すこしあとのはなし
人間と××××は共存できると思うか?
丘の上だった。 は赤と白のいろを与えられたつるつるしたボールを撫でる。街を、つまらなそうに見下ろして。少し微笑みながら、やがて振り返り。
俺達が住んでいた世界で、××××は暮らしていけると思う?
こんどはすこしゆっくり、しかし問いかけているというよりは、自問自答くりひろげて悩んでいるような表情だった。ワタルの腕の中にいた××××が声を上げる。そうだよね、ぼくたち、きっとよりそっていける。
そうか。
満足したように、目尻を緩めて。
昔はこんな表情、しなかった。
最後の戦いが近いな。
俺はこっち、おまえはこっちからおりるんだ。とそれぞれ指差して、じゃあな、と は踵を返した。今まさに登らんとす太陽のかけらが、 の項を柔らかく照らす。これから、あれをきるために、みんなのもとへ行かねばならない。××××がくびをふって、電気を出す。いって!
街に入ったら、俺達は敵同士。じゃあ、サヨナラ、
背中を向けて、小声で言った。
「やめろよ、離せワタル」
「いやだ!そんな顔の を、置いていけるわけがない!」
回した腕に力を込め、××××もろとも抱きしめる。××××が苦しがってひっきりなしに細かな電気を発しているが、そんなの痛くも痒くもない。それよりも、 が痩せて浮き出た肩甲骨が、深く深くワタルの心を貫いていた。
「ねえ、知ってる?」
テレビで見たお豆のキャラクターを思い出す。あれは××××みたいだった。あれを再び見ることは叶うのか。もうあの世界に帰れないかもしれない。だけど。
「肩甲骨は、僕らが××××だったときのなごりなんだよ」
声が震えた。朝日が登る。