ポケモン不思議のダンジョン空の探検隊 エンジェル〜空を包みし翼〜












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第一章 流れ着きし救世主
第四話 初依頼の先のトラブル、幸先はアウト?
「ここが、お前達の部屋だ。明日は早いからな。早く寝ろ」

「うん」

「ふぁ〜あ、へーい」

え?何でこうなったかって?
....回想入ります。




〜☆〜


「それで、君達には渡す物があるんだ♪」

「何?」

「これさ」

そういうと、プリルは何かの箱を取り出した。
何か、変な感じだ....。

「これは探検隊キット。探検に必要な物が入ってる、例えば.....」

そして、プリルが取り出したのは、左右に白い翼がついた、丸いバッジだった。
真ん中に何か付いているが、ピンク色としか解からない。

「これは探検隊バッジ、依頼主やメンバー、自分を転送できるんだ」

「へぇ、便利だね」

(確かに....)

転送?
いや、何か、探検隊のランクとかの目印かと思ってた....。
ってか、時代はハイテクだな。
転送とか....。

「で、これは不思議な地図。仕組みは解からないけど、その地域を開拓したりすると、地図にある
 雲が晴れるんだ」

「本当だ....」

(時代はハイテク過ぎる....)

「で、他にも....色々あるから、部屋で確認して♪」

この瞬間、俺は文句が言いたかった。
いや、何もわからないのに、いきなり、「部屋で確認して♪」とか....。
発狂するぞ?

「じゃ、ペルー。部屋を案内してあげて?」

(押し付けんなよ....)





〜☆〜

「そして、今に至る」

「どうかした?独り言言っちゃって....」

「いや?何でも?」

「そう?じゃあ、早速残りの探検グッズを調べよ♪」

随分と上機嫌だな....。
説明書があるな....。
これを読んでやれってか?説明した方が良いと思うが....。

「ミル、お前説明書....」

「........」

「読めないんですね。解かります」

まさかミルがHだったとは.....。
ちなみにHとは馬鹿という意味だ。

「じゃあ、読むぞ。えーと。まずはそこに入ってるスカーフ....触るとあなたの波動が解かります
 次は....スペシャルリボンとパワーバンダナ、付けると能力アップ!...だってさ」

何で説明しなかったんだろう....。
自分でやれってことかな?
試練はもう始まってる....的な事か?

「まずは....スカーフ触ってみようぜ」

「うん」

そして、俺達はスカーフを触った。
すうと、俺は黄色、ミルはピンク、となった。

「俺は元気なイエロー、ミルはふんわりとしたピンク....大体合ってる」

「そうだね。私はともかくラルドは」

「褒めてるのか?」

「さぁ?」

何か、ミルが嫌な知識覚えたな....。
ちょっとむかつく、不思議だ。

「じゃ、ラルド。そろそろ寝よ?明日は早いらしいし....」

「ああ。じゃあ、お休みー」









〜☆〜


「ん....朝か...?」

目が覚めると、窓から朝の太陽の光がさしており、非常に暖かい。
しかも....あがってる所じゃないか!

「すげぇ....」

そういや、朝日を見るのは、記憶上では初めてか?
記憶なくなる前は絶対見てただろうし....。
そういや、俺って記憶ある時どんなのだったんだろ....。

「むにゃ....ラルドー大丈夫〜?全くラルドは〜むにゃむにゃ.....」

「おいおい....どんな夢見てんだよ.....」

想像はつく。
どうせ、探検をしていて、俺が足手まといになる夢でも見ているのだろう。
現実は逆だが。

「むにゃ....」

「はぁ....探検隊になったは良いものの、なんだったんだ?あの時の声...映像もあったな。
 黄色い髪と緑のポケモンしか見えなかったけど....」

考えれば考えるほど、謎は深まる...。
何てかっこつけても、何も変わらない、いつしかこれが[普通]となるのだろう。
そういってみると、馴れって怖いな....。

「むにゃ....」

「はは、鼻提灯膨らませてる。漫画か!」

まぁ、ポケモンが喋る自体、今も信じられないからな....。
この世界にいる=俺は常にファンタジーだからな。
と、朝日を見て、考え事をしながら暇をつぶしていると、ドゴームという種族のポケモンが、
こちらへ来た。
嫌な予感が....。
そして、それは当たっていた。
ドゴームは息を吸う。
もう、このパターンは....。
俺は耳を塞ぎ、更に藁で出来たベッドに顔を埋めた。

「起きろぉぉ!!!!!朝だぞぉぉぉぉぉ!!!!!!」

「うるせぇぇぇぇぇぇ!!!!」

耳がスピーカーの様になっているのか、更に威力は倍増する。
それにしても五月蝿いな....。

「あーー!起きてる!!だから止めて!耳が!鼓膜がぁーー!!!」


俺も相当の声だろうが、それでも足元にも及ばない。
プリルの物よりはましだが....。
ギルド揺らすとか、もはや技じゃないよね?

「何だ、起きてるのなら先に言え!」

「いやいや!?俺、普通に朝日見てたよ!?ちゃんと見て!?」

「ああ...それよりも、親方様の逆鱗に触れない内に、早く朝礼に来いよ!」

「はぁ....」

こいつ、絶対に電気ショックで丸焼けにしてやる。
序でにペルーも焼き鳥にしてやる!
ドゴームは去って行った。
え?可笑しいだろって?
尺伸ばしじゃないから、安心しろ。

「おい、ミル。朝礼行くぞ」

「後、五分〜〜」

「.....」

そして、その後少女の断末魔が聞こえてきたと、ギルドの弟子は語る。





〜☆〜


いつもと変わらない、何ら変哲のない朝礼....。
とは行かなかった。

「すまん!遅れた!」

「何、部活遅れちゃったみたいなノリで言っちゃってんの!?」
       ペルー
開始早々、焼き鳥は五月蝿いな....。
って、部活?何だソレ。

「悪い、ミルを起こすのに電気ショック三発撃っちまって...疲れたから....な?」

横を見ると、毛皮が茶色から黒になっている哀れなイーブイがいた。
心なしか、小刻みに震えている....様な気がする。

「まぁ、初めてだからな....今後、こんな事が無いように」

(初めてが一番ダメだと思うが....)

まぁ、勘違いしてくれて、有り難いが......。
あれ?こんな馬鹿な奴が一番弟子?
.....本当はたいしたギルドじゃないかもな。

「じゃ、朝礼を始める...の前に、エンジェル。自己紹介だ」

「ああ」

俺とミルは前に立つ。
ミルは緊張しているのか、足が震えている。

「じゃ、俺はラルド。種族はピカチュウだ」

「わ、私はミル・フィーアです....しゅ、種族は..い、イーブイで、です」

大分噛んだが、自己紹介は済んだようだ。

「じゃ、次はお前達、自己紹介だ」

「おう、俺はドゴームのボイノ・ゴームドだ。主に目覚まし係と見張り係だ。よろしくな」

「僕は見張り穴で足型鑑定をしているディル・グダンです」

この二匹、セットだな.....。

「私はキマワリのソーワ・テンルワンですわ!主に依頼などをこなしているのですわ!!」

テンション高っ!?
そんなにも強調しなくても...。

「私は食事を作る担当の、チリーンのフウ・リンエイよ。よろしくね」

まともですね.....。

「あっしはビッパのビーグ・ベイアでゲス。よろしくでゲス」

ゲスゲス口調か....。
キャラ狙ってる?

「ヘーイ!俺はヘイガニのガオン・カキニだ。よろしくな!」

またもやキャラ高ぇ....。
このギルド。相当明るいな。

「私はダグトリオのサーイ・グダンだ。よろしくな」

まともな奴もいるな....、ってディルと同じ!?親子!?

「わしはグレッグルのドツキ・ゲイだ。よろしくな...ぐへへ」

「ひっ!」

ミルを怯えさせる気か....。
Sだね。解かります。

「これで、一通り終わったね。じゃあ、いつもの通り、行くよ!」

「「?」」

ラルド達は何が何だか解からない。
え?いつも?俺達昨日入ってきたんですけど。

「「ひとーつ!仕事は絶対サボらないい!!」」

「当たり前だろ....」

「「ふたーつ!脱走したらお仕置きだ!!」

「集団リンチだろうな」

「ラルド!」

これを聞かれたらまずいらしい。
でもな、ミル。当たり前の事や集団リンチを掛け声にする?

「「みっつー!皆、笑顔で明るいギルド!!」」

「逆に怖いな」

「ラルド!!」

皆がずっとニコニコとか...。
あのキマワリはそうなってるけど。

「じゃ、皆、持ち場について、今日も仕事を始めるよ!」

「「「おおーー!!!!」」

そして、弟子達は持ち場につき、俺達も仕事を.....。
.....。

「って、何すればいいんだよ!!」

「私に言われても...」

「何言ってるんだい?ラルド。着いてきなさい。依頼を頼みたいからね」

何の?ここで探検....とかならずに、落し物探せ、とか、雑務だ!とか、嫌だからな。
そして、予想は的中した。








〜☆〜


「お前達には、コレをやってもらうよ♪」

「はぁ....」

「何?読んでみて?」

「えーと.....読めないな。よしミル読め」

大体、この世界の文字なんてしるか!
ってか、何だよ、この足型みたいなの....。

「うん、解かったえーと、何々?」

初めましてバネブーです。
一週間ぐらい前から、頭の真珠が盗まれ、もう飛び跳ねまくりでした。
そんな中、真珠を見つけたという情報が。
でも、そこは湿った岩場というダンジョンらしく、そんな所いけません!
どうか、探検隊の皆様、取ってきて下さい。

                  バネブー

「って、落し物!?」

(予想が的中したな....)

何故か残念がるミルと、予想が的中し、少し嬉んだラルド。
それをペルーは、ラルド→やる気があるミル→やる気ない、と、思ったらしい。
現実は逆だが。

「って、ダンジョンって。不思議の....?」

「そうだ。良く解かったな。と言うか、依頼はほとんど全て、不思議のダンジョンだ」

「えぇーー!!」

(何だよ、不思議のダンジョンって)

約一名、解からない者がいた。
それは後々聞くとして。

「じゃ、行ってらっしゃい。成功させるんだよ?」

「はーい」

「じゃあ、早く行こうぜ、ミル」

「うん!」

そして、エンジェル初の依頼は幕を上げた。
手違いがあるのを知らずに....。







〜☆〜


「いやー、あいつ達がやる気で良かったよ。最近の奴等は、探検がやりたい!などと言うから..」

ペルーは愚痴を零しながら、依頼の掲示板の横のポスターを見た。
お尋ね者ポスターと呼ばれる、物だった。
そして、ペルーはある一つを見て驚いた。

依頼主  ビビ、湿ッタ岩場ニオ尋ネ者ガ逃ゲタ模様デス。至急タイホシテクダサイ。
お尋ね者 パルシェン
ランク  A

「な、何だって....」

それは、エンジェルが行った湿った岩場に、Aランクのお尋ね者がいる事を書いてあった。








〜☆〜


「ここが湿った岩場?」

「ジメジメしてて、何か変〜」

「じゃあ、早く行こうぜ」

「うん」

ここは湿った岩場ーー
名の通り、ジメジメしている岩場だ。
しかも、不思議のダンジョンだった。

「不思議のダンジョン....昨日行った海岸の洞窟も、不思議のダンジョンだったんだ」

「だから迷路みたいだったのか....ん?何かトゲトゲした物があるぞ」

「何だろ....」

「ま、関係ないy」

瞬間、ラルドの電気袋から、赤い液体が流れた。

「え....?」

「何....?」

「お前達....探検隊だな?」

「そうだが...」

「ならば、生かしては帰さんぞ!!」

そして、殻から姿を現したのは、黒い顔のポケモンーーパルシェンだった。

「お尋ね者....だね」

「そうだ!」

「...どっちにしろ、戦わなきゃ行けないんだな....」

ラルドはバッグから種を取り出すと、走り出した。

「行くぜ、ミル!そっちが来るなら、こっちだって戦おうぜ!オラァ!」

そして、開始のゴングと言わんばかりに、爆裂の種を三つ投げつけたーー



次回「Aランクのお尋ね者」

ものずき ( 2012/07/15(日) 11:48 )