[アンケート結果発表中]絆の軌跡 〜繋がりの導き〜























小説トップ
第3章 美麗なる仁義
13 LS 四鳥伝説
昼 博物館会議室 sideシルク

セツ〈……ユウキさんは[ピカチュウ]なんですね?〉
ユウキ〈はい。 セツさんは姿を変えれるようになってから何年ぐらいになるんですか?〉
セツ〈ええっと、確か12の時だったから……、14年ぐらいかな? ユウキさんのほうは?〉
コルド〈14年ですかー。〉
ユウキ〈僕はまだ2年目です。〉

ライト〈………わたし達、会話に乗り遅れちゃったね………。〉
ティル〈う……うん。〉
テトラ〈……でも、まさかポケモンになれる人がいるなんて……。……森の外にはいろんなひとがいるんだ………。〉

本当に、乗り遅れたわね……。

………でも、仕方ないんじゃないかしら?

セツさんはともかく、ユウキはこれまで同じ能力を持つ人に会ったことが無かったもの。

セツ・シルク〈つい最近なんですね? ユウキさんはどんな技を使えるんですか?〉〈………この2人は凄く稀な存在だけど………、確かにそうよ。それに、誰もが歪んだ[心]を持っているとは限らないって分かったでしょ?〉

ユウキ・テトラ〈僕は[10万ボルト]と[目覚めるパワー]、[エレキボール]、[気合いパンチ]です。〉〈………何となく……かな?……でも、ジムのポケモンに妬まれた気がするし……。〉

テトラちゃんは私の言葉に納得しながらも顔を歪めた。

セツ・ライト〈ユウキさんは普通に4つ使えるんですね?僕は[燕返し]、[羽休め]、[冷凍ビーム]の3つです。………バトルはあまり強く無いんですけどね…。〉〈確かに、あの目はそうだったね……。タケシさんもテトラに反応してたし……、正直、悔しいよ。〉

ユウキ〈[冷凍ビーム]……、って事は、[チカラ]の効果ですか?〉

ライトは悔しそうに歯を食いしばった。

テトラ・スノウ〈………私、あんな奴の事を、勝って見返したい!あいつも、どうせ森の奴と同じなんだ!だから……。〉〈そうよ。ユウキさんの[絆の賢者]と同じように、セツも[氷雪の防人(さきもり)という位置付けなのよ。〉

シルク・コルド〈その気持ち、よく分かるわ。私にも昔、そんな経験があったわ。〉〈……という事は、スノウさんもですか?〉

……今思えば、あの時の挫折がいまに生かされているのかしら?

[エーフィ]になろうって決心したのも、ちょうどその時だし……。

今のテトラちゃんの状況と、似てるわね…。

ティル・スノウ〈えっ?シルクにもそんな時があったの?〉〈そう。一応、私も[氷雪の化身]という位置付けにあるわ。………それらしい事をしたことが無いけど……。それに、まだ[防人]は全員揃ってないのよ。〉

シルク・ユウキ〈そうよ。私は[チカラ]を持ったのもつい最近だし、昔は有り得ないぐらい弱かったのよ。……実力的にも、精神的にもね!〉〈[防人]……か……。[英雄伝説]みたいに、3人ずついたりするんですか?〉

……いつの間にか、2つの場所で会話が進んでいるわね。

私は若干の笑みを浮かべて言った。

テトラ・セツ〈あんなに強かったシルクにもそんな時代があったんだ……。〉〈スノウが言うには、僕達の伝説、[四鳥伝説]にはほかにも[豪雷]、[陽炎]という位置付けがあるみたいです。〉

シルク・スノウ〈誰だってそうよ?時を司ると言われている[ディアルガ]や、海原を創りだしたと言われている[カイオーガ]でさえ私達と同じポケモン……。ただ逸話があるだけで私達と殆どかわらないのよ。私の知り合いの中には地方に君臨しているけど気さくで、旅好きなポケモンがいるわ。それに、ティル君やテトラちゃんが知ってるポケモンなら、ライトみたいなひともいるでしょ?〉〈……あいにく、私も先代から聴いてなくて残りの一つの地位と種族は聞いてないけど……。〉

ライト〈……テトラにはまだ言って無かったけど、一応わたしも伝説の種族なんだよ。〉

あの人は見かけによらず、本当に気さくなポケモンだったわ。

ウェズ〈セツとスノウの関わってる伝説は天気に関わってるみたいなんだよ。〉

テトラ・スノウ〈えっ!?ライトって伝説のポケモンだったの!?〉〈……そう。これでも、私は[降雪]を司ってるの。〉

ライト・ユウキ〈うん。それに、あそこにいるコルドっていう名前のポケモンも、スノウっていう名前のポケモンも、伝説の種族なんだよ。〉〈[降雪]ですか……。考古学的に考察すると……、[氷雪]が[フリーザー]なら、[豪雷]が[サンダー]、[陽炎]が[ファイアー]ですね?〉

ティル・テトラ・セツ〈〈えっ!?あの二匹も!?〉〈流石、専門家ですね。………両方共、会った事、無いんですけど……。〉

ふたりは、素っ頓狂な声をあげた。

だって、普通に生活していたらまず会えない伝説の種族が3匹も目の前にいるんだもの。

驚かないほうがおかしいわ。

シルク・スノウ〈そうよ。〉〈私、ちょっと恥ずかしいい事なんだけど、自分の伝説なのにあまり知らないのよね……。……もし、調べるなら残りの二匹……、[エン]と[イカヅチ]を探してみるといいわ。[イカヅチ]さえ見つかれば[豪雷の防人]にも会えるはずよ?〉

コルド〈[エン]さんに、[イカヅチ]さんですね?わかりました。お話、ありがとうございました。〉

セツ〈こちらこそ、同じ、伝説の関係者と話ができて良かったよ。「〉もし良かったら連絡先を交換していただけますか?」
ユウキ〈はい!喜んで!「〉[豪雷の防人]のほうも、探してみますよ。」

二匹のポケモンは、本来の姿に戻りながら言った。

何か話していたみたいだけど………、聞いてなかったわ。

シルク〈何か、話してたのね?〉
ユウキ「うん。おかげで次の研究テーマが決まったよ。」
コルド〈[四鳥伝説]です。〉

[四鳥伝説]………?

………確かに、調べてないわね……。

セツ「そういう事なので、お願いしますね。本当は僕も参加したいところですが、局の仕事もあるし、妻子が待っているので、失礼ますね。ウェズ、スノウ、行こうか。」

ウェズ・スノウ〈うん!〉〈そうね。〉

そう言って、セツさんは二匹をボールに戻した。

セツ「では、お願いします。」
ユウキ「はい!」

そして、一礼してこの部屋から退室した。

シルク〈……姿を変えれる人、他にもいたのね……。〉
ユウキ「うん。……正直驚いたよ。………あっ、そうだ。シルクにこれを渡さないとね。」



あっ!

すっかり忘れてたわ!

ユウキはふと思い出して部屋の隅に置いてあった私の鞄を取りにいった。

ユウキ「もうこの中に入れてあるから。」
シルク〈ありがと。ええっと……、ブロモ(B)チモール(T)ブルー(B)溶液に…………、うん、全部あるわね!助かったわ!〉

うん、揃ってるわね!

………流石に、BTB溶液は知ってるわよね?

だから、説明は省略させてもらうわ。

ライト〈ユウキくん、いろいろあって言えなかったけど、わたしのメンバーについて何かアドバイスをもらってもいい?〉
ユウキ「えっ?うん。いいよ。君たちとも話がしたいからね。」



………という訳で、ライトの提案でティル君とテトラちゃんの実力を見てもらうことになったわ。



@ ( 2013/12/11(水) 00:41 )