[アンケート結果発表中]絆の軌跡 〜繋がりの導き〜























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第6章 ビルの山に吹く風
29 S 雷鳴と絆
夜 高層マンション sideシルク

トリ〈そこまで知ってたんですね………。明日ぐら いまで出かけていて今はいないんですけど………。 〉

トリさんはは呆気にとられながら呟いた。

……だって、そうよね?

見ず知らずのポケモンに、カレンさんの最高秘密を言われたのだもの。

私でさえ、赤の他人に私が[絆の従者]だって公言されたらビックリするわ。

……ましてや、ごく少数の友人しか知らない情報だから……。

シルク〈それともう一つ。カレンもポケモンに姿を変えられるのよね?[四鳥伝説]というだけあって、飛行タイプかしら?〉
カレン「そこまで知ってるとはね……。」

……図星のようね?

明らかに動揺してるし……。

トリ〈シルクさん、その通りです。 ……シルクさん? シルクさんって本当に化学者なんですか? 今のとこ考古学者にしか思えないんですけど…?〉

トリさんは、私の事を不思議そうに見つめながら言った。

シルク〈私はまだ最近化学者になったばかりなのよ。 ……トレーナーが考古学者っていう影響もあるけど、転職前、私も考古学者だったからかな?………いや、寧ろ私も伝説の当事者として別の伝説も気になるから、……っていうほうが正しいわ。〉

………この際、いってしまおうかしら?

私は話の流れをそのままに、自分へのフラグを立てた。

………第三者が聞くと、意味深な発言ね……、さっきのは……。

カレン「伝説に??」
トリ〈色んなアクセサリーを着けている以外は、どう見ても普通と変わらない[エーフィ]ですけど!?〉

……やっぱり、反応したわね。

私の思惑通りに、彼女達は私に疑問をぶつけた。

耳飾りにしているこの青い鉱石、[時鉉石](〜過去と未来の交錯〜参照)は、確かにそう。

珍しい鉱石……というよりは、5000年後の世界での思い出の品だわ。

シルク〈ええ。 ……イッシュ地方の[英雄伝説]をご存知かしら?〉

私は、疑問符で埋め尽くされている彼女達に、私自身が関わる伝説について語り始めた。







数分後 sideシルク

シルク〈………こんな感じね。〉

私は本来は何時間にも及ぶ説明を、10分程度の文章に要約して語った。

………知っている人は知っているかもしれないけど、ユウキ達が言うには、
{シルクは物事を纏めるのが上手い。}……らしいわ。

私にはそんな意識はないけど、そうらしいわ。

実際、ユウキが論文の原稿を書き上げた時は私が推敲したし……。

今更だけど、みんなが言う事は事実らしいわ。

カレン「……ユウキさんも、うちと同じやったんやな……。」
シルク〈…唯一の違いは、カレンさんとは違って、ユウキはたった2年前に[チカラ]が開花した事かしら?〉

カレンさん、自分の能力に気づいたのはセツさんよりも早い、8歳の時だったらしいわ。

トリさんが言うには、カレンさんはユウキと同様にバトルの腕をあげてるらしいのよ。

一般のトレーナーのポケモンぐらいなら何とか倒せるみたいなのよ。

……ちなみに、カレンさんの[雷鳴のチカラ]は、守備力の全てを犠牲にして、状態異常に弱くなる代わりに[10万ボルト]と[テレパシー]を使えるって言ってたわ。

[代償]は私にも同じモノがあるけど、[テレパシー]は初めてね。

トリ〈そうなりますね。……カレン? 折角だからシルクさんと闘ってみたら?明日の朝はゆっくり出来るし、どう?〉

流石はエスパータイプ。

勘が鋭いわね!

私と同じ、エスパータイプの[エーフィ]であるトリさんは、見事に私の心の声を言い当てた。

……だって、憧れの人と手合わせが出来るのよ?

会える事だって滅多に無いこと、……貴重な機会だわ。

私は平生を装いながら、彼女の返答を待った。

カレン「そうやね。いいよ。」
シルク〈いいんですか!?〉

いいの!?

私は期待の眼差しでカレンさんを見つめた。

カレン「もちろん。」
トリ〈……なら、屋上に行かないとね!部屋の中だと出来ないし。〉

本当に、いいのね!?

シルク〈ありがとうございます!!〉

私は嬉しさのあまり、額が床に着くまで深々と頭を下げた。

カレン「じゃあ、行こっか!」

シルク・トリ〈ええ!〉〈うん!〉

まるで少女のように目を輝かせながら、カレンさんは二匹の[エーフィ]に語りかけた。

私達も、それに笑顔で答えた。

………

夜 屋上 sideシルク

シルク〈大都会の夜景、久しぶりだわ!〉

私は眼下に望む光の競演を目の当たりにして、感嘆の声を漏らした。

白を基調として、所々に飲食店の有色の光が漏れ出す……。

それらに負けじと、信号機の赤や、黄、青も随所で点滅をくり返す……。

……こういう光景を見ると、[コガネシティー]でユウキと幼少期を過ごした頃を思いだすわ……。

[コガネシティー]、今はどうなってるかしら……。

私は懐かしの故郷に思いを馳せた。

カレン「故郷の[エンジュシティー]とは違って、近未来的な街も好きなんよ……。……じゃあ、始めようか。」
シルク〈ええ!〉

カレンさん、[エンジュシティー]の出身だったのね?

近くだったから、私もよく行ったわ!

私は、彼女の言葉で気持ちを戦闘に切り替えた。

……楽しみね!!

それだけ言うと、カレンさんは目を閉じて意識を集中させた。

すぐに姿が歪みだし、ものの数秒でポケモンへと姿を変えた。

姿を変える時間は、その本人の実力に比例するらしいから、話は本当のようね!

シルク〈カレンさんは[ハトーボー]に姿を変えられるのね?〉
カレン〈そう。 シルク、本気でかかってきてくれへんかな?うちも本気でいくから!〉

カレンさんは、そのつもりなのね?

カレンさんは、真っ直ぐ私を見つめた。

シルク〈わかったわ! 私も、[絆の従者]として丁重にお相手させてもらうわ!!〉

そして、私は彼女に対峙する。

………[ディアルガ]と戦った時と同じ睨みを効かせながら……。

トリ〈目力が……凄い……。〉

カレン・シルク〈じゃあ、いくよ!!〉〈[絆]の名に賭けて……いくわよ!!〉

宣言と共に、伝説関係者同士の戦闘が幕をあけた。

カレン・シルク〈[高速移動]!〉〈[瞑想]、[サイコキネンシス]!!〉

互いに、戦闘に備える…。

カレンさんは身軽に身体を動かし、私は集中しながら超能力を発動させる。

………お互いに、守備力がほぼ皆無だから、一度でも攻撃を当てた方の勝利ね?

カレン〈シルク、うちからいかせてもらうよ!![電光石火]!!〉〈[シャドーボール]!〉

彼女は、腕にあたる翼を素早く動かし、私に急接近する。

対して、私は目を閉じたまま、漆黒のエネルギー塊をストックする。

私まで、10m………。

私は、音と風の流れで位置関係を把握する……。

7m………。

シルク〈[目覚めるパワー]!!〉

続いて、竜の暗青色……。

これで、二色。

これらを、維持している超能力で拘束する。

4m……。

カレン・シルク〈余裕やね!!〉〈発散!!〉

漆黒の一部を分離させ、それで上昇気流を発生させる。

1m………。

カレン〈!? 見えてる!? 〉
シルク〈昼ほど鮮明ではないけど、空気の流れである程度は把握できるわ!!〉

それに飛ばされ、私は上空に投げ出される。

カレンさんは、即座に反応し、私のソレに便乗する。

3m……。

カレン〈空中なら私のほうが有利なのに、…判断ミスっちゃうかな?[燕返し]!!〉
シルク〈さあ、それはどうかしら?発散!!〉

彼女は、私に攻撃を当てるべく、羽ばたくスピードを強めた。

………流石ね。

気を抜くと追いつかれそうだわ……。

カレンさんのスピード、ライト並みにあるわね。

油断出来ないわ!!

今度は、竜のエネルギーの発散させて、私自身を左に飛ばした。

カレン〈技でかわした!?〉
シルク〈そういう事よ!! 私もそろそろ攻撃させてもらうわ!![ベノムショック]!!〉

彼女は驚きながらも、冷静に対処する。

私は、斜め下に降下しながら体内に溜まる毒素を放出、拘束した。

2m……。

シルク〈化合!!〉

紫と、暗青色を混ぜ合わせる。

すると、守備減退作用を秘めた藤色の弾が生成された。

彼女は、負けじと私を追跡する。

………もしかすると、私以上……、フライ並みの素早さかもしれない…。

1m……。

私は、それを撃ちだした。

カレン〈何!? あの技!? っ!……痛く……ない!?〉

距離の関係でかわす事が出来ず、彼女の守備力は更に減退した。

その間に、私は地面に華麗に着地した。

このままだと…、負けるわね……。

シルク〈発散!!〉
カレン〈!!?〉

私は咄嗟に漆黒のエネルギーを利用して突風を発生させた。

……ダメージは無いけど、相手を遠ざけるのにはちょうど良いのよ。

漆黒の全てを費やして発生させたそれは、急降下する[ハトーボー]のカレンさんを吹き飛ばした。

………いわゆる、技の[吹き飛ばし]の代用ね?

カレン〈シルク、なかなかの実力やね!どうやってかは知らないけど、飛行タイプのうちが飛ばされるなんて、初めてやよ!〉

出身地独特の訛りで、彼女は言った。

シルク〈カレンさん、あなたこそ!あなたわ私の素早さに特化した仲間に匹敵するぐらい速いわ!!〉
カレン〈……なら、これならどう?[10万ボルト]!!〉

彼女は、気流から外れて急降下。

そして、固定技である高電圧の電撃隊を放った。

私まで15m……。

シルク〈とうとう来たわね!! [10万ボルト]!!〉

彼女に、同じ技で対抗する。

………[チカラ]の効果で強化されてるから、私のほうが圧してるわね。

両者共に、通常では使えない技で火花を散らした。

カレン〈くっ………、[高速移動]!!〉

彼女は技の劣勢を察知し、解除して素早さを高めた。

………夜だから、カレンさんを捉えるのは難しいかもしれないわ……。

………なら、

カレン・シルク〈[燕返し]!!〉〈[10万ボルト]、[シャドーボール]!!〉

風に乗ったカレンさんは、獲物()めがけて急接近する。

対して、私も維持していた竜と、漆黒と黄色を単発で放った。

カレン〈凄い数………。〉

彼女は素早い身のこなしで三色のエネルギーの林を見切る。

3m………。

カレン〈これで決める!!〉
シルク〈!? [10万ボルト]!!〉

三色の林を何とか潜り抜けた彼女は、虎視眈々と私を狙う。

エネルギーの量が仇となり、気づくのが遅れた私は、内心焦りながら電気を纏った。

………このスピードでは………かわせない!!!

私は衝撃に備え、身構えた。

シルク・カレン〈〈っ!!〉〉


両者の技は………互いに………命中した。

カレンさんは……墜落し、私も………崩れ落ちる………。

………結果…………引き分け。

…………カレンさん、見事だったわ………。

@ ( 2014/01/09(木) 01:25 )