3.「幻と力」
俺は確か、小屋を出てトキワの森に入ったんだ。それからしばらく野生のポケモンと戦いながら、森を進んでたんだ。そしたら、なんかちいさなピンク色のポケモンが出てきてそれからーーー
「うう‥」
「やっと起きたね」
はっとして辺りを見回すが、誰もいない。いるのは、ミニリュウとピンク色のポケモンだけだ。俺が図鑑を出そうとすると
「それは使わないで。」
ん?やっぱ声聞こえたな。
「目の前のピンク」
「ポケモンって話せるんだな」
「ポケモンは人間の言葉は話せないわ。」
「じゃあなんで俺は分かったんだ?それと、なんで俺はここにいるんだ?っていうかここどこだよ?」
「私が連れてきたのよあとここはトキワの森よ」
「なんで連れてきたんだ?」
「あなたは面白い力を持ってるわよ。前に、ポケモンが喋ったことはあない?」
あります。ミニリュウがいきなりお腹空いたー!とか叫んだ事があった。なるほど、そういうことね。
「ミニリュウがお腹空いたー!って1回叫んだ」
「そう。つまりあんたはポケモンと話ができるのよ。ポケモンもあんたが言ってる事をちゃんと理解しているわ。ようやく力が目覚めたのね」
まさか俺にそんな力が、ね。これには驚いたな。というか、結局なんで呼ばれたんだ?
「でね、あんたを連れてきた理由は、あのままじゃ危なかったからよ」
「森にいたらまずがったのか?」
「あんたはロケット団に目をつけられた」
「なに?」
「あんたがあいつらを倒したから奴らはあんたを危険視しているわ。」
「で、どうしろと?」
「ポケモンリーグが危ない」
あの?あそこがロケット団に落とされるのか?四天王やチャンピオンのワタルがいるあそこが?
「でも、私の未来予知は絶対よ。だからサカキがポケモンリーグを落とすのは時間の問題ね」
「つまり、お前が俺に頼みたいのはその後ってことか?」
「そういうことね。今私が言えるのはここまでよ。だからあんたはまず自分の目的を優先するべきよ。でもロケット団との戦いは避けられない。身の安全に気を付けてね」
そう言ってピンク色のポケモンはいなくなった。と思ったがまた出てきて
「忘れてたわ。私の名前はミュウ。よく覚えといてね」
ミュウは消えた。
ていうかさ、これ、いきなり?俺ってさっきそんなやばいやつらに手を出してたのかよ!これじゃまず身の安全を確保しないとまずいだろ!
「よし、ミニリュウ、さっさとトキワの森ぬけるぞ」
「はいよ!」
「お前ってそんな口調なのか?」
「キャラ作りなう」
こいつは陽気なやつだな。色違いなんだからこれからも狙われるぞ?
「なあ、今思ったんだけどスピアー多くね?ていうかやたら強くない?」
「でもボクにはりゅうのいかりがあるからこのレベルならね。うん。」
なんでこいつはいきなりりゅうのいかりを覚えているんだ?
ガサッ
ん?
「お前が要注意人物だな」
そう言って出てきたのはざっと15人ほどのロケット団だった。ちょっとまずいぞ?
「あの時の借りを返してやる!いけ、ゴルバット!」
ゴルバットが15体程出てきた。ゴルバットはズバットの進化系だよな。勝てるのか?
「ミニリュウ、いける?」
「15体はちときついがな‥」
ですよね〜。修行しないと!ていうことは、俺たちがやらないといけないことは‥‥‥‥ないな。
ロケット団に聞こえないぐらいの声で、
「逃げるぞ」
と言った。ミニリュウも頷いていた。
「煙玉!」
「ミニリュウ、俺をのせてくれ!」
予想外の出来事にロケット団は驚いたようだ。すんなりと逃げることができた。だか‥‥
「ここはどこ?」