人とポケモンのはざまの物語 - 第一章 旅立ちの時
第5話 ひびのお風呂は命がけ
【ぎゃーーーーー!!】
浴室の中に大きな叫び声・・・いや、悲鳴のようなものが響き渡る。
【ちょっとかけただけでしょ!!】
その悲鳴はどうやらポケモンの声のようだ。
【ちょっ待って、まだ心の準備が出来てないって!!】
そう言い放ったのは、ずぶ濡れになっている小さく小柄な子供のロコン、六九人だった。
【お風呂に入るのに心の準備とか要らないでしょ、もう諦めなさいよ!!】
そう言ってオタチのコンはシャワーを振り回し、お湯を六九人にかけようとする。
【要るよ!!】
そう言いながら六九人は狭い浴室を走り回る。
【いつもこうやって母さんに洗ってもらってたなら良いでしょ、それとも自分でやるの?】
【四足歩行のポケモンは自分では洗えないのと、人の姿だと尻尾が乾くまで時間がかかるの知ってるのに聞かないで!!】
六九人は逃げようと扉の入り口へと走りだした。
【そっちに行っても無駄よ、六九人が届かないところのカギを閉めておいたわ!!】
【くそ!!なら人の姿に戻って・・・】
【そんなことしたらカギを開けてる間にお湯をかけるわよ!!】
【他に逃げる方法は!!】
六九人は他に逃げる方法は無いかと必死に考えている。
【そろそろおとなしくしないと無理矢理洗うよ!!】
そう言いながらコンはお湯をかけようとして、お湯が出っぱなしのシャワーを六九人に向ける。
【わっ、危な!!】
間一髪六九人は左にジャンプしてシャワー攻撃をかわすことに成功した。
【仕方ない、それなら強行手段に出るわ!!】
そう言いって六九人の視界からコンが突然消えたと思ったら次の瞬間、
背中に何かが乗りその重さに耐えきれず犬が"ふせ"をするときのような体制で倒れてしまった。
【わっ、何!!】
六九人が背中の方に顔を向けるとそこには、勝ち誇った顔をしたコンが馬乗りに乗っていた。
【いや〜"でんこうせっか"って凄い便利だね、六九人って小さいから私に乗られたら動けないでしょ!!】
そう言いながら止めていたシャワーのスイッチを押し、お湯を六九人の頭にかけてきた。
【ぎゃーーーーーーー!!】
そのとたん、再び悲鳴が響き渡った。
【ちょっ、まっ・・・て】
そんな弱々しい声を無視してコンはシャンプーを手に取り六九人の頭を雑にに洗い始めた。

〜数分後〜

【よし、こんなものかな!!】
コンは泡まみれになった六九人を見てそう呟いた。
【じゃあ、流すね!!】
コンは泡まみれで動かなくなったの六九人に、ためらい無く大量のお湯をかけ、ついでに泡だらけになってしまった自分にもお湯をかける。
『ジャーー』という音とともに泡に埋まっていた六九人があらわになっていく。
【うん、きれいになったよ六九人!!】
【・・・・・】
【さっ、早くびたびたな体拭いたら?】
【・・・・・】
六九人はコンの呼びかけに応えずぐったりとしている。
【あれ?六九人、大丈夫?】
【・・・・】
さすがに心配になったコンがうつ伏せで倒れている六九人に駆け寄った。
【六九人大丈夫?ねぇ六九人ってば!!】
コンはあわてて叫ぶが六九人は相変わらすぐったりとしていた。
【呼吸はしてるわね、まさか気絶しちゃったの!?】
コンは呼吸を確認してまた話しかける。
【・・・・・】
【やっぱり気絶してるだけみたいだね】
【仕方ないからとりあえず体を拭いておいてあげるか!!】
コンは浴室の扉を開け近くに置いてあったタオルで六九人を拭き始めた。
【お風呂入っただけなのに気絶って、かなり重症ね】
そんなことを呟きながら六九人を拭き続ける。
【よし、これくらいかな!!】
ある程度拭き終わったあと、コンは六九人を抱き上げてベットの上へと移動していく。

〜数分後〜

【うっ、あれ?】
ようやく六九人が意識を取り戻した。
【六九人、大丈夫!!】
【ああ、大丈夫だけどなんで浴室に居たのにベットの上に居るんだ?】
【良かった、治ったんだね!!】
【ん?】
六九人はどういうことなのか分からず、コンについていけて居ない様子だ。
【実はさっき六九人を洗っていたんだけど、洗い終わるころには気絶してたんだよ!!】
【そういうことか、確かにコンに乗られた後の記憶が無い・・・】
ようやく納得したようだ。
【それにしても、お風呂に入るだけで気絶するなんて凄い焦ったよ!!】
【お前がいきなりシャワーをかけたせいだろ】
【ここまで嫌だとは思わなかったんだよ】
【これからはもっと優しく洗ってくれよな!!】
【あれが一番優しいと思うんだけどな・・・・】
コンがわざとらしく顔をそらして言った。
【とにかく、出来るだけ優しく洗ってよ良い?優しくだよ!!】
念をおすように最後の"優しく"を強くゆっくりと言った。
【オッケー、任せてよ!!】
【凄い心配だ・・・】
元気よく言うコンに対して六九人はこの世の終わりのような顔をしていた。
【じゃあ、そろそろ乾かそうかな】
【ドライヤーならあそこだよ、私がやってあげようか?】
そう言ってコンはドライヤーが置いてある方を指さす。
【ドライヤーは要らないよ、それに自分で乾かす方が早いから良いよ】
【じゃあどうやって乾かすの?】
コンが疑問に思っていると、
【こうやるんだよ】
するとだんだん六九人の体が乾いていく。
それに伴い部屋の温度もどんどん上がっていく。
【凄いあんなに濡れてたのに30秒くらいで乾いちゃった。】
【俺は、ほのうタイプだから熱を発生させれるんだよその熱で乾かしたってわけ】
【そんな方法よく思い付いたね!!】
【これならジメジメしてるのが嫌いな俺でもすぐ楽になって良いから助かってるよ】
六九人はやっと地獄が終わったという顔をしている。
【ただ、これは人の姿だと出来ないからロコンの姿でしか使えないんだよね】
【だから人の姿ではお風呂に入らないんだね!!】
【そうゆうこと】
【じゃあ、お風呂に入って疲れたしオレン実でもだべよ!!】
【そうだね、じゃあついでに"おいしい水"でも買ってこようか】
【賛成〜!!】
コンの意見を聞いたあと六九人は体を歪ませ人の姿に変化する。
「よし、行こう」
【レッツゴー!!】
人の姿になるとすぐにコンが頭の上に登ってかけ声をかけてきた。


「これが"おいしい水"だね!」
ホテルの入り口の近くに置かれていた自販機を発見した六九人は歩みを早めて近づいた。
【早くお金入れてよ!!】
コンは"おいしい水"がどれほど美味しいのか気になってそわそわしている。
「そんにせかすなよ」
【えいっ!!】
『ガタン!!』
お金を入れたとたん、コンが素早く購入ボタンを押て"おいしい水"が落ちてきた。
【これが"おいしい水"ね、急いでもどって飲むわよ!!】
『ガタン』
コンがハイテンションで走ろうとしたとき自販機から何かが落ちてくる音がした。
【ん、何?】
「何だろ?」
気になって振り向くと、自販機の液晶画面に大きな文字で『1等当たり!』と書かれていた。
【やった当たったわーー!!】
「自販機で当たるの初めてだよ、本当に当たりってあるんだ」
【あっ、これ"ミックスオレ"よ、しかも"美味しい水風味"って書いてあるわ!!】
コンがかなり高いテンションで喜んでいる。
「じゃあそろそろ戻って飲もっか!」
周りが静かなここで、このままコンを騒がせておくのも良くないので部屋に行くように促す。
【うん!!】
そう言ってコンは右手に"おいしい水"左手に"ミックスオレ"を持って行ってしまった。
「ちょっと待って!!」
置いていかれた六九人は急いで後を追っていったのであった。


部屋に戻った六九人とコンは、
まず"おいしい水"をコップに注ぎ近くにオレンの実を置いて万全の準備を整えた。
もちろんコンは左手ににはコップ、右手にはオレン実を持っており完璧である。
【じゃあ、乾杯〜】
そう言ってコップ同士をぶつけ合ってからお互い飲み始めた。
「あれっ、水道水とあまり変わらないような気がするんだけど、どう?」
【うん、ぶっちゃけ同じね!!】
食べ物や飲み物に細かいコンでさえ水道水との区別がつかないらしい。
【楽しみにしてたのにこの結果とは・・・】
「まあ同じ水だから仕方がないよ」
コンは少し残念そうに言ってくる。
「じゃあ次は"ミックスオレ"飲もうよ」
【そうね、でも"ミックスオレ・おいしいしい水風味"ってなんなんだろ?】
「ま〜飲んでみようよ」
【うん!!】
おいしい水と同じように、コップに"ミックスオレ・おいしい水風味"を入れ乾杯し一気に飲みほした。
【うん、まずいよ!!】
「これ完全に"ミックスオレ"を"おいしい水"に混ぜただけだよね」
思っていたのとはかなり違っていた。
【味が薄まってるだけだね!!】
「なんで普通のミックスオレを売らないだよ絶対そっちのが美味しいのに」
【仕方ない、オレンの実で口直しをしよ!!】
コンはとてつもない速さてオレンの実食べ始めた。
「俺にもくれよ!」
【えーじゃあ1つだけね!!】
高速で食べ進めるコンはその中から1つを選んで六九人に向かって軽く投げた。
「一つをだけかよ!!」


そして夜の夜食が始まりベットに入ったのは日付が替わってからであった。





■筆者メッセージ
【みなさんコンにちは〜コンで〜す】

【いや〜まさか六九人があそこまで水が嫌いだったなんてね、気絶するくらいなんだからほのうタイプっていう以外ににも嫌いな理由がありそうだよね!!】

【あっそうだ、作者が下手な文しか書いてないから、こうしたらいんじゃないか?とかそんなアドバイスがあったら感想メッセージとかで教えてよ!!伝えて少しでも良くさせるわ!!】
天丼 ( 2017/05/08(月) 17:41 )