4.「新たな仲間と四天王のキャラ」
困った。まさか迷うとは‥まずは位置情報から。ライブキャスターでマップをみると、どうやらあと3時間程北東に歩けばトキワシティに着くようだ。よかった。衛星ってすごい。
「ミニリュウ、行こう」
「へい」
歩きながら、ミュウとの会話を思い出す。そういえば、あの時ミュウはサカキに落とされるって言ってなかったか?あれ?あの人はジムリーダーだったはずじゃなかったっけ?ロケット団と関与してるのか?まあいいか。
お、野生のスピアーだな。
「ミニリュウ、りゅうのいかり」
「ギャー!」
襲い掛かってくる野生のポケモンたちをミニリュウがなぎ倒していく。まあここならりゅうのいかりが使えるとこうなるよな。沢山の野生のポケモンを倒したことでミニリュウもかなり強くなった。(確信)
「お、ピカチュウじゃないか。」
「ちゃう!」
「こっちに来いって?」
「ぴっか!」
ピカチュウについていくと、傷だらけのポケモンがいた。図鑑で見たら、そのポケモンはリザードというようだ。でも目の前にいるリザードは黒い。色違いかな?
ちがーーーう!早くこいつを治療しないと!
俺はリザードにキズぐすりを使った。リザードの顔色がよくなって来た。どうやらダメージを受けただけで済んだようだ。よかった。リザードが起きたらうちのチームに勧誘してみるか。まだミニリュウ1匹だけだけどな。
それから20分後。リザードはゆっくりと目を開けた。もうこいつは大丈夫だろう。
「もう大丈夫か?」
リザードはこくりと頷く。
「なあ、俺たちと一緒に旅をしないか?」
何を思ったのか、すぐさま俺の鞄からボールを取り出して、自ら入った。カチッと捕獲成功を示す音がなると、リザードは出てきた。ミニリュウと何かを話していたが、同じ色違いとして、気が合うのかな?色違いが2体。珍しいな。
「ミニリュウ、リザード、ロケット団が来る前にこの森を出よう」
「「はいよっ!」」
こいつらが気が合う理由はこれだな‥色違いって陽気なのか?
野生のポケモンと戦うのも、だんだん慣れてきたな。でもまさかリザードもりゅうのいかりが使えるとは思わなかった。このりゅうのいかり無双はどこまで続くんだよ?
マップを見ながら歩いていたら、ようやく道を見つけた。まあ余計な奴らもいたが。
「まさかそっちから出てきてくれるとはな」
「いけ、ゴルバット」
「どくばりだ」
「いきなりかよ!お前ら、りゅうのいかりだ!」
りゅうのいかりは容易くどくばりを飲み込んで敵のゴルバットたちに命中した。だが、一撃では倒れなかったようだ。
「ミニリュウ、もう一度りゅうのいかり!リザードはひのこ!」
「ゴルバット、かわしてきゅうけつ」
ゴルバットたちはミニリュウたちの攻撃をかわしてきゅうけつをおみまいした。2匹とも少し苦しそうだ。
「もう一度りゅうのいかり!」
今度は15体のゴルバットのうち、3分の1は倒せたようだ。
「ゴルバット、散ってどくばりだ」
色々な方向からどくばりが飛んでくる。くそ、どうすれば‥
「クロバット、受け止めて倒してしまえ」
どこからかクロバットが飛んできて次々とズバットを倒した。そして、次の瞬間、ロケット団員たちは縛り上げられていた。何が起こったんだろう?
「大丈夫か?」
「はい。助けてくれてありがとうございます」
「礼には及ばん。なんせ俺もロケット団員を倒さないといけなかったからな」
「でも助けてくれたことにかわりはないですよ」
「そう言ってくれると嬉しい。俺の名前はキョウだ」
「 四天王のキョウさんだったんですか!」
なんで気付かなかったんだろう?この忍者の格好で強いポケモンを持っている人と言えば四天王のキョウとセキチクのジムリーダーのアンズしかいない。まあ親子は似るのかな?
「でも俺は別に忍者の末裔とかではない」
「でもジムリーダーや四天王って結構個性的じゃないですか?」
「それはキャラ作りだ。ポケモンリーグの本部からは、普通のトレーナーだとつまらないからそれぞれキャラ作りというものをしなくてはならない。元からのやつもいるがな」
「それって言っていいんですか?」
「いや、これは極秘情報だが?」
「What!?」
「あ‥‥‥言っちまった」
「まあ言いませんから」
「すまんが頼む。そろそろ俺は行かなければならないな。じゃあ挑戦待ってるぞ」
「はい!」
そう言ってキョウさんは飛んで行ってしまった。にしても口を滑らせたとしても極秘情報を丸々全部人に教えてしまうなんてことがあるのか?もういいや。
「よし、トキワまであと少しだ。行こう」
「「へい!」」
完璧です。