六 今後の要項
西暦7000 海岸 sideシルク
私はラテ君に想いをぶつけて……。
「シルクさん、本当に…ありがとうございます。」
「だから、困った事があったら私をはじめ、フライ、ベリーちゃんにいつでもいってね!」
ラテ君は私の生い立ちを涙を流して聞いてくれたわ。
……嬉しいわ。
私は煌めく朝日に負けないくらいの、心の底からの笑顔で答えた。
「ラテ君、これを期に私の事を普通に[シルク]って呼んでくれると嬉しいわ。私、正直[さん]付けされるの、性に合わないのよね。」
「えっ?いいんですか?」
「ええ。もちろんよ。あと、わざわざ敬語を使わなくてもいいわよ。こうしてお互いに話したんだから、ね?」
お互いに心の奥底にあるものをうち明けたんだから、改まった態度だと距離ができるのよね。
「うん、じゃあ、そうさせてもらうよ。」
さっそく変えてくれたわね。
「ええ。ラテ君、そろそろもどりましょ?」
「うん、そうです………だね。」
時間はもうじき7時かしら?
朝礼があるらしいから、戻らないといけないわね。
私達は弟子達が起きた頃であろうギルドへとかけていったわ。
………
ギルド B2F sideシルク
「よかったー。まだ始まってなかったよ。」
どうやら朝礼には間に合ったようね。
「おや、ラテが一番乗りとは、珍しいな♪」
「今日は早く目が覚めたから、散歩に行ってたんです。」
フラットさん、あなたも朝が早いのね。
「シルクさん、寝れましたか♪?」
「ええ、お陰様で十分に休めたわ。」
私がもう起きていたから、心配したのかしら?
………時間的に、そろそろフライが起きてくる頃ね。
「なら、安心しました♪」
私の勘は当たったようね。
「いないとおもったら、やっぱり起きてたんだね?」
「ええ。フライもいつも通りって感じね。」
時代が変わっても、習慣は変わらないものなのね。
私もそうだったから。
「フライ、ラテ君、後で話があるから、いいかしら?」
「ん?シルク、どうしたの?」
突然聞いたから、疑問に思うのも当然よね。
「私達の今後についてよ。」「さっきの事だね?」
「今後の事?うん、わかったよ。」
「朝礼が終わってからでいいかしら?」
「「うん。」」
ラテ君達の朝礼が終わらないと、始まらないからね。
「あれ?あっしより早いなんて、珍しいでゲスね?」
ブラウンさん、起きたみたいね。
それから続々とほかの人達も部屋から出てきたわ。
「ラテ君、おはよー。」
「うん、おはよう。」
ベリーちゃんも起きたわね。
「シルクさんにフライさんも、おはようございます!」
「ベリーちゃん、おはよう。」
朝から元気がいいわね。
「よし、全員揃ったな♪ 親方様、朝礼をお願いします♪」
フラットさんが扉の前で声を張り上げて……あっ、ここがラックさんの部屋なのね?
扉が開いて出てきたわね。
「えー、今日の連絡だが、近々ギルドを挙げて遠征に出かけようと思っている♪」
成り行きで聞いているけど、遠征って何のことかしら?
「キャー、遠征なんていつ以来かしら?」
「しばらく行ってなかったからな。」「あっし、遠征はじめてでゲス。」
どうやら、頻繁にあるものではないらしいわね。
「遠征、ですか?」
フライ、私も気になるわ。
「ブラウンにラテ、ベリーは初めてだったな♪この遠征は選考で選ばれたメンバーが遠くまで探検に行くものだ。 活躍次第で誰でも参加できるから、精一杯精進するように♪」
要するに、頑張れば探検ができるってことね?
「私からの連絡は以上だ♪ 親方様、御言葉をお願いします♪」
フラットさんはラックさんに頭を下げた。
「みんな、頑張ってね!」
「それでは、いつもの、いくぞ♪」
ラックさん、簡単にまとめたわね。
「「「「「「1つ、……………(忘れたので省略します。 by @)。」」」」」」
「それでは、今日も張りきっていくよ♪!」
「「「「「「おー!」」」」」」
凄く威勢がいいわね。志気も高まるわね。
かけ声が終わると、散り散りになっていったわ。これから仕事ね?
「で、シルク、話って?」
朝礼が終わってから話す約束だったわね。話しましょうか。
「ここなら、情報が集まりそうだから、この街を拠点にして元の時代に帰る方法を探すのはどうかしら?」
今朝ラテ君と会う前にトレジャータウンを見てきたら、結構店が並んでいたわ。
………どこも閉まっていたけど。
「そうだね。寝泊まりする場所も必要だからね。うん、それでいいよ。」
フライ、あなたならそう言ってくれるって信じていたわ。
「もう一つ話したい事があるんだけど、ラテ君、いいかしら?」
2つ目はラテ君の事……。
「ラテくんがどうしたの?」「ベリーには出逢った時に言ったから……」
「ラテ君の事に関係して、話したい事があるけど、話してもいいかしら?」
私はラテ君のほうを見て聞いたわ。
「いいけど、近くにヘルツさんとフログさんがいるから………。」
やっぱりすぐに、という訳にはいかないわね?
タイムスリップして、使う機会はないと思っていたけど、あの方法を使おうかしら?
《これなら、いいかしら?》
サイコキネンシスの要領でラテ君、ベリーちゃん、フライの頭の中に直接語りかけた。
私、元の時代で仲間にテレパシーの方法を教えてもらったのよ。
習得するのに苦労したわ。
「えっ!?なに!?これ!?」
「声が、響いてる!?」
初めて体験すると、誰でもこうなるわ。世間一般では、テレパシーは伝説ポケモンの専売特許って事になってるから……。
「[テレパシー]だよ。」
「[テレパシー]って、伝説のポケモンしかできないんじゃないの!?」
やっぱり、どの時代でも常識は変わらないのね。
「経験を積んで練習すれば、エスパータイプのポケモンも使えるんだよ。」
フライ、説明ありがとう。
「根気よく練習しないといけないけどね。」
私は笑顔で付け加えた。
《今朝聞いたことだけど………(前回と重なるので省略します。 by @)………。フライ、勝手に決めたけど、いいかしら?》
私の話に3人は小声で返してくれたわ。
たぶん、誰にも聞こえてないわね。
「うん、昨日助けてもらったお礼をボクからもしたいから、ぜひ!」
「フライさん、ありがとうございます。」
「ラテくん、よかったね!」ともあれ、フライも同意してくれてよかったわ。