55 L 黄の武道家
正午 武道場 sideライト
ライト「ハートさんもお久しぶりです!」
ハート「前に会ったのはジョウトに行く前だから、5年になるわね。 それにライト、ヒイラギから聞いてるわ。 トレーナーになったのよね?」
ライト「はい! わたし、あと一ヶ所でリーグに挑戦できるんです!」
わたしは高まる感情と共に、師匠である彼女………、ハートさんと握手を交わした。
………ええっと、彼女の説明をすると、ハートさんはわたしと同じ、トレーナーなんだよ。
ジョウト地方に行ってたみたいで、お兄ちゃんから聞いた事なんだけと、ハートさん、そこでちょっとした伝説を作っちゃったんだよ!
ハートさん、警察官になる前は1つ星のトレーナー……。
……そこまではよくある話なんだけど、ハートさんは一匹だけでリーグまで制覇しちゃったんだよ。
……だがら、星を持ってるトレーナーの間ではカントー出身の伝説のトレーナーの次に有名なんだって!
……そのトレーナー、目撃情報が殆ど無いから、実際にいたのか定かじゃないんだけど………。
……ハートさんに話を戻すと、その後、ハートさんは面接とかいろんな試験を突破して警察官になったんだって。
……昨日ヒイラギから聞いた話なんだけど、ハートさんは他の刑事さんよりも武術に優れていて、全国大会で優勝を何回も繰り返してるんだって!
……こう考えると凄いよね!
仕事の方でも、順調に出世してきてるんだよ。
………話、変わるけど、ハートさんのパートナーで[デンリュウ]のルクスもわたしは昔から知ってたよ。
彼女はジョウト地方の出身で、わたしが島にいる時から時々ハートさんと一緒に来てたんだよ。
その時はまだ[メリープ]だったから分からないんだけど、ヒイラギによると技を使わなくても十分強いんだって!
……さっきはびっくりしたけど、ここに入った時にしてたあれがそうなのかな?
………うん、きっとそうだね!
…………えっ?
ヒイラギとハートさんの関係が分からないって?
……そっか、言ってなかったね。
ヒイラギも、わたしと同じで昔から知ってたの。
それに、昨日ヒイラギが調査していた事の依頼主、実はハートさんなんだよ!
リョウ「へぇ。 彼女もトレーナーなんですか…。」
ハート「ええ。」
ライト「あとは[セキチクシティー]だけなんです。 みんな、お待たせ!」
そこさえ制覇できれば、リーグに挑戦できる権利がもらえるんだよね?
わたしは溌剌とした調子で言いながら、メンバー全員を出してあげた。
……まず始めに…、
ティル〈ライト? この人がそうなの?〉
ライト「うん!」
わたしのパートナーで、最近冴えているティル。
次に、
テトラ〈この人とはどういう関係なの?〉
ライト「わたしの師匠………に、なるのかな? いろんな事を教えてもらったし。」
色違いって事が全く気にならなくなったテトラ。
最後に、
ラグナ〈師匠か。 ……という事は、以前から交流があったのだな?〉
ライト「そうだよ。」
わたしを含めたメンバーの中で最年長のでしっかり者のラグナ。
みんなは口々に言いながら、ボールから飛びだした。
ハート「……ええっと、炎タイプの[テルーナ]に、悪タイプの[グラエナ]……、フェアリータイプの[ニンフィア]ね?」
リョウ「どのポケモンも初めて見ましたよ。」
ハート「ライトのメンバー……全員がカントーにもシンオウにもいない種族だもの……。見かけないのも当然ね。」
テトラ〈私………この地方の出身だけど……、そうなるよね。 ……そもそも私の種族の本当にの色、知らないし……。〉
流石、ハートさんだね。
ライト「……紹介しますね![グラエナ]の彼がラグナ。 [ニンフィア]の彼女がテトラ。そして[テルーナ]の彼がティルです。 ……で、彼女はトレーナー兼警察官のハートさん。……そして、ハートのパートナーで[デンリュウ]のルクスさん。」
わたしは順番にラグナ、テトラ…………の順番に視線を送って、簡単に紹介した。
………ここまで案内してくれたリョウっていう人は知らないけど………。
ハート・ルクス「宜しくお願いしますわね。」〈ライト、ありがとね! ……そういう事やから、よろしくね!〉
ティル〈うん!よろしく!〉
テトラ〈よろしくお願いします!〉
ラグナ〈……よ……よろしく、お願いします……。〉
ふたりとも、笑顔で言って、ティルとテトラもそれに明るく応じた。
……長年の癖でかもしれないけど、ラグナはちょっとひきつってたけど…。
ライト「………で、ハートさん、この人は?」
………リョウさん、ハートさんとはどういう関係なんだろう……。
わたしは再会してから疑問に思っていることを口にした。
ハート「…ああ! イケメンの彼は私の仕事の相棒で同僚のリョウ。」
リョウ「はじめましてですね。 ハートさんとは一緒に仕事をさせてもらってます。 ……ハートさん、彼女もポケモンの言葉に答えていたっていう事は、ハートと同じですね?」
ライト「えっ!? ハートさん、もしかしてわたし達の正体を知ってるの!?」
ハート「ええ、そうよ。」
えっ!?
ハートさん話したの!?
彼女の口から発せられた言葉に、わたしは驚愕した。
ハート「この署で唯一、彼だけには言ってあるわ。 ……それに、話を聴く限り、テトラちゃん、私と同じね!」
ティル・テトラ〈えっ!?どういう事!?〉〈えっ!?私と?〉
ラグナ〈………という事は………。〉
ラグナ、気づいたみたいだね?
ルクス〈ライトと、テトラちゃんを足して2で割った存在って言ったら分かるかな?〉
………確かに、そうだね。
ティル〈……ライトとテトラって事は……もしかして……〉
テトラ〈ハートさんも……ポケモンなの?〉
ラグナ〈………やっぱりな……。〉
ティル、テトラ、そういうこと。
ハート「あたり。 見てもらった方が早いわね。」
そうだね。
彼女はそういって、目を閉じた。
ティル・テトラ〈〈!!?〉〉
すると、彼女は突然眩い光に包まれた………わたしのそれと同じように……。
………そして、瞬く間にその姿を変え……いや、元に戻した。
ティル〈!? ハートさんってライトと同じ[ラティアス]だったの!?〉
テトラ〈でも、ライトって赤に白だったよね!?〉
ラグナ〈もしかすると……[色違い]か!?〉
ハート〈ええ、そうよ。 本当の私は[ラティアス]………!それも色違いのね!〉
彼女は、一般的な[ラティアス]とは違って、赤い部分が黄色くなっている………。
………つまり、ハートさんもテトラと一緒で色違いなんだよ!!
[色違い]のポケモンは40万匹に1匹しかいないって言われてるから、もしかして歴代の[ラティアス]の中では初めてかもしれないね!
私達、今のところ3匹しかいない上に伝説の種族だし………。
………あっ、そうそう。
言うのを忘れそうになったけど、彼女にも兄弟がいるの。
………兄弟というより、双子で、ハートさんの方が妹で、お兄ちゃんが〜kizuna〜に登場した[ラティオス]のソウルさん。
………今気づいたけど、ヒイラギもハートさんも無意識かもしれないけど、自分の兄弟を意識してるのかもしれない……。
ヒイラギのお姉ちゃんのアオイさんは人間じゃなくて、炎タイプの[キュウコン]に。
ハートさんのお兄ちゃんのソウルさんは電気タイプの[ライボルト]に姿を変えれるから(〜kizuna〜参照)。
…………だって、ヒイラギのパートナーは炎タイプの[ギャロップ]、ハートさんは電気タイプの[デンリュウ]でしょ?
………やっぱり、兄弟は似るんだね………?
…………そういえば、私とお兄ちゃんって、どこか似ている所があるのかな………?
自分の事だから全然わからないけど………。