絆の軌跡 〜過去と未来の交錯〜
























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巻之参 悠久の風と紫のお騒がせ者達
拾 学者の特別指導
西暦7000 オレンの森  中奥部 sideシルク

遭難していたウパーさんの救助も無事に終わって、あとは犯罪者の逮捕ね。

バトルの指導? 今からよ。

「まずは私からよ。私からは特殊技についてよ。」

私は物理攻撃のセンスが皆無なのよ。種族の影響もあって、特殊技を極めたのよ。“好きこそものの上手なれ”ということわざがあるのは知ってるわよね?
私はそれを実践したわ。

「特殊技?」

ベリーちゃんが不思議そうに聞いたわ。

「ベリーちゃんなら[火の粉]、ラテ君なら[シャドーボール]がそれにあたるよ。つまり、直接攻撃しない技だよ。一部例外があるけどね。」

フライが簡単に説明してくれたわ。フライの説明はわかりやすいから、助かるわ。

「そうよ。 ……ラテ君、ベリーちゃん、特殊技の威力の源は知ってるかしら?」

「「源?」何かあるの?」

案の定、知らなかったらしいわね。世間一般には原理までは知られていないからね。

2人とも不思議そうに聞き返したわ。

「ええ。特殊技はそれぞれの[精神力]、つまり[集中力]に比例して威力が上がるわ。集中力を強化する利点は、技の威力を上げるだけではないのよ。」

集中すれば、周りの状況も更に掴めるからね。

「えっ!?そうなの!?」

ベリーちゃんが驚いて聞いたわ。

「うん。集中すると、周りに意識を研ぎ澄ませるでしょ?だから、目を瞑っていても周りの状況が掴めるようになるんだよ。」
「この事を応用すれば、砂嵐とか霧の状態でも確実に技を命中させれるようになるわ。」

一石二鳥でしょ?1つを強化するだけで2つも良いことがあるのよ!

「へぇー。」
「効率よく集中するコツは、身体全体で音、気配、匂い、風を感じるのよ。」
「風?」
「音?」

2人の頭上に疑問符が浮かんだわ。

「言葉だけだと分かりにくいから、実演するわね。あっ、ちょうどコラッタが来たわね。」

ベストなタイミングで2、3匹のコラッタが私達のいるエリアに入ってきたわ。

「実演するために、目を瞑って闘うわね。」
「えっ!?でも、見えないと場所もわからないよ。」
「技もかわせないし……。」

ラテ君とベリーちゃんは心配そうに言う。

「フライ、そこに落ちているスカーフで私の目元を覆ってくれるかしら?」
「うん。完全に光を遮断するんだね。」

ええ、そうよ。視覚を使ってない証明にもなるしね、

フライはそこに落ちているスカーフ、たぶん[キーの鉢巻き]ね、を私の目元で縛ったわ。

これで準備完了、

「さあ、はじめましょ!」

かけ声と共に相手の群れは私の元に走りだしたわ。
足音、風の対流からすると、3匹ね。

「[体当たり]!」

右から、

「[電光石火]!」

今度は左、

「[体当たり]!」

正面、逃げ場を潰す作戦ね。

一体目が右から突っ込んできたわ。
それを左に跳んでかわし、
二体目の接近を、

「[サイコキネンシス]!」
「!?」

超能力で拘束し、
三体目のほうに飛ばした。

二体はぶつかり合い、後者は気絶した。
まずは一体。

「凄い!同時に攻撃されたのに一度も当たってない!!」

ベリーちゃんの声。

私は構わずに、

「[目覚めるパワー]!

口元に暗青色の弾を形成。

一体目、身構えたわね。

風の当たり具合からすると、位置関係は5m右斜め前に一体、私の正面から左に30°の位置にもう一体ね……。

「「[電光石火]!!」」「甘いわね!」

二体は同時に接近、私は正面に向かって上に跳んでかわした。

「「っ!」」

正面衝突。痛そうね……。
その間に、暗青色の弾はバスケットボール程の大きさ(途中で溜めるのを止めたわ。 止めないとおさまりきらないから………)まで溜まっていた。

私は向きを変えながらそれを放ったわ。

「もう一発、[目覚めるパワー]!」

今度は溜めてすぐに放つ。

2つの弾は衝突し、弾けた。
そのまま二体に命中し、戦闘不能となった。

「こんな感じよ。」

私は縛っていたスカーフを首を振って落としながら鮮やかに着地、あっ、外れたわ。

「凄い……。」

2人とも、言葉を失っているわね。

「コツを掴めば簡単だから、すぐに出きるようになるわよ!」

私は満面の笑顔でいったわ。

………

sideフライ

シルクの実演が終わって、次はボクの番。

「コツを掴めば簡単だから、すぐに出きるようになるわよ!」

シルクの笑顔。
相変わらず魅せてくれるね!

「コツ? さっきの[風を感じる]ってやつだね?」
「ベリーちゃん、そうだよ。風を感じる事が一番簡単だよ。 ………じゃあ、ボクからは物理技を踏まえて戦略について教えるよ。」

ボクは特殊技より物理攻撃がどちらかというと得意だから。
……ボクの戦略のメインではないけどね。

「戦略?」

ラテ君が不思議そうに聞く。

「うん。それぞれの基本となる戦闘パターンだよ。人によっては自分の得意な戦闘パターンを生かして、更に技を強化する事が出来るんだよ。」
「へぇー。」

ベリーちゃんが感嘆の声を漏らした。

「私は特殊技を混ぜ合わせて攻撃する事を戦法としているわ。これはわ私のオリジナルよ。」
「シルクは特殊技のスペシャリストだからね。ちなみに、合わせるタイプによって効果が変わるんだよ。」

ボクはシルクの戦略について補足を加えた。

「効果が? ……ああー、今朝のあの技みたいなやつのことだね?」
「そうよ。」
「ちなみにボクは………今から実践するよ。」

言い終わる前に何者かの声、野生?だね。

「フライが闘うの、初めて見るよ!」
「僕も見てみたかったんだよね。」

2人とも、嬉しそう。
僕は今まで戦ってなかったからね。
よし、じゃあ始めようか。

相手はポッポ2体。

「[体当たり]!」「[風起こし]!」

一体はボクに向けて接近、もう一体は風を起こした。
威力、まだまだだね。

ボクも前者に向けて接近した。

3m.2m.1m、徐々に滑空して近づく。

50cmまで迫った時、

「!!?」

ボクは急激に高度を上げた。
そのまま宙返りし、

「[超音波]!」

死角から音波を放った。
すぐに右手に暗青色のオーラを纏い、

「[ドラゴンクロー]!」

切り裂いた。

これで一体。

「[電光石火]!」

残りの一体が接近を始めたね。
なら……

「[岩雪崩]!」

ボクはその行く手にいくつもの岩石を出現させた。

「!!?」

やっぱり驚いているね。

ボクは相手が気を取られている間に、相手の背後に回り込む。そして、

「[目覚めるパワー]!」

今度は手元に紺色のエネルギーを溜める。
その頃には岩石の降下は収束した。

相手は辺りを見渡している。確実にボクを見失っているね。

ボクはそのまま紺色の弾を放った。

死角から放たれた弾が為す術がなく、相手は技を受けた。

「よし、と。 ボクはこんな感じだよ。」

ひと息ついて、ラテ君達のほうを向いた。

「早くて……殆ど見えなかったよ。」
「フライって、こんなに素早かったんだね?」
「そうよ。フライの戦略は相手の死角に潜り込み、[超音波]で自由を奪うことよ。」

自分で言うのもあれだけど、ボクは相手の死角に潜り込むのが得意なんだよ。

「………こんな感じで、戦略を組みたてれば自分の長所を最大限に生かれるんだよ。」
「へぇー、勉強になったよ。」

ラテ君が深々とお辞儀、直角って……。

「私達からのお礼は以上よ。」
「この後の依頼で闘うなら、さっそくレンジしてみたらどうかな?」

それがいいね。どれもすぐに実践できるからね。

ボク達はラテ君達の特訓に付き合いながら奥地へと進んでいった。

ラテ君、ベリーちゃん、上手くいくといいね。

@ ( 2013/07/19(金) 00:54 )