1.「全ての始まり」
「ん〜」
今日もポッポの鳴き声で目を覚ました。
「今日は何しようかな〜」
ん?えっと、確か今日は俺の記憶通りだと‥
「あ、そうだ。思い出した。今日は旅立つ日だった。」
そう言いながら横を見るとパートナーのミニリュウが呆れ果てた目で俺を見ていた。忘れちゃう事だってあるだろ。
ないか。
俺の名前はリュウ。横にいるミニリュウは、あることがきっかけで俺の仲間になった。そして今日、こいつと一緒に旅立つんだ。
服装を整えてリビングに行くと、母さんが朝食をだしてくれた。
「今日はリュウが旅立つ日ね。緊張して昨日の夜は全然眠れなかったわ。」
まじかよ。昨夜ぐっすり寝て起きたら旅立つ事を忘れてただなんて言えない!絶対に言えない!
「でもリュウ、何で10歳になった時に旅に出なかったの?」
「別に大した理由はないよ。」
「でもレッド君達と差がついちゃったわよ?良かったの?」
言われてみるとそうだ。確かにそれはまずい。でももう過ぎてしまったことは、やり直せない。まあいいだろ。
「追い抜かせばいいよ。」
そんな話をしながら朝食を済ませる。それから、荷造りをする。荷物は、モンスターボール5個、キズ薬10個、なんでもなおし5個だ。ポケモン図鑑とトレーナーズカードはオーキド博士がくれるそうだ。ちなみに、ポケモン図鑑を持っている人は珍しい。なぜなら、各地方の博士が研究所を構えている町でしか手に入らず、しかも博士たちは、田舎好きなのか、人口がかなり少ない町に研究所を建てているのだ。故に図鑑を持つ人は少ない。
準備ができた。遂に俺の旅が始まるんだ。俺はうずうずしていた。
「母さん、行ってくるよ。」
「行ってらっしゃい!」
俺は走り出した。速く研究所にいくんだ!
研究所に着いた。インターホンを押したら、オーキド博士が出てきた。
「お〜、リュウ君じゃの。待っておったぞ。」
オーキド博士は、中に入れてくれた。
「はい、図鑑とトレーナーズカードじゃ。簡単な使い方を教えておこうかの。図鑑は、ポケモンと出会った時にポケモンにカメラを向ければポケモンの情報が分かるんじゃ。そして、トレーナーズカードは、トレーナーであることを証明するものじゃ。これをなくしたら大変な事になるから気を付けるんじゃぞ。」
「はい」
「うむ。ではお主も早く旅に出たいじゃろう。これから色々な場所を旅してこの世界をよく見てくるといい。」
「はい!では、行ってきます!」
「気を付けるんじゃぞ〜」
こうしてリュウの長い旅は始まった。