弐 見知らぬ土地
????年?月??日 sideシルク
「…………ううっ。………ここは……?」
私は意識を取り戻した。フライは………無事ね。まだ意識がないけど……。
「ここは森、かしら? それにしてはさっきと景色が違うような………。」
辺りを見渡してみると、ここは木がいくつか生えていて開けた場所のようね。
でも、今まで木の生い茂った森の中にいたはずよね…?
「……っ、あれ、さっきと景色が違うような……。」
「フライ、気がついたのね。私達、どこか知らない場所に飛ばされたみたいだわ。」
「……そうかもしれないね。 とりあえず、みんなに連絡をとってみるよ。」
フライはマイクの電源を入れて、意志疎通を試みたわ。
「………ダメだ。つながらないよ。」
「私のからは確かにフライの声が聞こえたのに……。」
私以外は不通。一体どうすれば………。
「シルク、ここは森の中みたいだから、ここを抜けてみない?」
「……そうね。森を抜けたら、どこかの町には出られるはずよね。」
「うん。とりあえず、進もっか。」
私達はひとまずこの森を抜けることにしたわ。
………
森の中 sideシルク
「この森、[オレンの実]がたくさん落ちてるわね。」
「そうだね。近くに木があるのかな?」
「そうかもしれないわね。」
フライの言う通り、近くに落ちてるのはオレンの実3つ、何かのメダル数枚、赤い木の実1つ。確かに、多いわね。
「フライ、まずはここがどこなのか、地元のポケモンに聞きましょ。」
「うん。それが一番いいね。 あの人はどうかな?」
数メートル先にポケモンの影、種族はキノココのようね。
「すみません、道を聞いてもいいかし………」
私が道を聞こうとすると、
「!!?[葉っぱカッター]!!」
「「えっ!?」くっ!」
突然襲われた。普段鍛えているからそれほどダメージは受けなかったけど。
「シルク、大丈夫!?」
「ええ。びっくりしたけど、平気よ。でも、どうして……」
「[痺れ粉]!!」
「!!まただ!」「![サイコキネンシス]!! 間一髪。襲ってくるなら、仕方がないわね。」
私は受け止めた痺れ粉を打ち返した。
「シルク、このポケモン、正気を失ってるよ!」
「どうやら、そのようね。やむを得ないわ。フライ、いくわよ!」
「うん。[ドラゴンクロー]!」
麻痺状態にした後、私達は身を守る為に正当防衛の体制に入った。
フライは両手に暗青色のオーラを纏った。
「[シャドーボール]!」
私は漆黒のエネルギーを口元に溜めて放った。
フライが切り裂き、高度を上げたところに私の技が命中した。
相手のキノコこれは体力が尽きて倒れた。
「ふぅ、とりあえず危機は過ぎ去ったね。でも、どうして急に襲ってきたんだろうね?」
「確かに、気になるわね。 これは調査する必要があるわね。」
私達はこの謎を調べるために調査を開始したわ。
でも、どうして突然襲ってきたのかしら……。
………
数時間後 sideシルク
私達は調査を続けていたけど………今の状況はさすがにマズいわね。
周りにはキノココが3匹、タネボーが2匹、そして私が嫌いな虫タイプのイトマルが3匹。
不運なことに、全員正気を失っている。一体どういうことなの!?
「シルク、どうする?」
「戦うしかないわね………。フライ、ある程度倒したら隙をついて逃げるわよ!」
「OK。その時になったら呼ぶから、すぐに来て!」
「ええ、わかったわ![絆]の名にかけて、いくわよ![目覚めるパワー]、[サイコキネンス]!」
「うん。![岩雪崩]!」
私は暗青色の弾を打ち上げて、超能力でそれをたぐり寄せた。
フライは全体攻撃ね。
「[シャドーボール]!」
技を維持しながら漆黒の弾も打ち上げた。
実は私、同時に2つの技を出せるのよ。
私は2つの弾を混ぜ合わせた。
その間にフライが2、3体を倒してくれたわね。
「いくわよ!」
その弾は放たれると膨張し始めた。
私達の戦法、特殊技の配合。タイプによって効果がかわるのよ。だからかなり応用を効かせられるわ。これは私達のトレーナーが発見した反応よ。
《シルク、来て!》
通信機からフライの声が響く。
《わかったわ。今行くわ!》
私も2、3体倒した後、全速力でフライの元に走った。
私はフライの背中に乗り、しがみついた。
「シルクいくよ!」
「たのんだわ!」
フライは羽ばたき、飛び上がった。