[アンケート結果発表中]絆の軌跡 〜繋がりの導き〜























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補章Y 長い1ヶ月、短い1ヶ月
θ イッシュ旅行
昼過ぎ 船上 sideリーフ

アナウンス「……間もなく当船は[ヒウンシティー]に到着いたします…」
リーフ〈あっ、着いたみたいだね。〉
ラグナ〈そのようだな。〉

二日間待ちわびた放送を聞き取って、僕達は動かしていた作業の手をとめた。

雲ひとつ無い青空から照りつける陽光が汗ばむほどに大気を暖め、それと競うように潮の香りをのせた海風が僕達の火照った身体を冷ましていく……。
蒼一色に染められた景色を縫うように進む白い大型船の先には、乗った街とは違ったビル群が幾多の旅人達を迎えいれるように悠然と鎮座している……。

みんなは揃ってないけど、一年ぶりだなー。

リーフ〈ラグナさん? ラグナさんって[イッシュ地方]は初めてだよね?〉
ラグナ〈……そうだな。 俺とあいつの拠点は[ホウエン地方]だったからな。〉

そういえば、そうだったね。
幹部のメンバーは{それぞれの地方の出身の支部長を兼任してた。}って言ってたから、来る機会が無かったのかもしれないね。

僕は出していたノートと二本のペンをしまいながら、たぶん、決別した元パートナーの事を思い出しているラグナさんに訊いた。

…パートナがいなくなった今、どうしているんだろうね?
ライトによると、何かなりふり構わなくなってるみたいだけど……、僕が気にする事じゃない…かな?

ラグナ〈…だから、初めてになるな。 …確かお前はここの出身だろ?〉
リーフ〈うん。 他にも、オルトとスーナ、コルドもそうだよ。 ……さあ、船も港に着いたみたいだから出港しないうちに降りよっか。〉

だって、今僕達はトレーナー無しで来てるから野生と間違えられてもおかしくないしね。

ラグナさんは確かめるように僕に訊いて、僕も彼に明るく応えた。

ラグナ〈そうだな。〉

……じゃあ、行こっか。

僕達は二匹揃って大型船の出口を目指した。

……姉さん………、元気かな……。


…………


昼過ぎ ヒウンシティー 港 sideリーフ

ラグナ〈噂には聞いていたが、本当に大きな街なんだな…。〉
リーフ〈でしょ?〉

[ヤマブキシティー]以上の大都市に上陸して、ラグナさんはビルの規模に圧倒されながら呟いた。

………それもそうかな?
ヤマブキはカントーの経済都市。
対して、ヒウンはイッシュの玄関口であって政治、経済の中心地にもなっている……。
世界的な会社の本社もたくさんあるから、自然とそうなるよね?

リーフ〈この街は地方の中心……〉
A「…あれ? が聞こえるって事はもしかして……、ユウキ君の[ジャローダ]?」
ラグナ〈?〉

……ん?
この声もしかして……。
…うん、間違いないね!

リーフ〈あっ、ベル! [カイナシティー]で会って以来だね。〉
ベル「やっぱり、リーフ君だね!」

うん!
だって、この地方で僕の言葉が分かる女の子はベルだけ(series1参照)でしょ?

確信をもって振りかえると、そこにはユウキのと同じ場所に緑色のバンダナをした少女が僕達の元に走ってきている瞬間だった。

リーフ〈うん、久しぶ……〉
ラグナ〈ちょっ……ちょっと待て!! リーフ!? 今明らかにお前の言葉に答えてなかったか!?〉
リーフ〈…えっ!? うん。 確かに答えたよ。〉

あっ、そういえばラグナさんはベルに会うのは初めてだったね。

彼女に初めて会うラグナさんは、慣れているはずだけど僕達の会話に対して驚きの声をあげた。

ベル「ええっと、確か君は[グラエナ]……だったよね?」

リーフ・ラグナ〈うん、あってるよ。〉〈そうだが……。〉

ベル「君の言葉はまだ無理だけど、仲良くさえなってくれれば分かるんだよ。」

ベルはユウキと同等の位置づけ……[友情の賢者](series1参照)だから、僕達側が心を許せばそのポケモンの言葉だけ分かるんだよ。

……例えば、今会ったばかりのラグナの声は鳴き声しか聞こえないけど、2年前から交流があって気を許している僕の声は言葉として認識される……。
こんな感じ、かな?


僕は彼らを、それぞれに紹介して、聞かれる前にユウキの状態をありのままに伝えた。

ベル「……そっか…。だからリーフ君だけしかいないんだね?」
リーフ〈そういうこと。 ……で、ベルはさっきまで何してたの?〉

ベル、僕達とは別の船から降りてきてたけど、どこかに行ってたのかな?

一通り紹介し終えた僕は続けて話題を提起した。

ベル「離島の調査にね。 リーフ君達は?」
リーフ〈[ホワイトフォレスト]にいる姉さんに会いに来たんだよ。〉

そのついでに、ラグナさんに文字を教える事をね。
……本当はもう少し時間が欲しかったんだけど、何とか平仮名だけは教えられたよ。
ペンの持ち方は僕とは違うけど、そこは勘弁してもらったよ…。

…こんな時のためにシルクから彼女の持ち方を聞いておけばよかった……。
でも、今更仕方ないよね?

ベル「ええっと、モミジさんだね?」
リーフ〈うん!〉
ラグナ〈そうか……、[冷酷な豪炎](〜kizuna〜参照)のか…。〉

そういえば、ラグナさんと姉さんは[グリース]にいた時は人間で言うと、直接は関係なかったみたいなんだけど上司と部下みたいな関係だったみたいなんだよ。
言わなくてもわかるかもしれないけど、ラグナさんは幹部のパートナーだったから上司、姉さんは後から加わったから部下……。
昨日船でそう言ってたんだよ。

ベル「…なら、[ヒュウナ]………[ビリジオン]にも会えるかもしれないね。」
リーフ〈[ビリジオン]さんに?〉
ベル「うん!」

へぇー。
[ビリジオン]さん、ヒュウナていう名前なんだ…。
去年一応会ってるけど、僕がそれどころじゃなかったから聞けなかったんだよ…。


…僕達はこの後、一言二言言葉を交わしてから、それぞれの目的地へと歩き始めた。
僕とラグナさんは[ライモンシティー]へ……、ベルは資料集めに[シッポウシティー]へ………。




@ ( 2014/04/09(水) 23:04 )