絆の軌跡 〜過去と未来の交錯〜
























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巻之九 各地で起こる異変
泗拾参 明星
西暦7000年 海岸 sideシルク

第5の技……、まだ馴染んでないから難しいわね。

あれから5回くらい試したけど、まだ1回しか成功してないわ。

……やっぱり、2日以上経たないと馴染まないのね。

「そういえばシルクさん?[エーフィー]は電気タイプの技を使えないと思うんですけど、どうしてシルクさんは使えるんですか?」

私が一息ついていると、ブルー君が不思議そうにきいたわ。

「……最近気づいたばかりだけど、実は私、ちょっとした特異体質なのよ。まだ完全にコントロール出来ないけど、使えるみたいなのよ。」

[従者のチカラ]の事は言えないから、とりあえずこうしておこうかしら?

[チカラ]はいわゆる特殊能力みたいなものだから、これでいいわよね?

うん、そうしておきましょ!

「特異体質、ですか?」
「ええ。私の場合、普通では使えないタイプの技を少しだけ使えるのよ。………そのかわりに、私には出来ない事もあるけどね。」

私は、道具では回復出来ないから、 注意が必要…、捨て身の攻撃が出来ないわ。


「…………いろいろ大変なんですね。」
「………そうなるわね。………………?」

ブルー君は納得したように答えた。

私は、続きを話そうとしたけど………ん?

波の音が乱れてる……。

私は音を乱れを察知するため、目を閉じ、耳に意識を集中させた。

……………、何者かが水中からここに近づいているわね……。

水の中だから、位置は分からないけど、おそらく1匹。

私はここで目を開けた。

「……シルクさん、どうかしたの?」

私の様子を不審におもって、シズクちゃんが不思議そうに聞いた。

「水の中から何者かがここに近づいているわ。…………2人共、危ないから海から離れて!」

私は声が掠れないように注意しながら、やや強めに警告した。

「えっ?はい。シズク、シルクさんの言うとおり、離れよう。」

ブルー君がシズクちゃんを安全な場所に誘導する。
……これで2人は大丈夫ね。

2人の様子を確認すると、私は再び水面に目を向ける。

………ここから大体10mぐらいの所に細長い影……、やっぱりポケモンだったわね。

………5m、

「[瞑想]!」

私は襲撃に備えて精神を研ぎ澄ます。

………3m、

影が水面ギリギリに迫る。

…………2メー…………

ザバッ、

……トル、

水しぶきをあげて細長い影が水面から姿を現した。

「ふぅー、やっと着いたー!」

全体的に青と白で、四肢がなくてスラッとした体型……。

このポケモンは………、

「[ハクリュー]……?」

私はそのポケモンの種族を口にした。

「日の傾きからすると………、うん、予定通りやな。」

私より高い声で[ハクリュー]は青空に輝く太陽を見て言ったわ。

声からすると………彼女は一体……。

私達、3人は目が点となった。

「……あっ、驚かしてごめんなさいね。早速で悪いんやけど、ここって[トレジャータウン]であってますよね?」

ハクリューが太陽に負けないぐらいの笑顔で私達に聞いた。

「えっ、ええ、あってますけど、あなたは?」

私は彼女に質問を返した。

「ウチは[ハクリュー]のハク、探検隊“明星”のリーダーを務めているわ。………あなたのほうは?」

探検隊なのね。

リーダーということは、他にもメンバーがいるのね?

「私は見ての通り[エーフィー]のシルク、考古学者よ。よろしくお願いしますわね。」

私は右前脚をつきだした。

「よろしくお願いしますね。」

彼女は尻尾で応じたわ。

ハクさん、よろしくお願いしますわね!

「ところでシルクさん?ウチは[プクリンのギルド]に行きたいんやけど、場所わかりますか?」
「[ギルド]なら、そこの道を道なりに進んだ先にある丘の上よ。行けばわかると思うわ。」

ギルドは特徴的な建物だから、すぐにわかるわね。

…………正直センスを疑うけど……。

「ありがとー、助かりました。じゃあ、ウチは仲間と合流する予定やからこの辺で行きますわね。」

ハクさんはぺこりと頭を下げた。

「どういたしまして。」

私は笑顔で答えた。

ハクさんは、彼女の仲間と合流するために海岸をあとにした。


………

数十分後 海岸 sideフライ

「シロ、この辺でいいかな〜?」
「この海岸だな?」

ボク達は雑談で盛り上がりながら、空の旅を楽しんだ。

今までに見た景色とか、街とか………。

やっぱり、シロさんとは話があうよ!

「うん!シロさん、海岸だけど大丈夫ですか?わたしと同じで炎タイプでしょ?」

ベリーちゃんが心配そうに聞いた。

「心配無用だ。拙者の身体は丈夫な故、少し濡れたぐらいでは何の影響もないんだ。さあ、着陸するぞ。」

シロさんはそう言うと、そのまま高度を下げ、地に脚をつけた。

ボクもシロさんに続く。

シロさんは背を低くして、4人を下ろした。

「シロさん、今日は助けてくれてありがとうございます。助けがなかったら、僕達は全滅していたと思います。」

ラテ君が見上げて言った。

たぶん、ボク達では間に合わなかったかもしれないね……。

きっとウォルタ君が事前に知らせてくれていたのかな?[真実のチカラ]で……。

「礼を言われるほどではない。拙者は偶然近くにいただけだからな。だけど、その気持ちは素直に受けとっておくとするか。」

シロさんは口元を緩めて言った。

やっぱりシロさん、威厳があるよ……。

同じドラゴンタイプとして憧れるよ……。

「では、ウォルタ殿達と話ができた事だし、拙者はこの辺で失礼するか。」

それだけ言うと、シロさんはボク達一人一人と目線をあわせてから飛びたった。

風圧で砂が舞い上がる。

砂埃が晴れた頃には、もうシロさんの姿はそこにはなかった。

「………さあ、僕達はブルー君達に[水のフロート]を届けよっか。」
「うん、そうだね〜。」
「少し遅くなったけど、無事に見つかってよかったね。」

ボク達は頷き、海岸から交差点のほうに向かった。

………

ギルドB1F sideラテ

「ブルー君、シズクちゃん、おまたせ!」

階段を降りると、ベリーが真っ先に2人……いや、シルクを含めて3人のもとにかけていった。

「あっ、ラテ君にベリーさん、それに皆さんも、今日は本当にありがとうございます!」「その様子だと、見つかったのね。」

ブルー君はラテ君から[水のフロート]を受けとると、涙を流して喜んだ。

…………本当に大切な物だったんだね?

「うん。ボク達では間に合わなかったけど、シロさんが助けてくれてね。」
「えっ?シロさんが!?」

シルクは驚いて声が掠れた。

「シルクさん、大丈夫ですか?」

ブルー君が心配そうにシルクの顔を覗き込む。

「ええ、ちょっと掠れただけだから、平気よ。」

シルクは喉の痛みで顔を歪めながらも、何とか笑顔で答えた。

本人は大丈夫って言ってるけど、本当に痛そう……。

「よかった。」

ブルー君はシルクの言葉を聞いてホッと肩をなで下ろした。

………

食堂 sideシルク

「……えー、今日は嬉しいお知らせが1つある♪」

いつもの連絡で、1日の締めくくりの夕食が始まったわ。

どんな知らせなのかしら?

「いい知らせって、何なの〜?」

フラットさんの言葉を聞いて、ウォルタ君が聞いた。

「今日から、一組の探検隊の方に助っ人として加わってもらうことになった♪お二人共、こちらにどうぞ♪」

フラットさんが入り口の方に向かって声をあげた。

一体誰なのかしら?

入り口から二つの影……。

1つ目は……、

「えっ!?ハクさん!?」「シルクさん、なぜここに!?」

[ハクリュー]のハクさ……えっ!?

もしかして、助っ人って、ハクさん達なの!?

私は思わず立ちあがった。

「あれ?シルク?知り合い?」「お二人共、知り合い何ですか♪」

フライとフラットさんがほぼ同時に声をあげた。

「ええ。フライ達が帰ってくる少し前に、ここの場所を聞かれたのよ。」
「シルクさんにはお世話になったのよ。にしても、こんなことろで再会出来るなんて思わんかったわー。 あっ、ウチは[ハクリュー]のハク、チーム“明星”のリーダーを務めているわ。」

ハクさんは凄く明るい声で自己紹介したわ。

元の時代に、似たような感じの親友がいるわ。

………どこか重なるところがあるわね……。

「…………自分は、[アブソル]のシリウス、よろしくお願いします……。」

ハクさんとは対称的に、[アブソル]の彼………シリウスさんは控えめに挨拶。

さっきからあまり喋ってないから、控えめな性格なのね?

ハクさんはこの人と合流する予定だってたのね?

「そういうことやから、よろしくお願いしますね!」

ハクさんが代表…………と言っても2人だけど…………して挨拶したわ。

こちらこそ、よろしくお願いしますわね。


■筆者メッセージ
[ハクリューのハクと、アブソルのシリウスは318さんから提案していただいたキャラクターです。

少し設定を変えさせてもらいましたが、この場を借りてお礼を言いたいと思います。

318さん、ありがとうございます。
@ ( 2013/08/31(土) 02:28 )