そよ風吹く草原で
ここはどこなんだろう…風が気持ちいいな…。ん?誰かが話しかけてくる…誰だろう?
「…ぇ…お……!お…てっ…ば!起きて!」
目を開くとそこにはタネを背中に背負っている緑のポケモンがいた。他にもあと2人ぐらいいるけど。
「大丈夫かい?君はここで倒れていたんだ。なかなか目を覚ましてくれないから心配したんだよ?」
「…ポケモンが…ポケモンが喋ったあ!?」
「え?」
緑色のポケモンが『何言ってんだコイツ?』という顔をしている。それからこんな一言を発した。
「君はどこからどう見てもポケモン!ピカチュウだよ!」
「え?そんな…俺はニンゲン…」
「えっ?ニンゲン?」
赤色の身体のポケモンも反応する。
「バブル!鏡を!」
「うん!はい!」
バブルと呼ばれた青いポケモンが鏡をピカチュウに渡す。
「はい鏡。」
「ああ…ありがとう。」
鏡に映る自分の姿。雷の形を思わせる尻尾に黄色い身体……それは間違いなくピカチュウだった。
「まじかよ!?本当にピカチュウになってる!」
…でも、どうしてなんだ?何も思い出せない。
「おい…名前は思い出せるか?」
そうだ…俺の名前は…
「俺の名前は水無月十六夜(ミナヅキ イザヨイ)だ。水無月が苗字で十六夜が名前だ。」
と地面に木の枝で名前を書く。
「ミナヅキイザヨイ…面白い名前だねww」
「人の名前をわらうんじゃねぇ!」
「ごめん…」
「なるほどイザヨイって名前か…おっと。僕の名前はグラウンド=バーナーです。種族はフシギダネ。ラウンと呼んでください。よろしくお願いします。次バブル。」
「オイラはバブル=アクアマリン。種族はゼニガメだよ。よろしくね!さっきはごめん…最後グレン。」
「オレはグレン=ボルケーノ。種族はヒトカゲ。よろしく。」
3人と握手をしたあと気になったことを聞いてみた。
「どこなんだここ?」
「この世界はポケモンだけ暮らしている。ニンゲンはおとぎ話でしか出てこないぞ。ここは東の大陸にある小さな森の草原だ。」
なるほどな。そういうことなのか。
…グラグラグラグラグラグラ!!!
地面が大きく揺れる。
グレンに”効果抜群”だ!
「遊んでる場合かよ作者ァ!」
「地震?結構大きい…」
「そうだよイザヨイ。ここ最近この大陸では今の地震みたいな自然災害が毎日のように起こっているんだ。」
「それで誰かを助けたいというポケモンたちが集まって救助隊がこの大陸では多いんだよ。」
「たいへん大変大変たいへんたい、…変態よー!!助けてー!」
羽を羽ばたかせてこちらに誰かがやってくる蝶のようなポケモン…バタフリーだ。
「誰が変態じゃ!」
「まあまあ…」
「どうしたんですか!落ち着いてくださいサリーさん!」
変態と言われて怒るイザヨイ。バブルがそれをなだめる中、ラウンは落ち着いてサリーに対応している。
「私の息子のターヤちゃんが地割れに落ちちゃったの!」
「わかりました!よし!助けに行こう!」
「おー!」
「お、俺も?」
「そうだよ君も!早く来てよ!」
「わかった!」
「ターヤをお願いします!!」
その声を聞き、イザヨイ達はターヤを助けに向かうのだった。