絆の軌跡 〜過去と未来の交錯〜
























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巻之拾参 来たるべき明日のために
七拾七 VS闇の刺客
西暦7000年 幻の大地遺跡 sideウォルタ

「………ということだよ〜。だから父さん?案内してくれる〜?」

本当は話したい事が沢山あるけど、ぼくはここに来た目的だけを手短に伝えた。

………ぼく達の本当の目的は、父さんに会いに来た事ではなくて、シャドウの野望、[星の停止]を食い止める事だから。

私情を挟む訳には…………いかない。

「………そうか、わかった。ついて来なさい。」

そう言って、右目でぼく達に目線を巡らせてから、歩きはじめた。

「父さんが連れてってくれるから、行こ〜!」

ぼく達はラテ君達のほうに振りかえって言った。

ちなみに、もうラテ君、ベリー、グラスさん、チェリーの紹介は済ませてあるよ。

「すまんな。」
「うん、そうだね。」
「いよいよ、目の前まで迫ってるのね。」
「うん! わたし、凄くドキドキしてきたよ!!」

ぼく達は、ここからの期待と不安に心を踊らせながら父さんの後を追いかけた。

………

遺跡外部 sideウォルタ

「ここがね。」

しばらく薄暗いところにいたから、日の光が眩しいよ。

遺跡から出ると、目の前には何段も続く石造りの階段が鎮座していた。

………何段あるんだろう〜?

「あれ、父さん?もう外に出たけど〜?」

遺跡から出たにもかかわらず、父さんは足を止めなかった。

「この先で見る景色が絶景でね、是非とも見てほしいんだ。」

絶景?

「絶景って?」
「見ればわかるという事だろうな。」
「きっとそうね。」

ベリー、グラスさん、チェリーの順に言った。

たぶん、そうだよ。

「せっかくだから、僕達も行こっか。」

うん、ラテ君、そうしよう!

ぼく達は石段を駆け上がった。



「うわっ!凄い!!」
「[幻の大地]が一望出きるよ!!」
「本当に、絶景ね。」
「こんなに、広かったんだな。」

頂上まであがると、眼下には広大な草原が広がっていた。

あそこを、通ってきたんだね……、ぼく達。

「凄く綺麗だよ〜、父さん!」
「いっただろう? それと、上を見てみるといい。」

「「上?」」「上ですか?」

ぼく達は父さんに言われたままに空を仰ぎ見た。

「「「「「!? あれが、[時限の塔]!?」」」」」

そこには、雲の上まで塔がそびえ立っていた。

あれが………?

「でも、どうやって行くんですか!?」

確かに、そうだよね。

飛べるぼくとチェリーは行けるけど、ラテ君、ベリー、グラスさんは無理だよね?

「今いる、この場所が………」「そこまでだ!!!」

父さんの声を遮って、ぼく達ではない、第三者の声……。

この声は!!!

「「「「「シャドウ!!?」」」」何故ここに!?」「何者だ!?」「「「「「「「「ウィーーー!!!」」」」」」」」

どうして!?

ぼく達はたちまち闇の刺客達に拘束された。

「クソっ!放せ!!」「[証]も持たないのに、何故ここへ!?」

ぼく達はそのまま、反対側に誘導された。

…………父さん、ごめん。巻き込んで…………。

「簡単なこと………。7200年から直接ここに送ってもらっただけだ……。」
「闇の、[ディアルガ]にか!?」
「その通りだ。 その[ラグラージ]は知らんが、大人しく来てもらうぞ!!やれ!!」

っ!マズい!!

このままだと……。

ぼくは最悪の結末を覚悟した。

《シャドウ!!あなたの思い通りにはさせないわ!!》《[時]を止めようとするとは、許しておけん!!》《チェリー!!!》

ぼく達の脳内に、3つの声が響いた。

………

五分前 合流 sideシルク

「ここに来てざっと8時間………。フライ、シロさん、シードさん、私は十分休めたわ。」
「ボクも、大丈夫です。」

着いてから6時間以上眠ったから、疲れはほとんど取れたわ。

「拙者も、万全の状態だ。」

「僕もです。」「そこまでだ!!!」

私達がそれぞれに確認していると、近くから怒鳴り声。

シャドウ!?どうしてここに!?

「フライ!!」
「うん、聞こえたよ!!シャドウの声だ!!」
「シャドウ………、[水晶の湖]でおそいかかっていた輩か!?」

あの声は、間違いないわ!!

「シルク!」
「ええ、目視できたわ。ラテ君達が、拘束されたわ………。[瞑想]!! フライ、シロさん、シードさん!!」

私は3人に、精神統一しながら、3人に目を向けた。

「シルク………」
「言われなくても……」
「そのつもりです!!!」

三人とも、戦闘に意識を切り換えた。

私はフライの背中に乗り、飛びたった。


2人は出せる限りのスピードで羽ばたき、シードさんは全速力で飛んだ。

………よし、この距離なら…………。


《シャドウ!!あなたの思い通りにはさせないわ!!》《[時]を止めようとするとは、許しておけん!!》《チェリー!!!》

私達は[テレパシー]で言葉を飛ばした。

「!?何故肝心な時に限って邪魔が!?」「「「シルク!!それにフライ達まで!!」」」

私はねんじながら、前脚で鞄を探り出した。

出発する直前に完成した、[爆炎の玉]……。

これなら……。

現場の上空にたどり着くと、彼の背中から飛び降りた。

「ラテ君!!ベリーちゃん!!ウォルタ君!!」「[爆炎玉]!!」

私はそれをくわえたまま、発動させた。

一瞬光を発し、直後、私の周り…………、地上だと丁度[ヤミラミ]達を含む外側が轟音と共に業炎に包まれた。

「「「「「「「「「ぐっ!!」」」」」」」「「「「「「!!?」」」」」」

外円部からは悲鳴、内円部からは驚きの声があがった。

「シルク!?何をしたの!?」「貴様、何を!?」

ラテ君が声をあげた。

「私のオリジナル、[爆炎の玉]。相手に炎でダメージを与えると共に火傷状態にする、[不思議玉]よ……。主成分は2、4、6-トリニトロトルエン。…………シャドウにはわからないでしょうね………。この時代にはない、[過去]の技術で生成された物質だから………。」
「……とにかく、思い通りにはさせないよ、シャドウ!!」

私は手短に解説。

「貴様何者だ!?」
「いいわ。最後だから教えるわ。」
「ボク達は2000年代の考古学者だ!」
「そして、私は18代目、[絆の従者]よ!!」

私達は自分たちの身元を言い放った。

「[過去]、だと!?古人か!?………とにかく、事実を知った以上、くたばってもらうぞ!![悪の波動]!!」「[過去]!? 考古学者??」

シャドウはそれだけ言うと、黒い波を私達に向けて放った。

[ラグラージ]は……まごついているわね………。

「えっ!?わたし!?」「「ベリー!!」[悪の波動]!!」

一番近くにいたベリーちゃんがその標的となった。

ラテ君がその前に立ちはだかり、同じ技で対抗した。

同時にウォルタ君は、光を纏いながら2人の救出に向かった。

[ウォーグル]が2人を脚で掴み、空中に退避した。

「これは………、[真実]の翼で相手しないといけないみたいだね……。」「「「!!?」」」

「「えっ!!?ユーさん!?いつの間に!?」」

「ベリー、ラテ君、[ユー]なんていう人物は存在しない。ぼく自身だから。」

ウォルタ君は2人を下ろし、敵に睨みを利かせた。

「奴がひるんでいる今のうちに!![岩雪崩]!!」
「[ラグラージ]のあなたは下がってください!![リーフストーム]!!」
「御意! [ソーラービーム]!!」
「そのつもりよ!![ベノムショック]、[目覚めるパワー]、[サイコキネンシス]、化合!!」

フライは岩石を出現させ、シードさんは深緑の嵐を発生させる。

シロさんは陽光を利用した光線を放ち、私は紫と暗青色のエネルギーを合成して、濃青色の塊を作り出した。

それと同時に、超能力で岩と草を採取する。

「えっ!?でも……」
「ベリー、話は後で!!」
「!? 兎に角、この状況をどうにかしないと!![シャドーボール]!!」
「それが最善策だな!![穴を掘る]!!」
「そのようね![花びらの舞]!!」

ウォルタ君は滑空して敵の一体と距離を詰め、ラテ君は口元に漆黒の弾を作り出す。

グラスさんは地中に潜り、チェリーは花びらを散らして攻撃を開始する。

「[絆]の名に賭けて…………、以下省略!! 発散!!」「[真実]を背負う者として………負ける訳にはいかない!![シャドークロー]!!」

「「「「!?[シャドークロー]!!」」」」」
「[シャドーボール]!!」

私はエネルギーの一部を発散させて空中に跳び出す。

ウォルタ君と群れは爪に漆黒のオーラを纏って構える。

シャドウはラテ君のそれに向けて同じ技で対抗する。

「「[ドラゴンクロー]!!」」「[エナジーボール]!!」「[火炎放射]!!」「拡散!!」「[金縛り]!!」

それぞれが全力でぶつかり合う。

「くっ!」「っ!!」「!!動けない!?」

私達の技は6割が命中。

でも、まだ倒れないわね。

私は空中がら濃青色の雨を降らせ、それを操って的確に命中させる。

「そこだ!![リーフブレード]!!」「[超音波]!!」「[燕返し]!!」「[クロスフレイム]!!」「[10万ボルト]、[シャドーボール]、[瞑想]!!」

グラスさんは草の刃で奇襲を仕掛け、フライは音波で相手を惑わせる。

ウォルタ君は翼に光を纏って急降下し、シロさんはあらゆるものを燃やす業炎を放つ。

そして私は、上空から高電圧の電撃と漆黒の弾を同時に放つ。

まずは………、[ヤミラミ]から!!

「「「「ぐっ!!!」」」」

相手のうちの4体が膝をついて倒れた。

火傷に加えて守備も下げてあるから、持久戦に持ち込めば勝てるわね!!

「[催眠術]!!」

「何っ!?クソっ!!」
「グラスさん!!」

グラスが奴の技をまともに受けて眠りに堕ちてしまった。

「お前等、一斉攻撃だ!![催眠術]!!」

「「「「了解しました!![金縛り]!!」」」」

「!!?」「くっ!!」「体が!!」「動かない!!」「それくらいの技、拙者には通よりせん!!」

ベリーちゃん、シードさん、フライ、は体の自由が奪われ、チェリーを眠りに堕ちてしまった。

………やっぱり、一筋縄ではいかないわね……。

シロさん空中に退避してそれをかわした。

今動けるのは私、ウォルタ君、シロさん、ラテ君の4人。

「[恨み]!!形勢逆転だな!!」

「くっ!!」「シロさん!!もう一度[クロスフレイム]をお願いするわ[シャドーボール]、[サイコキネンシス]!!」

「御意![クロスフレイム]!!」

シャドウは動けない5人のPP、エネルギーを根こそぎ削り取った。

シロさんは再び専用技を使い、私は漆黒の弾を口元で生成した。

「[恨み]!!」
「っ!!このままだと……。」「[水の波動]!!」「[真空斬り]!!」「化合!!」

ウォルタ君は音波を載せた水塊を発射して、ラテ君が空気の刃でそれを拡散させた。

「「っ!!」」「拡散、収束!!」

水が2体を倒し、えんじ色の弾でシャドウを取り囲み、一気に凝縮させる。爆発と共に。

「ぐはっ!!」
「すまん、助かった!」
「でも、ボクはあと2回技を出せるかどうか……。」
「わたしはもう残ってないよ………。」
「状況は変わらず、わたし達の劣勢ね……。」
「僕は………もう残ってない……。」

5人は、体力的には問題ないけど、エネルギーが尽きてるのね……。

……………厄介だわ……。

「「[ナイトヘッド]!!」」

「ラテ君!!」
「ウォルタ君!!」

ラテ君に向けられた二つの技を、ウォルタ君が光を纏いながら前に立って代わりに受けた。

「大丈夫。[ウォーグル]はノーマルタイプを持ってるから効果はないよ!」
「なら、これならどうだ!![乱れ引っかき]!!」
「[金縛り]!!」
「っ!!!しまった!!」

「「「ウォルタ君!!」」」「ウォルタ殿!!」「[乱れ引っかき]!!」

技を無効化したウォルタ君は拘束され、集中攻撃を受けた。

「くっ…………、やっぱり……………[代償]の…………効果は………大きいよ………。」

彼は意識を手放した。

「くっ、[シャドーボール]連射!!」「[火炎放射]!!」

「「っ!!」」

私達はすかさず技を放ち、二体を気絶させた。

…………あとは、シャドウを残すのみ………。

「クソっ!![シャドーボール]連射!!」
「!![守る]!!シルク!!このままだと近づけそうにないよ!!」

ラテ君が緑のシールドを張りながら叫ぶ。

シャドウ、部下が全滅してなりふり構わなくなってきたわね……。

「なら、攻撃が止んだ時に一気にいくわよ!……」

そのためには、作戦を考えないと。

《なら……、まず私は技を配合して奴の守りを極限まで下げるわ。》

私はシャドウに作戦がばれないように[テレパーシー]で語る。

《攻撃が止んだら私が(おとり)になって奴の気をひくわ。》
《だが、それだと[代償]があるシルク殿が……》

シロさんがこれに反論する。

《大丈夫よ。私が気をひいている間に三人は一番威力が高い技の準備をしていて。そして、私が[ベノムショック]をしたら一気に放って!それまでには奴の守りはほぼ皆無になっているはずだから!》

私は手短に説明する。

「うん、わかったよ。」
「御意。まかせたぞ!」
「僕も、頑張るよ!」
「みんな、いいわね!いくわよ!![サイコキネンシス]、[ベノムショック]、[シャドーボール]、化合!!」

私はかけ声と共に、飛び交う漆黒の弾を拘束した。

「何っ!?」「ラテ君、ボクに乗って!空からしかけるよ!!」

シャドウは突然の事に慌てふためく。

私は藤色のエネルギー塊を生成した。

「シャドウ!! 連射!!!」「[悪の波動]!!」「?わかったよ!!」「奇襲だな!?」

私は黒と藤色の弾を同時に放った。

シャドウは私に対抗すべく、黒の波で立ち向かう。

「絶対に……くっ!…負けるわけにはいかんのだ!!」
「それはこっちもおなじよ!!」

………作戦は、成功ね。

完全に、私に意識が集中しているわ!!

「そもそも、[過去]のポケモンの貴様には関係のない事だろう!![シャドーボール]!!」
「いいえ、この時代に導かれた以上、無視はできないわ!!第一に、[無視]する行為は[絆]に反する。私の名に泥を塗ることになるわ!!」
「そんな事……っ!しったことか!!」
「っ!確かに、あなたには関係のない事でしょうね!でも、[絆の従者]としての私が許さないわ!!」

会話の途中にも、両者の技は…互いに命中する。

「[絆]、[絆]と煩わしい!!」
「! [絆]を侮辱するなんて…………、[ベノムショック]!!」

私は合図となる毒素を放出した。

これだけ命中させれば、例え[伝説]のポケモンであっても守りは無いに等しいわ!!

「今だ!![クロスフレイム]!!」「これで最後だ!![ドラゴンクロー]!!」「[シャドーボール]!!」

「何っ!?空から!? ぐっ!!…………不覚………貴様…………。」
「そうよ。あなたがベリーちゃん達にしたように、…私も根こそぎ…守りを削らせてもらったわ!![シャドーボール]!!」

作戦、成功ね!

まずフライが竜の力で切り裂き、続いてラテ君が漆黒、シロさんは業炎で攻撃。

そして私がトドメに巨大な漆黒を圧縮した砲丸を放出した。

「ぐわあああぁぁぁ!!!」

シャドウは叫び声を上げ、崩れ落ちた。

         

@ ( 2013/10/14(月) 01:23 )