Dramatic baseball〜奇跡呼ぶ9つのキーワード〜 - 第2章:「カントリー・リーグ」編
キーワード7:「V奪回への大きな壁!あおぞらポケカムラーズ」の巻
 あさひポケナインズ……かつては毎年のように140試合という長いペナントレースを制してきた常勝軍団が、7年もの間優勝から遠ざかる理由の一つとして、ファンや解説者の間では同じリーグに所属する対“あおぞらポケカムラーズ”戦にその7年間負け越してることが挙げられていた。




 “ポケモン・カントリー”の中央部に位置する“あおぞらシティ”。


 そこはカントリーの中で最大の都市といわれ、他の町と比べても人工的な建物が建ち並び、経済的にも、政治的にも、そして情報的にも、学問的にもあらゆる部門で“カントリーの中枢部”と称されるだけあって、たくさんのポケモンたちが暮らして賑わいを見せていた。



 “あおぞらポケカムラーズ”はそんな都市を本拠地とする球団だった。リーグの中で最もホームランが出にくいとされるほど大きな“あおぞらドーム”を使用しながらも、ホームランバッターが何人も連なり、しかもそのほとんどが俊足な持ち主だという強力打線、更には他のチームの攻撃を寄せ付けない投手陣を抱えるリーグ最強チームだった。


 この年、全140試合を戦うペナントレースを96勝44敗、貯金52(勝ち越した数)と、あわや100勝かという圧倒的な強さを見せつけ優勝を果たしたカムラーズ。


 ちなみに2位オレンズは78勝62敗で貯金16。こちらも優勝しても不思議ではないほど素晴らしい成績を残していた。しかしカムラーズとはゲーム差“18”もの離されていた。


 そして7年間優勝から遠ざかる3位ナインズは、71勝69敗で貯金2。なかなか勝負どころで勝ちきれない歯がゆい闘いを強いられた結果、カムラーズとはゲーム差“25”という圧倒的敗戦を喫していたのだった。


 このゲーム差というのは自分のチームと相手のチームが最低で何試合必要かを示す数字である。
 つまり上位のチームは下位のチームとのゲーム差が大きいほど優勝の可能性が高くなり、強いチームと言える。


 更にこのゲーム差は上位のチームと下位のチームの勝敗により、その差が大きくなったり小さくなる。


 @上位のチームが〇、下位のチームが●→上位のチームと下位のチームとのゲーム差が“1”大きくなる。


 A上位のチームが●、下位のチームが〇→上位のチームと下位のチームとのゲーム差が“1”小さくなる。


 B上位のチームと下位のチームがともに〇か●か引き分け→ゲーム差変わらず。


 C上位のチームが引き分け、下位のチームが〇→上位のチームと下位のチームとのゲームが“0.5”小さくなる。


 D上位のチームが引き分け、下位のチームが●→上位のチームと下位のチームが“0.5”大きくなる。


 “カントリー・リーグ”はだいたい月曜日が移動日(ビジターチームが相手の球場へ移動する日。試合が開催される球場が本拠地ならば休み)で、火〜木曜日に3連戦、移動日を挟まずに別のチームと金〜日曜日にかけて3連戦を行うという形で、1チームあたり28試合を闘い、同じようにして他の4チームとも戦うため、全体で140試合を戦うシステムで成り立っている。


 しかしナインズはこの1年に28試合あるカムラーズとの戦いに7年間負け越している。この年の場合では8勝20敗で借金(負け越した数)20。いくら他のチームに圧倒的に勝ち越せても、直接対決にこれだけ負けていては、リーグ最強と言われるカムラーズを追い越すことは出来ないだろう。


 ではこの最強チームと言われるカムラーズの強さにはどのような秘密があるのか……。カムラーズの監督に就任してここまでリーグ5連覇を果たしているこうていポケモン……エンペルトが報道陣に語った。

オレンジ色のエース ( 2014/05/12(月) 23:17 )