第四話 試験終了!
神秘の森で落とし穴に落ちてしまったエンジェル、真っ暗なその場所で、明かりがついた時、そこにはプリル達がいて――?」
〜☆〜
……四対九、英雄VS最強ギルドの対決。
こちらも十分強いはずだが、あちらも十分強い。特にプリルは最年少ギルドマスターランク、油断していたら――負ける。
「こっちも負けられないんだ……多分だけどビーグ、感謝するぜ!」
この中以外、恐らく穴を開け閉めするのはビーグだろう。
ビーグが気付いていない今がチャンス!
「で、どうするつもりなんだい?」
「俺とシルガで他の弟子を倒す、お前達はプリルの足止めをしてくれ」
「分かった、強い敵は集団で倒すの?」
「そういうこと、さぁ……行くぞッ!!」
「「おぉ!」」
「おー」
……とりあえず、俺も。
「本気を出す……“超帯電≪ボルテックス≫”!!」
「ならば……“波動纏装”」
帯電と充電を掛け合わせた最強の電力と、波動を纏った擬似解放の様な物――その二つが背中同士を預ける。
「負けるなよ?」
「お前にだけは言われたく……ない!」
瞬間、シルガの姿が消える。不完全の“神速”ながらも波動纏装状態では完全に近づいている。
「“マグニチュード……8”!」
「“大地の力”!」
「! ――守る」
「うわぁっ!?」
シルガは見たところ、守るで両方防ぐが、俺はマグニチュードを高く飛んで避けただけで、大地の力は防げなかった。
「痛ぇ……ははっ、やったな。お前ら」
「万死に値する」
「「“十万ボルト”/“波動弾”!!」」
十万ボルトと波動弾、高圧の電撃と追尾する蒼き弾は見事にディルに直撃する、元々ディグダという種族は体力が高くない、幾ら十万ボルトが効かないからと言って全くという訳では無い。
しかも波動弾をモロに喰らい、これで立てるはずもなく……戦闘不能。
「次は……ソーワ!」
「“花弁の舞”ですわ!!」
次はギルドで一番強いソーワ、卒業試験を受ける気はないか、と呼ばれているが全て断っているらしい。
そして“花弁の舞”は草タイプでも高威力、花弁を竜巻の様に放つ技だ。
「そんなもの……“暴雷”ッ!!」
だがそんな物、二つの雷の前では無意味だった。
花弁の竜巻を一つの雷で破り、残りの雷で相手を引き裂く。
「二人目……げ、撃破!」
そのままドサッ、と倒れると、動かなくなる。
戦闘不能だ。
「次は……」
「落ち着け」
「シルガ……後は誰を?」
「ガオンを倒した、中々のパワーだったが“波動掌”の前では無意味だ」
良く見ると、俺もこいつも無傷だ。やはり強力な技を当てるのは良いことだ。
「グヘヘヘ」
「っ!」
次は後ろから――ドツキ!
「“毒づき”!?」
毒づきとは、毒を纏った突きの事、追加効果で毒になる。
連続で放てる上、使いやすい、しかも同タイプなので愛用しているのだろう。
「くっ、ぐっ、うわっ!」
右の突きを払い、左の突きを払い、腹の一発は後退することで避ける。
こんな短い攻防の中で思った。こいつは強い!
「この……“爆雷パンチ”!!」
「ゲェッ!!?」
この小さな体からは創造できないような威力の拳がドツキを襲う。闇のディアルガ戦で使った技だが、通常のポケモンには大ダメージだろう。
その分、俺の手も悲鳴を上げるが。
「“巴投げ”、“波動連弾”」
「ぐおぉ!!」
……シルガめ、ボイノに対して容赦ないな。
「よそ見してる場合?」
「え? ……げ、フウ……サーイも」
不味い、戦わないと……えーと、えっと。
「“岩雪崩”!」
「“サイコキネシス”」
来る……いやだめだ、こんな時にフウに恐怖してどうする。苦手なだけだ、怖くはない。
「……折角、ここまで来たんだ。恐怖心なんかに負けてる時間じゃないんだ!!」
襲い掛かる不規則な動きの“岩雪崩”、サイコキネシスで操られているため機動は読めない。
なら――読む必要はない。
「全部ぶち壊してやる!」
全ての岩、いや、全てを巻き込む大放電!
「“ディスチャージ”ィッ!!」
「ぐおおおぉぉぉっ!?」
「きゃあああぁぁ!!」
“ディスチャージ”、全てを巻き込む大放電。
それは見事に岩、敵二人、友に撃破する。サーイも倒れたのは少しの解放の影響だろうか。
「はぁ、はぁ、これで、終わりか……?」
「……ピーピーマックスだ、飲め」
急にシルガが現れたと思うと、ピーピーマックスを投げる。それを受け取ると俺は一気に飲む。するとエネルギーが回復する……慣れたことなので、気にはしない。最初は頭がオーバーヒートになりそうだったけどな。
「ありがとよ……そうだ、ミルとフィリアは?」
「あそこだ……」
見ると、プリルとペルーに圧倒されている二人がいた、苦戦しているのは直にわかったが、プリルの方が無傷と言ってもいいぐらいなのが気になる。
確かにギルドマスターは凄いが……あそこまで凄いとは。
「加勢に行くぞ!」
「ああ」
果たしてどうなる――?
〜☆〜
時は遡り、化け物組みと普通組みに別れた後。二人が同じく二人と退治している頃。
そこでは、ピンク色の風船ポケモン“プリル・クリム”とカラフルな翼を持ち、音符のような頭を持つ“ペルー・リコーダ”。
そしてふわふわの毛が襟巻きのようにある耳長兎“ミル・フィーア”、そして細い体に黄緑がベースのポケモン“フィリア・レヴェリハート”。
「名前が種族じゃないんだけどね」
「フィリア、しっかりしなきゃ。やられちゃうよ?」
「うん、分かってるよ」
「ふふふ、悪の大魔王とその側近、二人だけで倒せるのかな?」
「精々、我々を相手に最後まで足掻くんだな!」
尋常じゃないぐらいペルーがうざい、フィリアがそう思ったのと接近して“リーフブレード”を放ったのはほぼ同時だった。
「うわっ、いきなりは危ないじゃないか!」
「勝負に待ったはないよ!」
「わわ、私も……“シャインボール”」
幾つかの光球が相手を襲う、これはディアルガにも一応効いたはずだ。
「そんな物……“乱れ突き”ィ!!」
その様々な光球を“乱れ突き”で相殺する。嘴が痛くないのか、心配だ。
まぁ、嘴に傷がついてないあたり大丈夫なんだろう。
「どうだ! 恐れ入ったか?」
「いや……次はこうだよ!」
「うん!」
尻尾に光が集まり、口元に光が収束される。
「“ソーラーブレード”!」
「“シャインロアー”!!」
太陽の刃と光の咆哮、流石にこれを相殺するのは……!
「そろそろかな……“ハイパーボイス”ゥッ!!」
「「!?」」
相殺……いや、破られた。
しかもそのまま自分達に向かってくる音の衝撃波、そんな威力のを食らったら……倒れる!
「うわぁっ!!」
「きゃあ!!」
何とか踏みとどまる事で衝撃は耐えれる。それでも音が耳を襲い、耳を塞いでも失神する勢い。
「あ――」
「ミル……ミル、起きるんだ!」
「え、あ……一瞬、気絶しちゃってた」
「これは、ボイノのハイパーボイスで慣れていたから良かったものの……なれてなかったら鼓膜が破れてるかもしれない」
フィリアがチラッ、と横目でラルド達を見るとまだ四匹を倒したところだ。
「早く来てくれないと……困るよ!」
「ペルー、行くよ」
「はい、親か……大魔王様!」
二人が思い切り息を吸って、溜め込んでいる。ここまでくれば何をするかは分かるだろう。
「「“ハイパーボイス”!!」」
「う――」
「き――」
そこで、二人の意識が途切れた――。
〜☆〜
「ミルッ!! フィリア!!」
「二人とも、倒れているな」
やっと終わった……と思い向かおうとした瞬間、聞こえた大轟音。
何事かと思いきや二人が倒れていた……あんな近くであんな大轟音を聞けば気絶するのも無理はないが。
「この……」
「おや、やられにきたのか?」
「お前……いいぜ焼き鳥にしてやらぁッ!!」
「……馬鹿が」
「本当の本気で行くぞ……“解放”!!」
実は帰ってきた後、一ヶ月の修行の末“解放”を自由に使えるようになったのだ。
使用時間は今はまだ一時間が限界だが……。
黄色いオーラに包まれ、翡翠色の眼を持つ者。
「“爆雷パンチ”!」
巨大な雷のパンチで二人に向かう――が。
「“破壊光線”」
「なっ……“暴雷”」
手に纏う雷を放ち、相殺する。だが左手にも……。
「“鋼の翼”!」
「向かってきてくれて好都合、だ!」
鋼の翼――翼を鋼のように硬くして、相手に当てるという翼で打つの鋼版。
「……なにっ!?」
だが、爆雷パンチを当てた瞬間――それは消えた。
心当たりがある、恐らく“身代わり”という自分の体力を削って造った身代わりを自分を守る、若しくは相手を錯乱する意図で使う。
「どこだ……! そこか!」
ただ、解放時の特典はタイプ関係なく効果抜群と言う事だけではなかった。
勘が優れているのだ、この状態では。
「“チャージビーム”!」
「ぎゃあああぁぁぁ……」
当たった、しかも的確に。
「どうだ……やったか?」
「ぐお……ふ、ふふふ。これぐらいでやられると思うな!」
!? まだ立っている、だと。
解放の事は話していないが、あっちもこれには警戒しているだろう。技の威力も大幅に上がっているし、効果抜群のはずなのに。
「どういう意味だ?」
「当たる瞬間に“羽休め”をしたのさ、お陰でダメージを減らす事ができたよ!」
……今まで強いのか、と疑ってきたが。間違いない、こいつは強い。伊達に副親方を名乗ってないようだ。
「なら……“十万……」
「僕を忘れてるよ♪」
「何を――」
「“往復ビンタ”」
「ぶっ、ヴっ、ぐっ、がっ、ぐはっ!」
五回、全て当たり、最後には吹き飛ばされる。
本来“往復ビンタ”は一発一発は軽いが連続ですることによってダメージを稼ぐと言う技だ。
なのに、このビンタは一発一発が重い。ミルの適応力で威力が強くなった“体当たり”ぐらいはある。
「この……穴を、掘る」
一先ず穴の中で体勢を立て直そうとしてか、それとも次の攻撃のための布石か……どちらかは分からないが、穴に隠れる。
「どこからだ……?」
「……わっ」
「ちっ!」
まずはプリルを狙う、がこれは避けられる。
「次は……私か!」
「またかよ!」
そしてペルーを狙うも、悉く避けられる。
だがこれでいいのだ、目的は穴からの不意打ちなんかじゃない。穴を開ける事が目標なのだ。
「穴が……よし、これで!」
穴を開けた範囲からプリル達が出るまでに、穴から出ると……!
「行くぞ、“サンダーリバース”!!」
「ぎ、ぎゃあああぁぁぁ!!!」
「うわあぁ!!」
よし! ペルーを倒して、プリルに攻撃も当てた!
「……俺はずっと放置か」
シルガは空気を呼んでの行動か、一ミリも動いていないが……ラルドからしたらサボっているようにしか見えない。
「はぁ、これで……」
「時間にして約十分。三十分を超えると体が悲鳴を上げてくるぞ」
「分かってる。で、プリルは?」
「ほとんど無傷に近い状態で立っている」
「そうか……って、え!?」
無傷……この言葉に驚く。というか驚かない方が可笑しいだろう。
サンダーリバースであけた穴は十、流した電気は“百万ボルト”。
百万もの電撃なので、反動でしばらく電撃は打てないが……でも、無傷。
「なら、後は頼んだ。お前にしかできないだろ」
「把握した」
シルガも同じく解放が使えるようになった、蒼いオーラを身に纏い、銀の眼を持つ。
「ふふふ、効かないなぁ」
「本当なのかよ……」
そして、特典は――
「“ハイパーボイス”!!」
「“波動槍スティンガ”」
エネルギーの、具現化。
ドオォン、という音が辺りに鳴り響く。波動と音の衝撃がぶつかり合い、できた音。
実際にエネルギーの具現化といえば、波動弓がいい例だ。あれは実体化している。
しかも波動の鎧もできることにはできるが、避けた方がいいのと身軽なほうがいいという理由からしていない。
「君達は不思議な能力を持ってるんだねぇ。昔、遺跡で見た能力とそっくりだよ」
「遺跡……?」
「教えないよ、それより……それっ!」
「近づくな、“波動弾”」
「“目覚ましビンタ”♪」
波動の弾をビンタで弾き返す。色々と信じられないが、これが最年少ギルドマスターランクの実力、しかも手加減をしているだろう。
「ならば……」
「おや、隙だらけだねぇ、それ!」
ノーマルタイプでも強力な突撃技“捨て身タックル”。
そしてシルガは隙だらけ……だが。
「だが、当たると思うな」
「っと、わわ、危ないなぁ」
“見切り”を使い、攻撃を避ける。隙だらけで油断していただろう。そして背後からつく!
「“波動弓モルフォス――貫通型”!!」
「!!!!」
背後からの波動の光線、それは効果抜群、更にそのまま壁に激突。
威力は高いだろう。
「……やったか」
本気でやりあっていたら負けていただろうが、これは試験だ。本気を出していたらそれこそ突破なんてできない。
「う……こ、ここは?」
「えと、確か私達、気を失って」
「起きたか。ラルド、現状を説明してやれ」
「はいはい、分かりましたよ」
それから簡単な説明をすると、二人とも驚いた。二人はハイパーボイスの直撃を受けていないから知らないが、あれはかなりのものだ。
「うぅ……」
「ん? 誰か何か言ったか?」
「いや、僕は何も」
「私も」
あれ、じゃあ一体なんで……と考えようとした瞬間。
――倒したはずの全員が起きた。
「「「え?」」」
「……」
「ひ、ひぃ、逃げろー!」
『ひいいいぃぃぃー!!』
……とりあえず、四人が思った事は「意味不明」「同じく」「理解不能」「下手な芝居」だったというのは誰にも打ち明けられる事は無かった――。
〜☆〜
「あら、エンジェル」
「遅かったな、二十分も遅刻だぜ?」
「ちょっとな……ん、これは?」
やっと来た“光の泉”。全然光ってないが、これも時の影響だろうか。
そして……ヒメにヘスが不気味がって居るものがあった。
「なぁ、これなんだか分かるか?」
「それは……宝箱!? という事は、この中に……」
「不気味で触れなかったんだけど、あなた達の目的?」
「そうだよ、多分だけど私達が取ってこいって言われたものだと思う」
「……一応、安全の為にやってみるか」
俺は安全のため、宝箱に触れると眼を閉じ、意識を集中させる。
“時空の叫び”だ。
「……来た」
――――
光の泉が見える。
そして、今丁度、宝箱がおかれている場所に影が置き、とある林檎を入れた。
――――
「……成る程、中身は……セカイイチだったのか」
「プリルらしいね」
「きっと、我慢してここに置いたんだろうと思うと、可哀想になってくるよ」
「知るか」
ははっ、とりあえずこれで試験は終了……
……ん? 今、何か違和感のような物が……。
「あら……みて、泉が!」
「な、なんだなんだ!?」
一瞬の違和感の後、泉の方に振り返ったヒメが叫びだす。とりあえずその時は何が起こるんだ? と警戒していたが……見れば、なんと。
「泉に……光が!」
光が差さない泉に、光が差していた。
「一体、どうしてだ」
……目覚める者達よ……
『!?』
脳内に直接響いた!? ……これは、もしかしてテレパシーって奴か?
「それよりも、なんで? なんで動き出したの?」
時が動き出す事で……光もまた、流れ始めた。
進化したい者は、前へ来るがよい。
「あ、じゃあ私! 進化するわ!!」
「ねぇ、進化って何?」
「進化って言うのは、能力や力が強くなり、但し姿が変わり、一度進化したら戻れない……」
「へぇ、じゃあヒメは何になるんだろ、気になるな」
「……」
……目覚める者達よ……
ここは光の泉。汝、新たな進化を求めるか?
「求めます! 進化したいです!」
……承知した……
……目覚める者達よ……
では、始めるぞ。
ヒメの体を光が包み……光が収まると――ヒメはリングメに進化した!
「お、おぉ……やったなヒメ、これでお前の夢も達成されたぞ!」
「えぇ、よかったわ……本当」
正直、俺としてはああまでなって、強くなりたいのか? という疑問があるのだが。
「ねぇ、フィリア。私はどんなポケモンに進化するの?」
「俺も、気になる」
「ラルドは確か“ライチュウ”ってポケモンだったね、ミルは進化の種類が七種類あるから、えっと……」
「ブースター、サンダース、シャワーズ。ブラッキー、エーフィにリーフィア、グレイシアだ」
「シルガ、君も知ってたのかい?」
「……人間の時、とある事情で叩き込まれた」
へー、どんな姿してるんだろう……見てみたいな。
「僕はジャノビーからジャローダだけど、シルガはルカリオだったよね?」
「ああ、波導ポケモンだ」
今より波動が強化されてそうだな……戦いたくない。
「怖気づいたか?」
「どの口が言うのかな? 雑魚犬」
「へたれ鼠がなにを」
「凄い、私、進化してくる!」
「ミル、今はそんな空気じゃないんじゃ……」
でも、知ってる奴も居たよな。リーフィアって奴は前に未来世界で戦ったし……グレイシアってポケモンも、前にカフェで居たな。
残りは知らん。
「はいはい! 私、進化したい!!」
汝、道具は必要か?
「? よく分からないけど……要らないよ」
……承知した……
……目覚める者達よ……
では、始めるぞ。
……ん? 豪く時間がかかるな、ヒメの時は早かったのに。条件がレベルだけじゃないのか?
……いや、ダメだ……
汝は進化できない。
「え、えぇ!? 何で何で、道具必要だった!?」
いや。そうではない……。
条件などの問題ではない……。
「条件などの問題じゃない? 一体どういうことだい」
汝が進化できないのは……恐らく、空間の歪みによる影響だと思われる……。
「空間の歪みだと?」
何故そうなのかは分からないが……
とにかく、汝の存在が空間の歪みを引き起こしている……
そして、その影響で汝のみ進化できない……
いや、汝だけではない……後ろの三匹もそうだ。
「俺!?」
「僕も?」
「……想定内」
「え、え?」
分かる事はここまでだ……。
ここは光の泉。
新たな進化を求める者は、また来るがよい……。
「な、なんなの? 今の、わけの分からない言葉」
「空間の歪みとか、時の狂い、みたいな感じだったしな」
「でも、まぁ。とりあえずは」
「ああ、セカイイチは取った。後は……」
「そうか。何であれ、俺たちがセカイイチを回収した事には変わりないし……」
ラルドは手を振り上げると、高らかに宣言した。
――これにて、試験終了!
次回「ギルド卒業! 新たな拠点」