鳥ポケモン、シーニュ登場!
〜さかえタウン〜
「へぇー、君フースって言うんだね」
「因みにフースって言葉は、どこかの国の言葉で"足"って意味らしいんよ」
津波のように押し寄せる人込みから、少し外れた所にあるベンチ。
緑色の芋虫ポケモンの彼は、自分とほぼ同じくらいの大きさの、鳥ポケモンと軽い自己紹介をしている。
「きっと、足がいくつも生えてるから、フースって名付けたんだろうね」
シーニュは、じっと何足も生えているフースの足を物珍しそうに見つめている。
「たぶん、そうなんだろうね」
いくらシンプルな名前の方が覚えて貰いやすいとはいえ、足が多いから"フース"と言うのはいささか単純過ぎではないのかと、つい考えてしまう。
シーニュにつられてフースも自分の丸い足をじっと見ていると、はきはきとした声が聞こえてきた。
「さてと、次は私の番ね。私は見ての通り鳥ポケモンのポッポ。名前はシーニュって言うの、よろしくね。」
シーニュと名乗る彼女は、人型ポケモンだと手にあたる部分の翼を大きく広げると、握手でもするかのように、それを差し出してくる。
それに対して"よろしく"と言いながら、白い丸餅のような手をくっつけ、改めてお互いの顔を確認する。
「あっそういえば、フースってこの町のポケモンじゃ無いんでしょ?」
お互いの手を交えた後、シーニュは正解を確かめるかのように、そう質問をしてきた。
「うん、さっき初めてこの町に来たんだよ。・・・・ってあれ?まだその事言ってないのに、どうして知ってるの?」
フースは、何故シーニュがその事を知っているのか分からないようで、首を捻るばかりだ。
「だって仮に馴染みの町だったら、町なんかに見とれたりなんてしないでしょうからね」
「あー、なるほど!」
答えは凄い単純だった。