ポケモン不思議のダンジョン空の探検隊 エンジェル〜空を包みし翼〜












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第二章 不思議と仲間の連鎖
第九話 新仲間と見張り番
今日も晴れだった。
いつもの日常の光景だった。
ある一点を除けばーー






「初めまして、ツタージャのフィリア・レヴェリハートと申します」

え?何でフィリアが自己紹介してるって?
しかも丁寧に。
......回想入ります。





〜☆〜

「......で、そこのツタージャは?」

「ああ、こいつはフィリア。ヨウムの時に一緒に戦ってくれたんだ」

「......とりあえず、お前達。報酬の300Pから100P引くな」

「えっ!?何で!!?」

「当たり前だろうが!!探検隊が一般人巻き込む!?禁忌の事だぞ!?」

かっこいい言葉を使っているが、実際に一般人が戦いに巻き込まれ、本来の力を発揮したーー
的な例は俺の知る限りでは、二つの探検隊がある。
一つは探検家シャック・シャイン。
種族はエレキブルで、このギルドを卒業し、今も名を馳せている。
ランクはハイパーランク。
町を襲撃された時に、プクリンに助けられたというアニメの様な過去がある。

最後が一番有名な探検隊、レイダース。
リーダーはエルレイドで、他はドサイドン、ロズレイドと、バランスの取れた良いチームである。
実力はマスターランクという、最高ランクの一歩手前だ。
探検隊になった理由は、お尋ね者に拉致されていた所をプリルが助け、プリルへ恩返しの為に入った......らしい。
実際どうかは解からないが、壮絶な過去を持っている者が多い。

この様に、不幸から伸し上がって来た者もいる。
......え?お前達も一般人だっただろって?
俺はともかくミルはそうだが......。
とにかく、なりたくなかったが都合上そうするしかなかった。
とかの事を言っているのだ。
これを説明するのに約三十秒掛かったな......。

「どうしたの?ボーっとして」

「ああ、ちょっとな。それよりどうすんだ?フィリア。お前これから家に帰るのか?」

「いや?家出して来たし、家には帰らないよ。しばらくここでお世話になるのも良いかな〜何て思ってたり」

「本当?じゃあエンジェルに来なよ。歓迎するよ?」

「じゃあ、お世話になろうか」

「待て待て待て!!」

と、うまく行き過ぎそうな所で俺が口を挟む。
え?何でって?
......ヒント。フィリアの言葉。

「何!?何でお前、普通に家出と言う単語を口から出せる」

「いや、普通でしょ?ほら、良くテレビで城に住むのが嫌になったお嬢様の感じ」

「それはテレビの話!!今は現実ちゃんと考えて!?」

現実なのだが......。
おっとネタバレだ。
ペルーは何が何だが解からないまま、ラルドに「とりあえず手続きして来い!!」と、言われたそうな。
後にペルーは泣いていた。
おっと、鳴いていたの間違いだった。
そして時は遡り、朝礼で自己紹介のタイムに入る......。




〜☆〜

「初めまして、ツタージャのフィリア・レヴェリハートと言います」

(レヴェリハート......何かお姫様みたい......だな)

(そうだね......)

この二人は知らなかった。
レヴェリハートが何なのかを......。

「え......?レヴェリハートって......」

「ヘイ!まさかあの、王家レヴェリハートかよ!?」

「はい。そうですが?因みに今はあそこから家出してます」

「「「へぇ〜〜〜」」」

その事は事情なので、突っ込まなかった。
と言うか、俺が威圧感を放っているので、言おうにも言えない......らしかった。

「さて、自己紹介も済んだ事だし......お前達、今日も張り切っていくよ!!」

「「「おおーーーー!!!!」」」

しばらくはこのテンションに付いていけないだろうな......フィリア。
案の定、三日は慣れなかった。
それにしてもあれだな、慣れなさすぎだろ......。
それは別の話として。

「あ、そうだ。お前達。頼みがある。フィリアは初の依頼だな」

「そうだけど......」

「私達、依頼をやるんだよ?雑用は嫌だよ」

「そうだ!俺達は今から[A]ランクの[お尋ね者]をやろうとして......」

「やらさせて頂きまーす!」

お尋ね者と聞いた瞬間、ミルは態度がうって変わる。
大量の汗をかきながら。

「......しょうがない。で、何をしろと?」

「見張り番だ」

「見張り番?って、あー!私が苦しめられたあの......」

と、ミルはあの時の事を思い出す。
実はラルドには見破られてたって言う。
後々聞いたら「ああ、表情で解かる」って言われたもん......。

「で、色々と説明を省略したが、要するにゴムドに見張り穴に乗ったポケモンの足形を伝えれば良いんだな?」

「と言うか、それを言ったんだよ?ラルド......」

「出しゃばりたいだけだね?解かるよ」

「......私、無視されすぎじゃない?」

ペルーは放っといて、俺達は見張り穴に入る。
予想では明るいと思っていたが、実際は手探りで進んで行った。
途中、ミルがこけて、俺が押し倒されてハプニング!何て事もあった。
そして、五分後......。

『おーい!!様子はどうだ!?』

「も、もう疲れたぁ!」

『えェ!!?』

しょうがない。
あんなアクシデントがあったのに、疲れるな?
肉体が疲れなくても、精神が疲れるわっ!!

『じゃあ、早速来たようだから答えていけよ!?』

「良し来い!!」

そして、俺達の見張り番が始まったーー


「おい!あの足型はポッチャマだろ!?」

『良し、入って良いぞ』

「これはストライクだよ!!間違いない!」

『良し入れ!!』

「この足型は......カビゴン!!?緊急事態!カビゴン何て入らないよ!?」

と、色々漫才の様な事もあったものの......。
俺達はずっと声を上げていた。

「これはキマワリ!」

『良し入れ』

「次はヘイガニ!!」

『......?って、弟子達じゃねぇか!!全く......』

怒られても、足型で弟子達かどうかは解からないよ?
何?馬鹿なの?低脳なの?

『おーい!そろそろ戻って来い!!』

「も、戻ろうぜ......」

「し、死ぬ......」

「み、水を......」

何やかんやでドゴムから戻って来いとの命令が。
これにて、フィリア初依頼達成!!
その後、何で俺達がやらなきゃいけなかったんだ?と、問い詰めると。
「気分だ。あ、後ディルには別の仕事をやってもらt」
その後、晩御飯には焼き鳥が出席したような。


次回「挑戦状?それとも果たし状?」

ものずき ( 2012/07/18(水) 01:25 )