にいました。
「ここはどこ?」
そう言ったポケモンはグレイシア。グレイシアは辺りを見回しますが自分がただ白い光の中にいるだけ…。
そのグレイシアは考えた_________僕は寝ていたはず…それならこれは夢? だとしてもなかなか終わらない。
白い光の中に長く長く続いている道が現れた。その奥に行けば目が覚めるかも知れない。グレイシアはその道の先に行ってみることにした。
「お……おい………! おい! 起きてくれ!」
グレイシアの耳元で声がする。グレイシアが起きると目の前にはブラッキーが心配そうに顔を覗き込んでいた。
「ここは……?」
「ボーダーシティだ。ここはそこの公園だ。お前はここで寝てたんだぜ?」
「そうなの? ありがとう。起こしてくれて。」
「いいってことよ! 俺は月影 玄。種族はブラッキーだ。」
「僕は永雪 氷河です。種族はグレイシアです。」
ヒョウガはクロと名乗るブラッキーに挨拶をした。
「この街に来るのは初めてか?」
「はい。この街の造りとか見たことがありませんし…」
「もしかしたら別の世界から来たのかもな…でも気にすることはない。俺がついてるよ!」
「ありがとう…クロさん」
「クロでいいって! それじゃついてきな俺の家はこっちだ。」
こんなに親切そうなブラッキーのクロを少し怪しく思いながらも頼る人が他にいないのでヒョウガはついていくことにした。
クロの家は大きく、二階建ての一軒家だ。
「ここが俺の家だ! さあ、入った入った!」
「どうして初対面の僕にこんなに優しくしてくれるの?」
「それはな…」
ピンポーン
クロは少し間を置いた。その時玄関のチャイムが鳴った。
「すまん、客だ。少し待っててくれ。」
クロはそう言い、玄関へと向かう。少ししたら1人のエーフィを連れて戻ってきた。ヒョウガの顔を見るなりエーフィは抱きついてきた。
「セツ? もしかしてセツなの?」
「種族は同じで顔も確かに似ているが…ちがうぞ。」
エーフィは涙目になってそう言うがブラッキーは否定した。
「そう…い、いきなりごめんなさいっ!」
「ぼ、僕は別になんとも……///」
ヒョウガは顔を赤らめた。
「私はエーフィの朝比奈 桃。さっきはごめんなさい……。」
「僕は気にして…いませんから…僕は永雪 氷河です。」
「モモは行方不明になった弟_________雪を探してあちこちを旅していてな……種族はお前と同じでグレイシアなんだよ…さっき言いかけたのは昔俺は孤児だった。その時にこの街の市長に助けてもらったからな」
クロは淡々と言った。モモがヒョウガに抱きついたのにはそんな理由があったのだ。
「長い間見つからないし…今も心配なのよ…。もしかしたら別の世界にいるのかも知れないしクロに相談して市長さんに聴こうと思って…」
モモがそう言い終わった時に強い揺れが彼らを襲った。
「な、なに!? この揺れは!? 地震とは何か違うわ!」
しばらくすると揺れは収まったが、外が騒がしくなった。
「外に出てみよう!」
クロを先頭に3人が家から出るとそこには信じられない光景が広がっていた。