第一章 旅立ちの時
第3話 旅立ちの当日再び
午前4:10

ベットの上、オタチのコンは今フリーズしてしまっていた。
それもそのはず、ほんの10分前までは何事もなくまた一日が始まると思っていた。
そんな中驚きは突然として現れた、隣に寝ていたはずの六九人が居なくなり寝ていたはずの場所には会ったことの無い自分よりも明らかに小さい子どものロコンが寝ておりそのロコンは自分のことを六九人だといい、人間の姿へ変化したためである。

「ところでさ今何時?」
【あっ!えとっえーあっ!よ、4時10分だよ】
フリーズ中のコンは声を急にかけられあわてて返事をする。
「まだ大丈夫だな俺もう一度寝るよ」
六九人は素早くベットに入り眠りに落ちて行く。
一方コンは六九人に話かけられようやくフリーズから解放されたようだ。
【なんか朝から凄い驚いたわ、何だか疲れちゃったから寝よう・・・・】
やがてコンも眠りに落ちて言った。



午前6:00

何故か気温が高い気がする。
【暑い!!】
あまりの暑さに耐えられずコンは布団から跳ね起きた。
【おはよー起きたね】
【おはよーって!!顔が近いよ六九・・・人?あれ違う誰?】
【昨日も会ったでしょ私よ六九花よ】
とまどうコンに対して六九花は当然という顔をしている。
【あっなるほど六九人がロコンになれるなら妹の六九花も同なんだ】
【正〜解、ところでさ六九人起こすの手伝ってくれない?いつも起こすの大変なのよ】
【良いけど何でこんなにここ暑いの?】
【それは私が"火の粉"をばらまいて温度を上げたからよ】
【この暑さの中まだ寝ていられるなんてさすがだね】
コンは六九人を呆れた顔で見ながら言った。
【よし私に任せて!!】
コンはそう言うと六九人が埋まってるであろう場所へ行き思いっきり尻尾を叩きつけた。
ドンという音とともに何かを触れている感触がコンに伝わる。その僅か5秒後何かがベットから這い出てきた。
【おはよー六九人!!!】
【いきなりなにしてくるんだよ!もっと優しく起こしてくれよー】
【おはよー六九人!!!】
【おはようコン】
何事も無かったかのように挨拶をしてくるコンに対して六九人は優しく起こしてもらうのは無理だと瞬時に悟った。
【おはよ朝ごはん出来てるよ】
コンの後にいた六九花が声をかけてきた。
【じゃあ一階に行くか】
【やったーお腹空いてたんだ!!この臭いは二日目のカレーだねーー】
朝食と言う言葉が出るとコンのテンションが飛躍く的に上昇した。
そして部屋を出ると光の速さでリビングの机へと移動していった。
取り残された二人はコンの速さにあっけにとられていた。
ちなみに六九人の癖は発動していてロコンのままである。

30分後

【もうダメ、食べれん】
食べ終わりソファーで休んでいると、結局昨日と同じようにパンパンになったお腹のコンが後ろからよたよたと歩いてきた。
【大丈夫かコン、今日は何人前食べたんだ?】
【な、七人前・・・】
それだけ言うとソファーにもたれかかるように床に座った。
【食い意地張りすぎじゃないか?よくそんなに食べれるな】
【食卓は戦いの場所よ、どれだけ旨いものをどれだけ自分が食べられるかのね】
コンの体は少し息苦しそうなのに対して何故か顔は勝ち誇ったような顔をしていた。
「ところで今日は何時に出発するの?」
いつの間が人の姿になって自室に行ってパジャマを着替えてきた六九花が六九人に問いかけた。
【うーんあと少し休んだら出発しようかな】
六九人がそう応えると、すかさずコンが別の提案をしてきた。
【はい提案!!いっそ昼ご飯の時間まで待ってから出発しない!!!】
【そんなことしたらぜんぜん進めないからダメでしょ】
そんなことをしては全く進めないため却下した。
このあとは3人はたわいもない話で盛り上がっていた。

30分後

【じゃあそろそろ出発するか】
六九人がコンに向かって話しかけた。
【えー仕方ないなー】
仕方ないなという感じでゆっくりたちあが・・・・らない。
【ごめん立ち上がるの手伝ってー】
どうやら食べすぎて自分で立ち上がるのも難しいようだ。
「仕方ないわね・・・」
六九花がコンの腕をひき上げて立ち上がるのを手伝っている。
【いや助かったわ】 
【じゃあいってくるね】
そういって玄関へと向かおうとしたときキッチンの方から声が聞こえた。
【お昼のお弁当作ったから持って行って!】
【ありがとうございます、喜んで頂きます!!】
そう答えたのは大きなお腹をしたコンだった。
【ありがとう母さん】
リュックにコンが二人分のお弁当を入れている。
【あっそうだコン、俺ロコンのままだとさすがにリュック持てないから持っていってくれる?】
【オッケーお弁当はしっかり守るから安心してね!!】
【じゃ行ってきます!!】
【お邪魔しました!!】
六九人とコンは家をあとにし歩き始めた。
【じゃあまずはメイスイタウン目指そうか】
【うん!!】


一番道路

「あっ!そこのポケモン二匹僕とバトルしようよ」
メイスイタウンを向かう途中、半袖半ズボンの少年がいきなり声をかけてきた。
【あっ!!ようやくトレーナー見つけたー!!六九人私にやらせてよ!!】
コンがお弁当が入っているリュックを大事そうにおろすと同時に相手がモンスターボール二つにてをかけ前に投げてきた。
「行けヤヤコマ・トランセル」
【今回は野生のポケモンか】
【あれ、ヤヤコマもいるの?】
「さっさと始めよ」
【ちょっと六九人相手が2匹も居るんだけど、どうしよう!!】
【よしそれなら俺も戦おうかな!!】
【そっか六九人も戦えるだもんね!!】
そんな話をしているといきなりバトルが始まった。
「ヤヤコマ、オタチに"つつく"トランセルは"固くなる"で守りを固めて」
【くらえ!!】
【これで守りはバッチリだ!】
【コン、引き寄せてから"ひっかく"!】
【分かったわ!!】
ヤヤコマがくちばしをとがらせながら突進してくる。
その間に六九人はヤヤコマの軌道を予測してちょうどトランセルとヤヤコマが一直線上に重なるところに移動する。
そしてヤヤコマがその直線上に入る直前。
【いまだ!!"火の粉"】
口のなかに貯めた小さな火の粉を思いっきり前に飛ばした。
【うわ!!危ないって、ぎゃっ!!】
六九人が"火の粉"をヤヤコマの目の前で放ち一瞬ひるで、勢いが落ちたところにコンの"ひっかく"がもろに決まり気絶してしまった。
そして避けられた"火の粉"はそのまままっすぐ飛んでいき、余り動くことの出来ないトランセルを容赦なく襲い気絶させることができた。
【六九人凄い!!二匹を一瞬で倒しちゃった!!】
【上手く相手がひるんでくれたからだよ】
【やっぱりポケモンバトルって楽しいね!!】
【あれ?そういえばあの短パンこぞうは?】
周りを探すも見当たらない。
【もう移動しちゃったのかな?】
コンがそういいながらリュックを大事そうに持っている。
【ねぇ六九人、そろそろお昼ご飯にしない?】
【そうだねそろそろお腹空いてきたし】
【やったー!!!!】
ポケモン図鑑を確認すると液晶画面には12時40分と表示されていた。
【俺のお弁当とってくれる?】
【はい!!】
コンがお弁当を取りだし六九人に渡す。
【サンキュー】
六九人が言い終わる前にコンはとてつもない早さで食べ始めていた。
弁当箱を開けるとそこには、炊き込みご飯と、それとサラダ、卵焼き、などバランスよく入っていた。
【あっお茶が無いコンとってくれる?】
そう言われるとコンはリュックの中を探し始めた。
【あれ、無いよ六九人も探してよ!】
【えっ!あるはずなんだけど・・・】
六九人はそう言ってお弁当を置き、水筒を探しに行く。
【あった?】
【見つからないよ】
【ちょっとどいてくれる】
そう言ってリュックの中を探すとあっさりと水筒が見つかった。
【あれ、普通に見つかったけど、ちゃんと探したの?】
あまりにも早く見つかり何故コンが見つけれなかったのか気になった。
【探した!!探した!!】
何故か口の中に何かが入っている時のようにモゴモゴと喋っている。
【俺もお腹空いたし食べようかな】
そう言い置いていた弁当箱を見ると六九人の体に衝撃が走った。
【おい・・・コン!】
【な、何?】
六九人が少し強めにコンを呼ぶと少し焦りながらコンが応えた。
【俺のお弁当の中身が炊き込みご飯と漬物しか無いのは何故だ!!】
【あーえーと、そう!!最初から無かったんだよ!!】
【いや明らかに何かが入っていた場所があるんだけど、まさかコン食べた?】
【えっあっ、はい美味しかったです!!】
【やっぱり、あっ!じゃあさっき水筒を探したのはお弁当を食べるための時間稼ぎ!?】
【ピンポーン、大正解ー】
コンはどや顔で六九人を見てくる。
(くそ!!はめられた!)
六九人は仕方なく残ったご飯を食べ始める。
ちなみにこの時コンのお弁当の中からから取り返すという選択肢は無かった、なぜならコンはこの時すでに食べ終えていたためである。

20分後
六九人とコンは今1番道路で木の実を探していた。
【どうコン見つけた?】
【なかなか無いねー】
理由は簡単だ、先ほどのお弁当で唯一残った炊き込みご飯もコンを前にして死守することが出来なかったためである。
【お腹空いたなー】
【だから食事は戦いって言ったでしょ!!気がついたら残ってないとかあるあるよ!!】
【せめて炊き込みご飯くらいは取るなよ!】
【あっ!!あったよあそこの木、木の実なってるよ】
【よし行こう】
【こっちこっち!!】
目の良いコンが連れていってくれる。
【あっ見つけた、オレンノ実がなってる】
【今採るからちょっと待ってて】
そう言うとコンは軽々と気に登り上からオレンの実を持てるだけ採ってきた。
【オタチをって木登り上手いんだね】
そう言いながらオレンの実を受けとる。
【いやオタチをは基本地上で生活するから木に登るのは下手なのよ】
【でもコンは凄い上手に登るし・・・】
【あぁそれはね昔からご飯食べてもお腹が空いちゃうからこっそり木に登って木の実を採ってたからよ】
【食欲って凄いんだね・・・】
六九人は呆れながらオレンの実を食べていた。
コンは採ってきたオレンの実を凄い速さで食べていた。





■筆者メッセージ
【みなさーんコンにちはコンです!!
なんかようやく旅が始まったのにピクニックっぽいのは何故だろ?】
【それより今日の私のご飯強奪作戦どうだった?この六九人を騙す私の水筒探し真似するなら相当の技術が必要よ!!】
【それじゃあもうすぐメイスイタウンにつくと思うから行ってくるね、じゃバイバイー!!】
天丼 ( 2017/05/06(土) 20:34 )