絆の軌跡 〜過去と未来の交錯〜
























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巻之九 各地で起こる異変
泗拾七 解放されしチカラ
西暦7000年 言霊の森浅奥部 sideシルク

「ええっと、ウチらはこんな感じやよ!」

ハクが尻尾で額についた泥を拭いながら言ったわ。

ハク達、かなりの実力をもってるわね。

[アクアテール]の衝撃、[逆鱗]の威力、全力を出してないとはいえ、なかなかのものだったわ。

シリウスの[かまいたち]も良かったわね。
[影分身]も、普通は威力が分身の数に反比例するけど、彼のは普通の状態で放つのと殆ど差がなかった……。

彼も高度な技術を持っているわ。

「さすが、プラチナランクだね。 さあ、次はボク達の番だね。」

フライはそう言いながら肩をまわした。

………私も、今朝習得した[第5の技]の確認もしたいから、腕が鳴るわ!!

「うん。ぼくも[チカラ]を試したいから、ぼくは全力でいくよ〜。」
「もちろん、私もウォルタ君と同じよ! 」

私も戦意を奮い立たせたわ。

「………では、行きましょう。」

シリウスが、私達を見渡して言ったわ。

………さあ、戦闘開始よ!!


数分後 中奥部 sideウォルタ

「……よし、さっそく来たね〜。」

ぼく達が開けた場所に出ると、待ちかまえていたように[ヒトモシ]、[タネボー]、[モンメン]が姿を現した。

「相手は3体だね。タイプ的には……、ウォルタ君がいいんじゃないかな?」
「うん、ぼくもそう思ってたよ〜。[タネボー]は普段のぼくなら圧倒的に不利だけど、[第2の姿]なら……。技のイメージもできているから………。だから、ぼくにいかせて〜!」

ぼくとフライの意見が一致した。

………うん、これを試すのは初めてだけど、なんとかなるよね〜!

「うん。ウチもウォルタ君の実力が気になるよ。」
「………よし、じゃあ、いくよ〜![地震]!!」

ぼくは気持ちを戦闘に切り換えた。

ぼくは地面を踏みならすと同時に、後脚で地面を思いっきり蹴った。

……この時点で、揺れているのは元々いた場所から半径1mぐらい。

「[鬼火]!!」「「「[種マシンガン]!!」

相手も、ぼくの動きに反応して技を繰り出した。


………すごい。相手の技と動きが遅く見えるよ…………。

……これが、[真実のチカラ]……?

ぼくは全力で走って相手との距離を詰めた。

揺れが3mまで伝わった。

………相手とは7m、技とは3m。

「[水の波動]!」「「「「速い!?」」」」

ぼくは放たれた技に向けて水塊を打ちだした。

一直線に飛んでいった。

……よし、ここで!

ぼくは斜め前に跳んで、意識を集中させた。

「「「っ!」」」

ここで、相手に激しい揺れが襲いかかる。

ぼくは瞬時に光に包まれ、[ウォーグル]に姿を換えた。

この時、ぼくと相手の距離は2m。

姿が変化している最中に、ぼくの水塊が相手の技をうち消した。

ぼくは羽ばたき、虎視眈々と獲物を狙う……。

イメージ通りに技を出せば……。

ぼくは初めてだす技のイメージを鮮明にした。

相手との距離は1m………、もう目前に迫っているよ。

相手はなんとか立ちあがった。

「[翼で撃つ]!」

ぼくは滑空しながら、両翼に力を溜め始めた。

ぼくの翼が淡い光を纏始めた。

0m………、

「一発目!」
「っ!」

左翼で[タネボー]を叩きつけた。

「二発目!」
「うっ!!」

今度は右で打ちつけた。

ぼくは速度を落とさずに力いっぱい羽ばたいた。

そのまま、ぼくは高度を上げる。

…………残りは[ヒトモシ]だけ。
なら……。

元に戻って攻撃すれば………。

「[火の粉]……!」

ぼくの4m下から炎が放たれた。

……よし!

ぼくは向きを180°回転させ、再び眩い光を纏った。

すぐに変化が終了する。

「[水の波動]!」

ぼくは音波を乗せた水塊を炎に向けて放った。

炎と水の距離は1m、ぼくと水も1m……。

ぼくは重力に引かれて落下し始めた。

「もう一発!」

二発目の水塊を口元に集積………、すぐに放った。

炎が消火された。

水塊はそのまま相手に迫る。

……この姿では着地ができないから、また光を纏った。

「っっ!!!」

効果は抜群、他の2体体と同じように崩れ落ちた。

ぼくは羽ばたき、両足で着地した。

「………よし、なんとか[チカラ]をコントロール出来るようになったよ〜。」

ぼくは翼をたたんで一息ついた。

「ウォルタ君、すごいやん!」
「………目で追うのが大変でしたよ。」
「ボクと同等かもしれないね。 ……油断すると抜かれるかも………。」
「確かに、フライのスピードといい勝負所だったわよ。 ………ウォルタ君、あなたは完全に[チカラ]が馴染んだのね?」

みんながぼくを評価してくれた。

……ちょっと照れるよ〜。

「うん。だからこれからはダメージには気をつけないといけないね〜。」

[チカラ]が馴染んだってことは、[代償]も馴染んでるはずだから……。

でも、このスピードがあるから大丈夫だよね?

ぼくはひとり、堅く胸に誓った。


数分後 sideシルク

ウォルタ君、完全に[チカラ]が馴染んでいるわね。

変化にかかる時間も短くなってるし、素早さも格段に上がっていたわ。

……私はどうかまだわからないけど、少なくとも[第5の技]は馴染んでいるわ!

練習次第で、強力な技に派生することが可能だから、第一段階は突破したわ。

私はまだ[電気ショック]だけど、いつか[エレキボール]を使えるようになりたいわ!

……さあ、ここで話に戻りましょうか。

私達は順調に進み、ハク達の依頼も半分終わったわ。

そして、再び開けた場所に出て………。

「今度は5体やな。」
「………種族は[プルリル]、[デスマス]、[フシデ]、[ガーメイル]が2体ですか……。」

5体の熱烈な歓迎……、でも、[ガーメイル]2体は厄介ね……。

「……シルク、ここはボク達の出番だね?」
「えっ、ええ。そうね。じゃあ、いつも通りお願いね!」

私は相手との位置関係を確認し、フライに目で合図を送る。

「もちろんだよ!!」

フライが私を見て大きく頷いた。

私も頷く。

「……[絆]の名に賭けて……、いくわよ!![瞑想]、[サイコキネンシス]、[シャドーボール]!」
「[岩雪崩]!」

私のかけ声と同時に、フライは相手との間に大量の岩石の雨を降らせた。

その間に私は技の準備をする。

集中をいじめしながら、口元に漆黒のエネルギーを蓄積させる……。

完成すると、超能力でそれを拘束した。

その後私は超能力を維持しながら、

「「[目覚めるパワー]!!」」

フライと同じ技を出した。

フライは紺、私は暗青色。

「えっ!?2つの技を同時に!?」

岩石の雨が止む頃には、私の周りに黒、紺、黒青色のエネルギー塊が漂う。

「さあ、ここからが本番よ!!」
「[目覚めるパワー]連射!!」

私は接近しながら漆黒のエネルギーに意識を集中させる。

フライは低空飛行しながらいくつもの紺色の弾を放つ。

その数、1秒あたり4発。

この時まで、相手は岩石に阻まれて行動できなかったわ。

私は地面を蹴って跳びあがり、

「発散!!」

漆黒の弾を使って上昇気流を発生させた。

案の定、私は上空に投げ出される。

「「「「「!??」」」」」

フライの技が到達し、相手が慌ててかわす。

………これは想定内。

「悪と竜で……、化合!」

相手がフライに気を取られている間に、私は深青色の弾を2つ生成する。

〈フライ!!離れて!!〉
「OK!」

私はフライだけに念じた。

彼はすぐに上昇する。

私は彼が動き始めたのを確認すると、2つの弾を放って衝突させた。

すると、核分裂の要領で増殖をはじめた。

2、4、8、16、32………。

「………すごい数……!」

深青色の雨………、混乱作用を秘めたダメージのない小球が降りそそぐ。

「シルク、背中に乗って!!」

〈わかったわ!!〉「「「「「!!??」」」」」

私のちょうど真下にフライが移動し、私を受けとめる。

その間に、ダメージのない弾丸が相手を襲う。

5体中3体が混乱した。

[ガーメイル]が2体とも、平行感覚を失って墜落した。

「フライ、私を[プルリル]の上空に運んでくれるかしら?」
「わかったよ![超音波]!!」

フライは私の言葉を聞くとすぐに応じてくれた。

音波と共にフライは旋回する。

「ここでいいかな?」
「ええ!助かったわ!」

2秒と経たないうちに標的の真上についた。

私はフライの背中から飛び降りる。

今、私の相手の上空8m………。

「[目覚めるパワー]!」「実戦で使うのは初めてね……。私の[第5の技]………、[電気ショック]!!」

私は体内の静電気を溜め、一気に放出する。

「「「「えっ!?[電気ショック]!?」」」」

あちこちで驚きの声があがった。

私の電撃は一直線に飛び、[プルリル]に命中、崩れ落ちた。

「拡散![シャドーボール]!!」

私は留めていた弾とともに、いくつもの小球に拡散させた。

私はそれらを[デスマス]を取り囲むように操り、

「???」
「収束!!」

中心に向けて小球を凝縮させた。

「っっ!!!」〈フライ!あとは頼んだわ!!〉

「あっ、うん![銀の針]で……、[ドラゴンクロー]!」

[デスマス]は崩れ落ち、私は華麗?に着地した。

フライはポーチから[銀の針]を2つ取り出し、手元に暗青色のオーラを纏った。

「これで最後!!」

フライは急降下し、

「一体目!!」
「っ!」

左、

「二体目!!」

右、

「最後、三体目!!」

左、

瞬く間に相手を相殺した。

「ふぅー。とりあえずおわったね。」
「そうね。 私も、試せて良かったわ。 はい、フライ。」

私は一息ついてから彼に[林檎]と[オレンの実]で作ったドリンクを手渡した。

………正確には、[サイコキネンシス]でね。

「シルク、ありがとう。」

フライはそれを一気に飲みほした。


@ ( 2013/09/06(金) 01:09 )