ポケモン不思議のダンジョン空の探検隊 エンジェル〜空を包みし翼〜












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第一章 流れ着きし救世主
第五話 Aランクのお尋ね者
開始早々、ラルドは爆裂の種を投げつけた。
それは、パルシェンの硬い殻に阻まれた....。
一つは。

「ぐおっ!?」

それは殻の中で爆発し、パルシェンは殻を開いた。
そして、小さな皹が殻に入った。
それはとても小さく、ラルド達はもちろん、パルシェンも気付いていない。

「トゲキャノン!!」

パルシェンも負けじとトゲキャノンを放つ。
が、それはギリギリで避けられた。
だが、休みは与えられなかった。
次はパルシェンが冷凍ビームを放つ。
だが....。

「守る!!」

ミルが技の名前を言うと共に、緑色の壁が現れた。
それは冷凍ビームを防ぎ、パルシェンの隙をつける。

「今だよ!ラルド!」

「ああ!行くぜ、電気ショック!!」

ラルドから電気が発射され、それはパルシェンに直撃した。
だが、そこに隙が生じた。

「ぐっ....オーロラビーム!」

「なっ!?」

虹色の光線が、ラルドに直撃する。
そのせいで、ラルドの体が少し凍り付いた。

「ラルド!くっ、電光石火!!」

ミルは隙を狙い、パルシェンに電光石火で攻撃する。
だが、殻に篭られてしまい、それは不発だった。

「無駄だ!Aランクに勝とうなど、百年早い!」

その隙をつかれ、オーロラビームが直撃した。
そして、ミルも少し凍りついた。

「くぅ!」

「ちっ....三連電気ショック!!」

無駄だとは解かっていたが、ラルドは電気ショックを三連で撃つ。
だがやはり、その硬い殻に阻まれた。
そして、少しの電気が迸った事を、三人は気付かなかった。

「無駄だと言ってるだろ!トゲキャノン!!」

パルシェンはエネルギーでトゲをつくり、ラルドに向ける。
だが、それだけでは無かった。

「冷凍ビーム!!」

そこに冷凍ビームを加え、氷の棘を作った。

「行くぞ....。アイスキャノン!!」

「ぐあっ!?」

その氷棘の連鎖に、ラルド達は圧倒された。
体の所々に傷ができていくが、氷棘の猛攻は止まらない。

「どうだ!俺はこれで幾多の探検隊を葬り去った!ゴールドランクだ!とか言ってる奴も、結局
 は命乞いをする!俺を殺しに掛かるくせに!!探検隊なんて弱いんだよ!」

「....確かにお前を襲った奴は屑だったかも知れねぇ。でもな....」

ラルドは右足を踏み出し、こういった。

「純粋になりたい!って、お前の様な奴を捕まえたいって思ってる奴を、踏み躙んのは許さね  ぇ!!」

「ラルド....」

ミルは心なしか古道が早くなった。
だが、今はそんな事言ってられない。

「はっ!そんな事言って、この状況をどうする!?」

「こうするんだよ!!」

ラルドはバッグから青い球を取り出し、地面に投げつけた。
そして、まるで電気で出来た紐の様な物が出てきて、パルシェンを縛り付けた。
当たり前の如く、攻撃は一時中断だ。

「なっ....!?」

「これは縛り玉。相手を縛り付ける、不思議玉の一つだ!」

「しまっ....」

「ミル!今だ!!」

「うん!突進!!」

ミルは攻撃力が高い代わりに自分にもダメージが加わる技ーー突進を繰り出した。
それは皹の所に当たり、パルシェンへのダメージが倍となった。

「よっしゃ!止めだ!」

「喰らうか!!」

パルシェンは、もう喰らうかと言わんばかりに、殻を閉じた。
だが、それが命取りだった。

「舐めんじゃ....」

刹那、ラルドの両手に雷が宿った。
それをラルドは左手で殴る。
そして、その衝撃で皹を攻撃したため、殻が顔の部分だけ壊れた。

「なっ....!?」

パルシェンはもちろん驚いた顔をする。
自慢の古代兵器でも壊れない殻が壊れたのだから。
そして、攻撃で反撃しようとも思ったが、体が動かなかった。

「終われ!!」

「なっ、やめっ.....!?」

そして....。

「雷パンチ!!!」

「ぐわぁぁぁ!!!!!!」

瞬間、壁が崩れ、轟音が鳴る。
その音で野生ポケモンは逃げ、エンジェルにとってはラッキーだった。

「やっ....たか...?」

「うん!良かったね!ラルド!」

「あ、ああ...」

「大丈夫?早く真珠とって、ギルドに帰ろ」

「ああ....」

形はどうあれ、お尋ね者パルシェンの逮捕、完了!







〜☆〜

「はぁ...疲れた」

「そうだねラルド....」

「お?お前達、ここにいたのか」

「ああ、ペルーか。どっか行ってくれ、疲れたんだ....」

「報酬を渡そうと思っていたが...後で取れよ」

「へーい」

俺達はそういうと、ペルーが去るのを見て、眠った。
ちなみにオレンの実の汁を使ったオレンシップを貼っている。
....ちょっと臭いがきついが。

「ふぁ....」

「ぐう....」

そして、夜は更けたーー




〜☆〜

「ああーー!!!!」

「何?ラルド〜」

「あの鳥、報酬九割取ってやがる!!」

「へー」

「ぶち殺してやる!!」

「行ってらっしゃーい」

普段なら止めるが、今は寝起きなので何が何だか気付いていないミル。
その五分後、ある焼き鳥が発見されたと言う....。


次回「ルリとマルルと不思議な夢」

■筆者メッセージ
えー、お知らせがあります。
この小説、十話まで行ったら、番外編を作るかも....しれません。
詳しい事は後々に説明します。
では、これからもエンジェルをよろしくお願いします!
ものずき ( 2012/07/15(日) 21:16 )