弐拾壱 無邪気な親方
西暦7000 ギルドB2F sideラテ
シルク、フライ、そしてみんなも励ましてくれてありがとう。おかげで元気がでたよ。
でも、まさかシルク達にベリーの幼なじみのウォルタ君が加わったなんて、ビックリしたよ。ウォルタ君も一緒に行くことになるのかな?行けたらいいなー。
そのためにも、ベリー、頑張らないとね!
あれから僕達は依頼をこなした。
ウォルタ君はシルク達にいろいろと教わっているのかな?
そんな感じで何日か過ぎて………とうとうあの日がきた。
「えー、今日は遠征に行くメンバーを発表する♪」
「とうとうでゲスね!」「キャー、楽しみですわー!」「えっ!?待って!!まだ心の準備が出来てないよ!!」「いよいよね。」
えっ!?いきなり!?ベリーと同じで、まだ僕も準備が……
「まずは、ヘルツ、それにシャイン♪」
できて………!もうするの!??
「ワシが、選ばれるのは当然だな!」「よく言いますわね………。」
「一番緊張で震えていたのに………」スズネさんとシザーさんがボソッと呟いた。聞かなかった事に……………?確かに、ヘルツさんがいた場所に汗で濡れた跡が……。
「それから………おっ、なんと、ブラウン♪」
「えっ!?あっしがでゲスか!?」
ブラウンさん、良かったね。
………あれ?
「ブラウン、どうした♪?」
ブラウンさん、硬直してる……。
「感動して………動けなくなったでゲス……。」
「………まあいい。ブラウンはほおっておくぞ♪次にシザー、フログ、以じ………」
これで終わり………?
ベリー……やっぱりあれが響いたのかな……。
ベリー、本当に楽しみにしていたから………
「………ょう、これで………ん?」
……残念…………あれ?フラット?
「………こんなところにも……。親方様、字が汚いんだから………。」ん?フラット?何か言った?
「………スズネ、ガッツ、ホール、ラテ、ベリー、以上全員で行くことにする♪!!………………って、ええーーーっ!?」
えっ!?今、僕達の名前も呼ばれた!?
「親方様、これは一体………。」
フラットが慌てて聞いた。
「ラックさん、多すぎる気が………。」
ブロモも同じように聞いた。
ちなみに、今は異臭はしないよ。シルクが[サイコキネンシス]で抑えているのかな?
「みんなで行ったら楽しいでしょ?」
「でも、留守番は………」
次々に言葉が交わされる。入る隙がないよ……。
「大丈夫!ちゃんと戸締まりしていくから♪それに昨日はワクワクしてなかなか眠れなかったんだよー!」
………親方様らしいよ……。
「ひぇー。」「じゃあ、準備をしてからここに集まってー!」
「「「「「おー!」」」」」「ええ、わかったわ!」「うん、OK!」「わかったよ〜。」
とにかく、無事に選ばれてよかったー!
………
数十分後 sideシルク
ラテ君、ベリーちゃん、無事に選ばれてよかったわね!
私も安心したわ!
私達はそれぞれトレジャータウンに出ていって、旅の支度をしたわ。
私は調合用の木の実、[木の枝]、不思議玉何種類か、空き瓶数個。
フライは[PPマックス]、種何種類か、[銀の針]、回復アイテムをそれぞれ鞄の中に入れたわ。
おかげでパンパンね。
ウォルタ君も、必要最低限の物は持ってきたみたいね。
そして、私達は準備を終えてギルドの地下二階に戻ってきたわ。
どうやら私達が最後だったらしいわね。
「シルクさん達も戻ってきたから、チーム分けを発表する♪まずは“悠久の風”お前達はブラウンとウォルタ君と海沿いのルートから向かってくれ♪」
ウォルタ君とラテ君達が一緒なのね?相性的にも、いい組み合わせ。それに、ウォルタ君は私達が鍛えたから、心配無いわね。もちろん、ベリーちゃん達も!
この間にも、チーム分けが発表されていたわ。
…………奴らはチームで単独行動。一緒にならなくてよかつたわ。
「………最後に、シルクさんとフライさんは、私と親方様と来て下さい♪」
「楽しくいこー!友達!友達!」
「ええ、よろしくお願いするわ!」「うん、お願いします。」
たぶん、フラットさんは私達の実力を知らないから、一番安全な方法をとったのね?
…………杞憂に終わると思うけど………。
「組み合わせは以上だ♪ 親方様!」
「うん!みんな、いくよ!!」
「「「「「おー!」」」」」
ラックさんのかけ声で一致団結、いよいよね!
私達は一斉にギルドを出発したわ。
………
誘いの坑道入り口 sideシルク
私達は山を進むルート、[誘いの坑道]を通って、[言霊の森]という場所を抜けるらしいわ。きっとここもダンジョンね。
「フラットさん、道が2つに分かれているけど、どっちに行けばいいんですか?」
フライが不思議そうに………確かにそうね。
「ここのダンジョンは2つに分かれていて、南側は僕達が進むほう、北側は別のダンジョンに続いているんだよー。そこには何か言い伝えがあるらしいんだけど、また今度だねー。」
「伝承ね。今度時間がある時にそっちも調べてみようかしら?」
研究家としての血が騒ぐわ。でも、また今度ね。
「では、行きましょうか♪」
「うん。道案内、お願いします。」
じゃあ、いきましょ!
………
誘いの坑道南 sideシルク
「[翼で撃つ]!」「[往復ビンタ]!」
フラットさんはコマタマに、ラックさんはダンゴロに攻撃。相性はイマイチね………。
「私の見たことがない種族……全然……」
「フラットさん、ここはボク達が………」
フラットさんが苦戦しているからフライが参戦しようとしたけど………
「フライさん、ここは危険ですから下がって下さい!!」
それを止める。………あっ!フラットさん!危ない!!
「[目覚めるパワー]!」
私はとっさに口元に暗青色のエネルギーを蓄積させ、コマタナめがけて放ったわ。
「!!?」
フラットさんのすぐ脇をかすめる。………ダメージは無いわね。
暗青色の弾丸は相手に命中、一発で倒したわ。
「シルクさん……。」「フラットさん、よそ見をしたらいけないわ!」
……また敵、今度はコロモリね。
「[ドラゴンクロー]!」
すぐにフライが迎え撃つ。
「フラットさん、私達は自分で倒せるから、安心して下さい![目覚めるパワー]、[シャドーボール]!」
言ってからすぐに、深青色の弾丸でラックさんを援護。口元で混ぜ合わせて、ダンゴロに射撃。
混ぜ合わせると属性はなくなるわ。だから、どのタイプにも1倍の威力。ちなみに、合わせる2つの技の平均値がダメージとなるわ。
「ありがとねー。」
「だから、任せて!」
「ここからは私達も参戦するわ![サイコキネンシス]、[瞑想]!」
私は[木の枝]をくわえて精神統一。それを超能力で拘束。
技効果を高めて………
「[シャドーボール]! [目覚めるパワー]!」
技を維持したまま漆黒、暗青色の弾も続けて拘束。
「シルク、いつも通りだね?[目覚めるパワー]!」
「ええ、頼んだわ!」
フライは手元に紺色の弾を蓄積。それをすぐに私が拘束する。
あとは………
「[岩雪崩]!」
そう、今度は岩タイプ。
これで霊、竜、草、悪、岩、5色が揃ったわ。
さあ、戦闘開始よ!