さくらのはなし
悲恋抱き合い桜
昔、ホウエンのある村の川に二匹のポケモンの死体が流れ着いた。
二匹はまるで抱き合っているようだった。ザングースの身体にハブネークが巻き付いているのだが争ったような傷も無い。
もしやこの二匹は敵わぬ恋を嘆いて共に死んだのではないか。
村人達はそのように考え彼らを一緒に埋めてやった。
そしてその上に日本の桜の苗を植えたのだった。

するとどうしたことだろう。
二本の桜はまるで抱き合うように絡みつき、一本となった。
それぞれ種類の異なる桜だったから、花の時期になると二種類の花を咲かせるのだという。
それを見た村人達はそれを「悲恋抱き合い桜」と呼んだ。

<補足>
伝説ではこのように伝わっているが、これに関しては異説がある。
本当は人間の男女ではないのか、という説だ。
この時代、心中は重罪だったので、死んでも同じ墓には入れなかった。
だから、一緒の墓に入れてやる為にわざとポケモンという事にしたのではないかという説だが、真実ははっきりしない。


No.017 ( 2015/04/27(月) 19:21 )