第2章 初めてのジム!!
第6話 でんこうせっかの恐ろしさ

〜午前5時〜

【はぁ〜もう朝か〜】
朝の日差しで目が覚め、コンはそう呟いた。
【六九人、もう朝だよ起きてよ】
コンは六九人を起こそうと目の前にいる小さなロコンに呼びかける。
【・・・・・】
【仕方ないな〜】
何も返事がかえってこないのでコンは高くジャンプしてロコンにダイブをした。
『バサッ』
【痛っ!!】
【おはよー六九人!】
【おはよー】
眠りから起こされた六九人はあくび混じりで言った。
【まだ、朝早いから寝ていい?】
【六九人ーお腹すいた〜】
【朝早く起こされた理由はそれかよ!】
【朝ごはん買いにいこー】
【ごめん、やっぱまだ眠い】
【起きて〜!!】
そう言ってまたベットに入ろうとした六九人に向かって大声で叫んだ。
【分かったから静かにして!】
【よし、じゃあ買いに行こ!!】
【ちょっと待ってて】
次の瞬間、ロコンの体が歪み人間の姿へと変わっていく。
「よし行こう!!」
【うん!!】


「どこの店もまだやってないみたいね」
【開店するの遅いんじゃないの!】
ホテルの売店に行った六九人とコンだったが、どこの店も閉まっておりコンはイライラしていた。
「俺時計見て無かったんだけどコンは見た?」
【えっと、確か5時くらいだったと思うな!】
「そんな時間からやってる店は無いと思うよ」
【くそ、どうしたら!!】
「大人しく部屋で待っとけばいいんじゃね?」
【何時くらいから店は開くの!!】
「たぶん7時くらいからかな」
【あと2時間もあるじゃない!!】
「まあ、諦めて待っとけば?」
【空腹の時の2時間は5時間にもひってきするのよ!!!】
「確かに時間がたつのが遅く感じることはあるけど、それは大げさ過ぎるって!!」
空腹に襲われているコンはこの間をどうするか必死に考えている。
【あっ!!】
コンが何かを思いついたようで目が輝いた。
【六九人、私とバトルしてよ!!】
「ん?」
今までコンが食べ物の事を言うと思っていた六九人は、全く違う言葉に少し驚いた。
「まあ良いけど、何でいきなりバトルが出てきたの?てっきり食べ物の事を言うかと思ったよ」
【聞きたい!?】
「うん」
【それはね強くなってバトルで勝ちたいし、ちょうど時間が有るから暇潰しにもなるからよ・・・・あと運動すれば更にお腹が減ってより沢山食べれるしね】
何故か最後の『あと運動すれば更にお腹が減ってより沢山食べれるしね』の所だけボソッと言って言葉をにごらせた。
「なんか最後の所だけ聞こえなかったんだけど」
【気にしない、気にしない、早く行こ!!】
「まあいいや」
六九人が言い終わると二人は広場へとあるきだした。
【どうやらこの町の中だとここでしかバトルする場所ないみたいだね!!】
「そうだねここしかバトルステージが無いもんね。」
そこは昨日セレナとケロマツと一緒にバトルをした場所だった。
【さっ早く始めようよ】
「あっ、とりあえずあそこに行こ」
六九人が指差したのは家と家の間の路地裏だった。
【路地裏に何しに行くの?】
「さすがに周りに人が居るところで、いきなり人がロコンになったら大騒ぎになっちゃうでしょ」
【なるほど〜】
どうやらコンは納得したようで路地裏に向かって走り出した。
「俺も行くか」
コンに置ていかれた六九人も歩き出した。

〜路地裏の奥〜

【六九人、今人居ないよ!!】
「サンキューコン」
六九人の体が少しも淡い光を放ちながら歪み小さなロコンへと変化した。
【よしこれで良いね!!】
【じゃあ早くバトルしよ!!】
【そうだね】
六九人とコンはバトルステージへと戻って行った。

〜メイスイタウン、バトルステージ〜
【六九人、準備良い?】
【大丈夫、いつでも良いよ】
【じゃあ始めるよ、よーい、スタート!!】
コンがかけ声をかけバトルが始まった。
【先制は私が・・・"ひっかく"!!】
右手の硬質化した爪で六九人を切り裂こうとして近づき、思いっきり爪を振りかざした。
【よっと!】
それを余裕と言った表情の六九人がバックステップをして後ろにかわした。
【あっ、くそ六九人にもよけられた!!】
【コンは攻撃は高いけど遅いから当たらなければ問題無いもんね!】
【今度は俺がやるぞ、"ひのこ"】
六九人は口の中に火を発生させ思いっきり前に飛ばす。
【熱っ!!】
素早さが高い六九人に対し遅いコンは避けようと左にジャンプしたが少し当たってしまった。
【惜しいあとちょっとでちゃんと当たったのに!】
【例え私は遅くても体力が多いからこれくらい無いのと同じよ!!】
【なら、これはどうだ】
と言うものの、六九人はなにもせずただバトルステージの一番奥まで走り出した。
【逃げまわる気?そんなことしても無駄よ!!】
【逃げるわけ無いでしょ、十分な距離をとりたかったんだよくらえ"しっぽをふる"!!】 
六九人はあろうことかコンに背を向け、赤い六本の尻尾を左右にゆらゆらとふりだした。
【敵に背を向けて尻尾を振るってどうするの?"ひっかく"】
またもやコンは右手の爪を硬質化させ六九人に向かって全力で走った。
【えいっ!!】
六九人に近づいて硬質化させた爪でまた切り裂こうとした。
【いて!!】
【あれ、当たった?】
後ろを向いているとはいえかなり距離があったので、コンはてっきり避けられると思っていたためまさかの当りで驚いていた。
【くっ痛いな・・・・】
後ろからひっかかれた六九人は軽く吹き飛ばされ立ち上がったが足元がふらふらになっていた。
【まさか当たるなんて思わなかった、六九人大丈夫?】
【まだ大丈夫だ、今度は俺がやるよ"ひのこ"】
六九人とコンの距離が5メートルほどになるまで走って近づきさっきと同じように"ひのこ"を放った。
【熱い!!】
今度は距離が近かったためもろに"ひのこ"をくらってしまった。
【でも私には効かな・・・あれさっきよりも効いて・・・る?】
【どうだ、"ひっかく"をくらった甲斐があったよ!!】
【何でダメージが増えの!?】
【気づいて無いみたいだけど、さっき距離をとったのはある技を発動するためだったんだよ!】
そこまで言われてもコンは分かって居ないようだ。
【どんな技なの!?】
【それはね、"しっぽをふる"って言う技で見せれば、見せるほど相手の防御力をさげるんだよだからコンに尻尾を見せてたんだよ!】
【だからダメージが増えたのね!!】
【その代わり効果が出るまである程度尻尾を見せて振り続けなくちゃいけないから使うのは難しいのが難点なんだよね!】
【そろそろ続きをやろうよ!!】
【そうだね!!"ひのこ"】
またもや口の中にためた火を思いっきり飛ばす。
【でも、もう当たらないよ!!"でんこうせっか"】
"でんこうせっか"で格段に速くなったコンは"ひのこ"をよけて六九人の懐に入った。
【あっっ"でんこうせっか"のこと忘れてた!!】
【これで終わりだよ!!"ひっかく"!!】
【うっ!!】
完全にコンに懐に入られたため防御姿勢をとることが出来ずに下からの爪の攻撃をくらい上に飛んでいってしまった。
『ドサッ』
そんな音とともに六九人が地面に叩きつけられ倒れてしまった。
【やった勝った!!あっ六九人、大丈夫?】
【いたた、でんこうせっかとか攻撃は避けれるし相手の懐に入れるしもうチート級の強さだな】
六九人は起き上がってそう言った。
【攻撃型の私には相性が良くて凄い便利だよ!!】
【そろそろ店が開く時間だしいってみようか】
【もうそんな時間、急いで!!】
【ストップ!!】
走り出そうとするコンを捕まえまずは路地裏に行くぞと引っ張っていく六九人だった。

■筆者メッセージ
【みなさんコンにちは〜コンです!!】
【今回は六九人との初バトルどうだった、"でんこうせっか"の凄さ分かったかな?攻撃は避けれるし攻撃にも使えるから万能なんだよ、たかが"でんこうせっか"って思ってると痛い目にあうわよ!!】
【じゃあ今から売店に行ってくるよバイバイ〜】
天丼 ( 2017/05/09(火) 19:33 )