絆の軌跡 〜過去と未来の交錯〜
























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巻之拾参 来たるべき明日のために
七拾六 念願の再会
西暦7000年 光の雲海 sideシルク

「シルク殿、頼んだ![火炎放射]!」「フライさん!![リーフストーム]!!」

「わかったわ!!/はい!!「[目覚めるパワー]!」」

シロさんは[トロピウス]に向けて燃え盛る火炎を放ち、シードさんは草の嵐を引き起こした。

流石は[伝説]のポケモンね。

一般のポケモンでも使える技だけど、高い威力ね。

対して、フライは悪、私は竜の弾丸を単発で、[ボーマンダ]に向けて放った。

……連戦で疲れているせいか知らないけど、なかなか倒れなくなってきたわね。

初めのうちは[ベノムショック]でも倒せたけど、今では[瞑想]を積まないと無理になってきた……。

それに、私もフライも3回、エネルギー切れを起こしてるのよ。

………つまり、ずっと戦いっぱなしってわけ。

初めは星が輝いていた夜の闇も、今では薄明るくなってきてる……。


私達は的確に技を当て、標的を墜落させた。

………やっぱり、地面がないと不便ね。

私はフライの背中の上で額の汗を拭った。

「………シロさん、大分すすんだけど、あとどのくらいで……。」
「ダンジョンにしては、長い気もするけど、あとどのくらいなのかしら?」

私達は息を切らしながらシロさんに訪ねた。

「もうすぐだ。………ほら、あの光だ。」

そう言って、シロさんは目線でそれを指した。

「はい、突入する前にあった光、覚えてます?」
「えっ、ええ。確かに、あったわね。」

光…?

あっ、思いだしたわ!

あの光ね!

「というとは、あの光が出口ですか?」

フライが期待を込めて彼に言った。

「ああ、そうだ。 その先が、[幻の大地]だ。」

「「あの先が、ですね!!」」

そうなのね!!

やっと、着いたのね。

「なら、早く行きましょう!」

もちろんよ!!

私達は、待ちに待った光に飛び込んだ。

………

幻の大地上空 sideフライ

「………ここが、[幻の大地]、ですか?」
「……地面が………、浮いてる?」

ボク達はやっとのことで難関の迷宮を突破した。

………時間にして12時間……。

もう限界だよ……。

ボク達は感嘆の声を漏らした。

「特殊な場所なんですよ。」
「そんなんですね。シルク、……、シルク?」

あれ?シルク?

「………シルク殿、………寝てますな…。」
「ずっと戦いっぱなしでしたからね。」
「……[磯の洞窟]から考えると、もう15時間以上戦ってますから……。」

後ろを見ると、シルクが寝息をたてて眠っていた。

「休まずに闘ったからな。 ………拙者達も休むとするか………。」

「「そうですね。」」

正直、ボクも疲れて身体が重いよ……。

「あの遺跡で休むとするか。」

シロさんが右翼で屋外に佇む石造りの遺跡を指した。

……そうだね。

「ウォルタ君達もまだ来てないみたいだし、そこで休みましょうか。」

うん、そのほうがいいよ。

ボク達は適当な場所に降りたち、しばしの休息をとった。

……………やっと休めるよ………。

ボクはすぐに眠りにおちた。

………

幻の大地遺跡 sideウォルタ

「うわっ、凄いよ!! 壁画がたくさんあるよ!!」
「これも、大発見だね。」

ベリーが声をあげてはしゃいだ。

確かに、ぼくも興奮するよ!

だって、遺跡だよ〜!!

考古学者としての血が騒ぐよ!

………えっ?なぜここにいるのかわからないって?

………うん、じゃあ、説明するよ。

ライルさんに送ってもらったぼく達はすぐに[幻の大地]に足を踏み入れたんだよ〜。

彼から聞いたんだけど、[幻の大地]は[時限の塔]を護るために意図的にダンジョン化されたんだって!

……確かに、侵入されて何かされたら大変な事になるもんね〜。

………あっ、その前に、[幻の大地]に来る時点でほぼ不可能だね。

シロは他の方法を知っているみたいだけど、今のところ[時の海道]を渡らないと来れないし………。

で、2、3時間かけて[幻の大地]を突破したんだ。

そして、この遺跡を発見したってわけ。

………そう、[ラグラージ]の[ラムダ]………、ぼくの父さんがいる遺跡に……。

「…………おい、行くぞ。」
「えっ、あっ、うん。ごめん、待たせたね。」

ぼくはグラスさんの呼び声で我に返った。

ぼくは慌てて後を追いかける。

「ウォルタ君、ボーッとしてるなんて、らしくないよ。」
「ラテ君、ちょっと考え事をしててね。 でも、もう大丈夫だよ〜!」

ぼくはみんなに心配をかけないように笑顔で答えた。

「じゃあ、行きましょっか!」

チェリーの元気な声と共に、ぼく達は歩き始めた。

「……………にしても、広いね。この遺跡…。」

ふと、ベリーが声を漏らした。

「うん。確かにそうだね。 調査をする甲斐がありそうだよ〜。」「…………よし。このくらいでひとまず戻るとするか。」

「これだけ大きな遺跡は見たことがないからね。」

ぼく、ラテ君も口々に呟いた。

……………あれ?

さっき、聞き慣れない声が聞こえたような………?

「……グラスさん?何か言った?」
「いや、俺は何も話してないが、どうかしたか?」

「でも、確かに聞こえた………」「ライルに心配をかける訳にはいかないからな。」

「……あっ、やっぱり気のせいじゃなかった!!」

やっぱり、聞こえたよ!!

って事は、もしかして、この声は…………、


…………父さん?

ぼくはいても経ってもいられず、声のする方へ走りだした。

ここは歴史に埋もれた土地。

だから、ここにはライルさんと彼しかいない。

…………絶対に父さんだ!!

「ウォルタ! どこに行くの!!」

幼なじみの声を聞きながら。

ぼくは四肢に力を込めて全力で走る。

…やっと会える!!父さんに!!

「……よし。戻るか。」「……!!」

角を曲がると、そこには一匹のポケモン………。

左目に大きな傷を負っていて………、首には金のリングのネックレス……………。

…………間違いない!!!

「父さん!!」

ぼくは呼べなかった13年分の思いを載せて、思いっきり声をあげた。

「!!?誰だ!?」

当然、父さんは驚きで声を荒げる。

ぼくは走り、彼との距離を詰める。

「会ったことはないけど、[ラグラージ]の[ハイド]の息子の[ウォルタ]です!!」
「!!?ハイドの!? ということは………、まさか………。」
「そうだよ!![ラムダ]さん……………、いや、父さん!!あなたの息子だよ!!…」

父さん、やっと会えた!!

「この銀のネックレス、覚えてるでしょ!!」

ぼくは首に着けていたネックレスを手に取った。

「………ということは……、本当に………。」
「うん!! 父さん、会いたかったよ!!!」

ぼくは目から温もりの光を散らして、彼の懐に飛び込んだ。

父さんーー!!!

やっと………、やっと…………。

「………ふぅ、やっと追いついた。」
「ウォルタ君、何で…………?」
「……………邪魔しないほうが、良さそうね……。」
「………そのようだな……。」

追いついたラテ君達が、黙ってこの光景を見守った。








■筆者メッセージ
ピッタリ3000文字。


フラグも全部回収できました。

あとは、あの決戦2つを残すのみ。

……とうとう「絆の軌跡〜過去と未来の交錯〜」もクライマックスです!
@ ( 2013/10/13(日) 00:40 )