[アンケート結果発表中]絆の軌跡 〜繋がりの導き〜























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第6章 ビルの山に吹く風
27 S 同族
夕方 ハナダシティー sideシティー

ウォルタ〈………って事は、ここでお別れだね〜?〉
シルク〈そうね。 ラテ君、ベリーちゃん、ウォルタ君、今日は楽しかったわ。〉
ラテ〈僕もだよ!〉

空が若干紅くなり始めた頃、私達は向きあって別れを惜しむ……。

……ええっと、最初から説明すると、元々私とリーフは依頼した後は情報交換だけをするよ予定だったのよ。

で、その後、私は南へ、リーフは東へ行くつもりだったわ。

私はそのまま[ヤマブキシティー]で休むつもりだったのよ。

……本当はもう少し話したかったけど、リーフは明日フライと[岩山トンネル]を調査するって言ってたわ。

……だから、ラテ君達は{フライにも会いたいから、僕達はリーフさんについていくよ。}って事になったって訳。

そこの麓にも一応ポケモンセンターはあるけど、場合によっては野宿になるわね。

………私も含めて……。

シルク〈リーフ、さんにんの事は頼んだわよ!〉
リーフ〈うん。みんな強いし、問題ないよ。〉

リーフ、あなたなら快く請けてくれると思ったわ。

私達は別れを惜しみながら、互いに握手を交わした。

ベリー〈シルク、機会があったらフライと一緒にわたし達の時代にも遊びにきてね!〉
シルク〈ええ! もちろんよ! ……それに、チェリーとの約束も果たせてないから、きっと行けるわ!〉

あの時は、目まぐるしく時が流れていたから、達成出来なかったのよ……。

……気になる人は、“絆の軌跡〜過去と未来の交錯〜”を読んでもらってもいいかしら?

ラテ君達と私の関係も含めて、きっと分かるはずよ?

ウォルタ〈きっとだよ〜!〉

私は、彼らにとびっきりの笑顔を魅せた。

そして、私達はそれぞれに次なる目的地へと歩みを進めた。

…………地平線が紅く染まって眩しいわ………。

………

数分後 街道(ハナダシティーとヤマブキシティーの間) sideシルク

シルク〈………ちょっと急いだ方がいいかもしれないわね……。〉

深紅に染まった空を背景に、私は宵の風をきる………。

あと5分もすれば陽が沈むわね………。

暗くなる前に[ヤマブキシティー]に着きたかったけど、間に合わないなわ……きっと……。

私は内心焦りながら、走る四肢に力を込めた。

このペースで行けば、20分ぐらい………

A〈……だから、いい加減帰してください!!〉
B〈そういう訳にはいかねぇなー。〉
C〈折角見つけた可愛い娘だ。ミスミス逃がすのは惜しいだろー?〉

……で……?

ふと、話声が耳に入り、私の性格が自らの脚を止めた。

薄暗くてよく見えないけど、[ペルシアン]かしら?

見たところ、2匹の♂ね?

話し相手の方は……、西日の関係で見づらいけど、声からすると♀ね……。

………だとしたら、ナンパ?

A〈トレーナーの元に帰らないといけないんです!!〉
B〈姉ちゃん、不便な生活してるんだな? そんな奴の事は放っておいて俺達と遊ぼうぜ?〉

トレーナーのポケモン!?

私のお節介が、自らの身体を突き動かした。

シルク〈その子、嫌がってるじゃない!いい加減放してあげたらどうかしら?〉

考えるよりも先に、口が動いていた。

………確かに、放っておけないわ!

C〈!? 誰かと思えば、もう一匹、可愛い娘じゃんー!〉
B〈今日はツイてるじゃねぇーか!〉

この人達、まるで話を聞いてないわね……。

私は呆れてため息をついた。

そして、私は絡まれていた彼女の隣に立ち、

シルク〈忠告しておくわ。この子を帰して!〉

私はさっきよりも言葉を強めた。

B〈どうせなら、キミも俺達と遊んでいくかい?〉

C・A〈イヤとは言わせねぇーぜ?〉〈えっ!?〉

どうやら退くつもりは無さそうね……。

私を誘うように誘惑する彼らに対して、彼女は驚きの声をあげた。

私は彼女の声を聞きながら………、

シルク〈もちろん、ノーよ!!〉

彼らの誘いを丁重に断った。

そして、私は彼女の方に振り返り、

シルク〈とにかく、あなた…………えっ!?〉

彼女を連れ……!?

私は、あまりの事に目を疑った。

シルク・A〈〈[エーフィ]!!?〉〉

そこには、私と同じ種族の、[エーフィ]がキョトンとした表情で突っ立っていた。

……そして、声も、共鳴する。

………同族に、初めて会ったわ………。

B〈来ないのなら、〉
C〈力付くでも来てもらうぜ!〉
B〈[電光石火]!〉
エーフィ〈! 後ろ、危ない!!〉
シルク〈!?…〉

私は驚きの方が勝って、相手の接近に気づくのが遅れた。

シルク〈…[サイコキネンシス]!! あなた、名前は!?〉

咄嗟に、超能力で受け止めた。

B〈!? 動かない!?〉

同時に、慌てながらも彼女に名前を聞いた。

私に接近した相手は、私に拘束され、空中でばたつく……。

エーフィ・C〈[トリ]と言います!〉〈大丈夫か!?[電光石火]!〉

シルク〈トリさんね!! ここは戦うしか無さそうだわ。トリさん、ここは私が引き請けるわ!!〉
トリ〈でも、相手は2匹ですよ!?〉

私達が議論している間にも、もう一匹が接近する……。

……その距離、8m……。

シルク〈たったの二匹……それも野生なら、私にとっては[コイキング]一匹にも及ばないわ!〉

相手に背を向けながら、私は語る。

5m………。

トリ〈でも、暗いし、大丈夫なんですか!?〉
C〈背を向けるなんて、余裕じゃねぇーか。〉

2m………。

シルク〈平気よ!…〉

相手の方に向き直り、

シルク〈[目覚めるパワー]!〉

暗青色の小球を口元で生成する。

そして、冷静に放つ。

0m……。

C〈っ……!!〉

放たれたそれは、空気をかき分ける事無く相手に命中した。

B・トリ〈〈!!?〉凄い威力…。〉

……私に勝負を挑んだのが運の尽きね…。

相手は、派手に飛ばされた。

シルク〈さて、次はあなたの番よ?〉
B〈いや……待て……話せば分か………!?〉

拘束され続けている[ペルシアン]は、必死に私の機嫌を取り繕うとする……。

……自分が不利な状況になると手のひらを返したように弱気になる♂………、嫌いだわ……。

♂なのに、みっともなくて目も当てられないわ……。

相手に対する嫌悪感に襲われながら、維持していた超能力でその相手を斜め上に飛ばした。

シルク〈[目覚めるパワー]、[シャドーボール]、化合!!〉

そして、口元で漆黒と暗青色を混ぜ合わせる……。

相手に狙いを定め、撃ち出した。

暗い紺色のそれは、夜の闇に紛れながら飛んでいく……。

B〈!!!〉

膨張するそれは、的確に標的を捉えた。

シルク〈……やっぱり、ああいう♂は好きになれないわ………。〉

墜落しているのを見ながら、大きな独り言を呟いた。

トリ〈……たった一発で……。あなたは一体……。〉

トリさんは、私のバトルに開いた口が塞がらなかった。

…………でも、[トリ]っていう名前、どこかで聞いたような………。

シルク〈私はただの旅の化学者よ。………[シルク]っていう名前よ。〉

自問しながら、彼女に自己紹介した。

…………ええっと、私が知ってる[イーブイ]系のひとは……、

[ブラッキー]のラテ君、[シャワーズ]のニトル君(〜kizuna〜参照)、[ニンフィア]のテトラちゃん……、そして彼女のお兄さんて[リーフィア]のジルさん……。……この4匹だけ……。

…………そういえばテトラちゃん、他にも兄弟がいるって言って…………。

………!!

トリ〈……さん、シルクさ…〉
シルク〈思い出したわ!!っ!〉
トリ〈!?〉

7000年代での後遺症で若干喉が痛んだけど、私の脳裏に閃きの電流が流れた。

……間違いないわ!!

彼女は、突然の私の大声に腰を抜かした。

……そして、私はそんな彼女に真偽を確かめる……。

シルク〈トリさん、あなたには[テトラ]っていう名前の妹と、[ジル]っていう名前のお兄さんがいるわよね?〉
トリ〈!!? どうして……ワタシの兄妹の名前を……?〉

……反応を見る限り、正解のようね……。

シルク〈二匹……、特にテトラ、ちゃんのほうはよく知ってるわ。〉
トリ〈……………なら、………特長と種族は……?〉
シルク〈ジルさんが[リーフィア]、テトラちゃんが銀色の[イーブイ]よね?〉

私は彼らの情報を的確に言い当てた。

トリ〈………合ってます……けど、どうして知ってるんですか……?〉

彼女は完全に言い当てられて、棒立ちになっていた。

シルク〈話せば長くなるわ…。とにかく、あなたはトレーナーの元に帰った方が良いわね。…もう暗いから、また襲われないように送っていくわ。……その事は歩きながら話してもいいかしら?〉
トリ〈……あっ、はい。〉

暗い街中を♀一匹だけで歩いていたらあまり良いことは無いでしょ?

だから、私は半ば強引に引っ張るような感じで、彼女にお供した。

……もちろん、話しながらね!

@ ( 2014/01/06(月) 01:28 )