補之壱 黄緑の精霊
西暦20XX年 とある森 side???
くっ、まさか………あんなめに………遭うなんて……。
自分が………幻の……ポケモンだから……かな………。
密猟者………奴らは………手段を選ばず…………攻撃してくる……。
おかげで、もう………傷だらけだ………。
もう………攻撃………されるのは……うんざりだ……。
……………この時代には………もう来ることは……無いだろう…………、自分の生まれた時代………だけど………。
「ハァ、………ここまで……来れば……渡れる……か な?」
いつ見つかっても……おかしくない……だから………一秒でも早く………安全な……時代へ………。
「すみません、大丈夫です……」 「時渡り!!」
あの時代なら………人間は………いない………ばず………。
それに………チェリーも……その時代に………いるはず………。
……ここまでこれば……もう……大丈夫だ……。
「シルク、この状況不味くない!?」
「そうね! とにかく、すぐに脱出しないと……」
何か………聞こえたような……………、気にすること………ないか。
自分は……自らが発した………光に包まれ………、自分が越えられる………最大の時間、5000年後の時代に………タイムスリップした。
………
西暦7000年 side???
「…………よし、………この時代なら……。」
時渡り、成功。
……まずは………この傷を癒やさないと………。
ぼくは何とか身体を…………浮かせた。
ぼくは安全な場所がないか…………見渡し…………、!?しまった!!ぼくとしたことが………元の時代の…………一般人、エーフィーとフライゴンを………巻き込んでしまった………。
すぐに連れ戻さないと……、いけないけど………この身体では、時を越えるには………さっきの回で………精一杯………。
……仕方ない………。この人達には………ぼくが回復するまで………待ってもらうしか………ないか………。
「この2人には悪いけど………ぼくのほうを優先させて……もらうよ……。」
この2人、まだ気を失っているから……、すまないね……。
ぼくは……後ろ髪を引かれながらも、……この場を……あとにした、………ふらつきながら……。
………
数分後 side???
やっと………見つけた………。
ぼくは……ようやく目当ての木の実……[オレンの実]を発見した。
「この時代の[オレンの実]なら………。」
ぼくはその実を拾い上げてかじりついた。
たちまちぼくの身体は軽くなり……、傷もある程度は癒えた。
「とりあえず、これで大丈夫だ。 よし、早くあの人達の元に戻らないと!」
ぼくは慌てて飛び、さっきの2人の元に急いだ。
早く、連れ戻さないと!
数分後
「あれ!?さっきはいたはずなのに!?」
遅かったか……。
さっきの場所はもぬけの殻になっていた。
「あの人達、さまよってなければいいけど………。」
でも……一体どこに……。ここは元の時代とは全く違うから戸惑ってるに違いない。
………でも、ぼくが移動した先が未来で、まだよかったかな……。
「過去だったら、下手をすれば大変な事に……。」
「あら、シード久しぶりね!」
何の前触れもなく高い声が響いた。
まさか、こんなに早く会えるとはね。
「チェリーまさかこんなに早く会えるとは思わなかったよ。」
振り向いた先には、ぼくと同じ種族、しかも色違いのセレビィがそこにいた。
住む時代は違うけど、彼女はぼくのガールフレンドのチェリー。
紹介が遅れたけど、ぼくも同じくセレビィのシード。色は普通です。
「それにしても、シードが何の知らせもなく[時渡り]をするなんて、珍しいわね。」
「ちょっと訳があってね。 そういえばチェリー?この辺でエーフィーとフライゴンを見なかった?」
ここにいたなら、知ってるはず……。
「……見てないわ。私も今来たばかりだから……。ごめんね。」
チェリーは少し表情が暗くなった。
「いや、そんなに落ち込まなくてもいいよ。チェリー、来たばかりなら、仕方ないよ。」
ぼくは笑顔で答えた。
チェリーはいつも陽気で活気に満ち溢れているんだけど、ぼくにだけはこういう表情を見せてくれる。
「うん、そうだよね!シードが言ってくれるなら、心配する事はないね!」
チェリーも笑ってくれた。チェリーの笑顔が一番好きなんだ。
「話変わるけど、チェリーがこの時代にいるってことは、上手く逃げ切れたってことだね?」
「途中で事故があって1人とはぐれたけど、もう1人は無事よ。あの人、大丈夫かしら……。」
チェリーは心配そうに言った。
その2人が誰なのか、ぼくは知らないけど。
「その人もこの時代にいるはずだから、いつか会えるよ!」
ぼくは元気づけるためにチェリーを励ました。
「そうよね!」
元気になってよかった。
この後、ぼく達はしばらく雑談で盛りあがった。
巻之補 其之壱 完