β 1ヶ月間の自由期間
昼前 ヤマブキシティー総合病院 sideユウキ
メンバー全員〈〈〈〈〈〈…自由期間!?〉〉〉〉〉〉
{生放送襲撃事件}の直後に総合病院に運ばれてから数日後、僕はメンバー全員が揃っている病室でこう提案した。
……ええっと、僕の状態はというと、……簡単に言うと全身火傷……。
あの大爆発に巻き込まれたからね……。
担当医曰わく、{あの規模の爆発に巻き込まれて火傷で済んだのは奇跡}らしい……。
……流石はポケモン。
丈夫だね…。
……でももし生身で巻き込まれてたら間違いなく逝ってたね。
ユウキ「うん。 …だって、僕はこんな状態で身動きがとれないでしょ? それに、皆には長い間調査してもらってたから休息をね。 息抜きも大切でしょ?」
みんな調査続きで疲れもたまってるだろうからね。
包帯で全身を巻かれている僕は、ひとりひとりを順番に見ながら言った。
シルク〈息抜き……ね。〉
オルト〈……言われてみれば、この半年間動きっぱなしだったな。〉
リーフ〈ゆっくりとみんなが揃うことも無かったしね。〉
日にちが経って喉の炎症が治まったシルクをはじめ、オルトとリーフも彼女に続いた。
……そうだったね。
カントーリーグを制覇してからすぐ調査を始めたから、そのくらいになるね。
スーナ〈そうだったね♪〉
コルド〈そのくらいになりますね。〉
フライ〈うん。……つて事は、1ヶ月間の自由時間って事だよね?〉
ユウキ「そういうこと。」
……ううんと、結果的にそうなるね。
シルク〈ユウキ、分かったわ。 みんなもいいわよね?〉
オルト〈ああ。俺も構わない。〉
リーフ〈当然でしょ?〉
スーナ〈だって、ユウキが動けなかったら仕事も出来ないでしょ♪?〉
コルド〈その前に、一応[四鳥伝説]の調査も一段落してますから。〉
フライ〈強いて言うなら、調査内容を詳しくまとめるだけだしね。 ……ボク達はそれぞれで思うように行動するつもりだけど、ライト達はどうするの?〉
……あっ、そうそう。
ここまでふれてなかったけど、今日はライト達がお見舞いに来てくれてるんだよ。
あの日から今日まで結構日数があったけど、残りのジムは行ってないみたい…。
ライト曰わく、{ユウキ君が完全に復帰するまでジム巡りは中止にしたんだよ。 ティルにテトラ、ラグナもやりたい事があるって言ってるから、そっちを優先しようと思うの。……だからわたし達も自由期間にするよ。}……だって。
ライト「わたしは……久しぶりに技の特訓をするつもりだよ。」
ティル〈俺は武術を習いにいくよ。〉
シルク〈……そういえば、伝説のトレーナーと知り合いだって言ってたわね。…私も会って話がしてみたいわ……。〉
……あの後でライトから聞いた話なんだけど、気を失っている僕を救出してくれたのは彼女みたいだね。
……でもまさかライトと伝説のトレーナーが深い仲とは思わなかったよ……。
ティル君と直接話していたから、何かしらの伝説に関わっているのは間違いないね……。
その時は意識がなかったから、僕も直接話してみたいよ……。
ユウキ「トレーナーとして僕も気になるよ。」
ティル〈テトラは?〉
テトラ〈私はトリ姉に会いに行くつもり。カレンさんとも話してみたいしね。 ラグナは?〉
ラグナ〈俺? 俺はコレと言ってすることも無いからな……。……なら、文字でも習ってみようか……。〉
スーナ〈そうすれば本も読めるようになるし、いいんじゃない♪? ちなみに、ウチはもう一回[クチバシティー]に行ってくるよ♪〉
……みんな、したい事が決まってるんだね?
リーフ〈僕は1ヶ月あるなら……、あれから会えてない姉さんのところに行ってくるよ。〉
テトラ〈えっ!? リーフさんも兄弟がいたの?〉
リーフ〈うん。僕は5匹兄弟の真ん中でね。〉
ラグナ〈……確か、[冷酷な豪炎]と決別したモミジ(〜kizuna〜参照)だったな?〉
リーフ〈……そうだったね。ラグナさんもだったね。〉
ラグナ〈俺もついて行ってもいいか?〉
リーフ〈うん。 その時についでだがら文字も教えようか?〉
ラグナ〈……なら、宜しく頼む。〉
コルド〈それがいいですね。 僕は………そうですね…、古い知り合いに会いに行こうと思ってます。〉
オルト〈[燈山]にいた、あの二人組だな?〉
コルド〈はい! ……オルトさんはどうするつもりですか?〉〉
オルト〈俺はフライと[木の実の森]に行く予定だ。〉
フライ〈…そのついでにちょっとした特訓をね。……シルクは?何かすることがあるの?〉
シルク〈そうね……。……私はカレンさんの研究室に行くつもりよ。 ……それから、ライトが特訓するのなら、私もつきあおうかしら?〉
ライト「……じゃあ、お願い。」
シルク〈ええ!〉
なるほどね………。
……なら、
ユウキ「みんながそのつもりなら、僕は書類とか調査内容をまとめるよ。……入院生活は本当にヒマだから、暇つぶしにね。」
僕はこうしよう!
どのみちする事がないから、丁度良いね。
シルク〈……みんな、きまったわね。……距離的にも、リーフはすぐ出発するのかしら?〉
リーフ〈うん。 イッシュまで結構時間がかかるからね、そうするよ。 ラグナさんもいいよね?〉
ラグナ〈ああ。 リーフ、案内は頼んだぞ。〉
リーフ〈任せて! ついでだがらイッシュの名所を案内するよ!〉
スーナ〈ウチらの故郷……、凄く良いところだからラグナさんでも楽しめるはずだよ♪〉
ラグナ〈…楽しみだな。〉
シルク〈そうね……。………という事は、こうして全員が集まるのは1ヶ月後になるわね。〉
ユウキ「そうだね。 その時までには僕も完治してるはずだから…。……じゃあ、その時まで!〉
{うん!}
全員が声を揃えて、それぞれの目的のために、シルクとライト以外がこの病室を後にした。