ポケモン不思議のダンジョン空の探検隊 エンジェル〜空を包みし翼〜












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第三章 謎と遠征のクロス
間話 嵐に召されし閃光
ここであってるのか?時の秘宝がある場所は……。
こんな嵐の中でも平常に動いて、しかも吹き飛ばされる事も無いのだからな……。
あいつは……あいつらは無事だろうか?
いや、あいつ一人ならまだしも、あいつもついてる。大丈夫と信じよう。
……それにしても、嵐が酷いな……。

「……ポケモン達が逃げていくな……それだけ恐ろしいのか?この嵐は……」

まず自分は、嵐というのを体験したのは、これで初めてだ。
もちろん、見るのもな……。
箱入り息子とかでは無いぞ?

「あいつも……この嵐を見ているのかな……」

いや、今は任務を最優先にしよう。
あいつらに限って、失敗はないはずだ。
俺達の後から、あいつも来るらしいからな……。

「……まだ先は長い。さすがに森というだけはあるな」

俺は急いで時の秘宝がある、この『キザキの森』の奥地に向かって走る。
しかも俺の種族柄、スピードは自慢できる程に速い。
……今は木々が邪魔で、思うようなスピードは出せないがな。

「それにしても、モンスター共が来ないのはラッキーだな。こんな嵐の中で戦闘は……ん?」

俺は何か紫色の弾が放たれるのを見ると、そこで立ち止まり、横へ跳ぶ。
すると、さっきまで俺が走っていた場所に、『シャドーボール』が来た。
しかも、高威力のを、だ。

「フーディン……か」

シャドーボールが放たれた場所を見ると、黄色い体に二つのスプーンが特徴のポケモン……フーディンがいた。

「なるべく穏やかに済ましたいがな……」

その間にも、フーディンはシャドーボールを作り出す。

「そっちがその気なら、話は別だ。『リーフブレード』」

そのポケモンは、緑色の刃を腕に作り出すと、一瞬でフーディンの後ろへ移動した。
その間にその刃で斬りつけたのか、フーディンは血飛沫をあげて倒れる。

「ふん……急ごう。時間が無い。あいつらがいつ襲ってくるかも解からないしな」

そして、そのポケモンは再び走り出した。



――キザキの森 奥地――

「ここが……奥地か」

ポケモンが歩く場所には、人っ子一人いなかった。
草も、木も、何の影響もうけずに育っている。

「どこに……っ!!」

突如、自分の真正面からの光に、戦う体制をとる。
だが、それはポケモン……いや、生き物ではなかった。

「まさか……これが……」

ポケモンはその光の正体……蒼い歯車に近づくと、こういった。

「見つけたぞ、時の……時の歯車を!!」

嵐に轟く閃光に、その緑の姿を照らしながら――。



ものずき ( 2012/07/26(木) 17:17 )