キーワード2:「新監督は“ミスターナインズ”!!」の巻
「目標はファンのみなさんが心待ちにしている8年ぶりの優勝です。今まで見せてきた“ナインズスタイル”に新たな風を取り入れて行けば、このチームの力なら必ず優勝できるはずなので、まずは来シーズンの開幕までじっくり準備していこうと思います。
11月下旬、あさひポケナインズの本拠地、“あさひスタジアム”の中にある球団事務所内で、ナインズの8年ぶりの優勝を託された新監督の就任会見が多くの報道陣を前に行われた。
白い生地の中央に縦に2本水色のラインが入り、右側にも縦書きで“NINES”のロゴが水色で書かれた真新しいユニフォームを着た新監督……キュウコンの誕生に、このときナインズのファンや関係者からは“現役時代兄貴分だったキュウコンと共にプレーしてきた今のレギュラー選手なら、今まで以上の一体感が生まれるはず。”と、早くも相乗効果を期待する声が上がっていたという。
ナインズ一筋20年の現役生活、明るいムードメーカーというよりは静かに背中で若き日のバクフーンやラグラージ、ラプラスやリザードンを引っ張ってきたキュウコン。
背番号“9”を背負い、主にサード(三塁手)として守ってはファインプレーを連発し、打っては滅法強い勝負強さで誰よりも期待された……“ミスターナインズ”と呼ばれた男が監督なら、絶対にナインズを優勝に導くはずだと信じるのも無理は無かったのかも知れない…………それほどナインズは悲願の優勝へ向けてこの“救世主”に賭けていると、報道陣は感じていた。
「私の感じる“ナインズスタイル”は、ムクホーク監督が進めてきた“ファンのみなさんの心に残るような全力プレーをするための練習”だと思います。例えばバクフーンも前回の優勝のシーズン前のキャンプで、誰よりも長く自分のスタイルであるフルスイングを磨く練習をして監督に能力を注目され、4番へと成長してきた。ラプラスも女性選手ということを感じさせない強気なリードに、投手の良いところを見つけ出すために、ボロボロになるほど投手のボールを受けてきたのを監督に注目され正捕手へと成長してきた。この良いスタイルを継承しつつ、新たな風を私が取り入れること……これが8年ぶりの優勝に必要な条件だと思います」
新たな背番号“91”を背負うこととなったキュウコン監督の誕生……これがナインズの新たな闘いへの第一歩となった。