絆の軌跡 〜過去と未来の交錯〜
























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巻之八 黒の有識者
泗拾壱 VS雷撃一族
西暦7000年 エレキ平原中間地点 sideウォルタ

「………うん、この辺なら休めそうだね。」
「そうだね。でも、早くしないと雨が降り始めるからあまり長くはいられないね。…………雷も鳴ってきたし……。」

ラテ君、ベリーの順番に、空を見、あたりを見渡していった。

確かにね。ラテ君は影響はないけど、ベリーは雨、ぼくは雷に弱いから、のんびりしてられないよ。

………おまけに、ありったけ持ってきた[爆裂の種]も残り5つ、[鉄の棘]は10本………。
ちょっと使いすぎたかな?

これがなくなったら攻撃手段が無くなるから、節約しないといけないね……。

技を使わない[通常攻撃]もあるけど、返り討ちに遭うリスクもあるし……。

「………2人とも、もう行ける〜?」

ぼくは早々と2人に聞いた。

シロとも待ち合わせしているし、待たせる訳にはいかないからね。

「わたしは大丈夫だよ!ラテは?」

ベリーはラテ君のほうを向いた。

「体力も回復できたから、僕もいいよ。ウォルタ君は?」

ラテ君は笑って聞いた。

「ぼくは技を使ってないし、ダメージを受けてないから、何時でも行けるよ。
……じゃあ、行こっか〜。」

ぼくも笑顔で答えた。

「「うん!」」

2人は声を揃えて、歩きはじめた。

あと少し、頑張ろう!



…………そういえば、中間地点に着く少し前ぐらいから、相手の動きがだんだん遅くなってきたような……………。

………気のせいだよね?

………

奥地 sideラテ

「[守る]!」
「[炎の渦]! ウォルタ、そっちにいったよ!」
「うん!わかったよ〜!」

僕が前にたって緑色のシールドを張り、その後ろからベリーが相手を拘束する。

これはいつもの戦法。
ベリーとの連携も完璧だよ。

ウォルタ君は、[ルクシオ]の追撃をかわして[惑わしの種]を投げた。

「[シャドーボール]!」「[火炎放射]!」

僕は炎の壁に漆黒の弾を放ち、ベリーはウォルタ君に攻撃を仕掛けた相手に奇襲攻撃をした。

「「っ!!」」

僕達の技は命中、二カ所で崩れる音がした。

……よし、倒したね。

「ふぅー。とりあえず、一段落だね〜。」

ウォルタ君が額の汗を拭いながらいった。

「うん。  そういえばウォルタ?素速さが上がってたけど、[駿足の種]でも食べた?」

ベリーが[PPマックス]を飲み干しながら言った。

言われてみれば、そうかもしれないね。

命中したかと思った[10万ボルト]を紙一重でかわしていたし、さっきだって追撃を簡単に避けていたから。

「ううん、ぼくは何も食べてないよ? ………きっと、前からの練習で素速さが強化されたからじゃないかな〜?」

ウォルタ君は、少し考えて、一度頷いてから答えた。

「この1ヶ月間、ウォルタが先陣をきっていたからね。きっとそうだよ。」

ベリーも頷いて言った。

「きっとそうだね。」

うん、絶対にそうだよ!

僕達は、あと少しと思われる目的地を目指してまた歩きはじめた。

………

最奥部 sideウォルタ

「ここが一番奥かな?」
「たぶんそうだね。」

あれから2、3回闘ったよ。

ぼくは極力道具の消費を抑えたけど、それぞれ1個ずつを残して全部使っちゃったよ。
でも、もう一番奥に着いたし、何とかなったね。

…………ん?

「………あれって、もしかして[水のフロート]じゃないかな〜?」

少し離れた所に、何か光る物が………。

「うん!絶対にそうだよ!ラテ、ウォルタ、早く拾って届けよ!」

ベリーが太陽のような笑顔で目的のものめがけて走った。


その時、

ピカッ!

「「「うわっ!!」」」

突然の雷鳴。

な………

「誰だ!ここに何をしに来た!!」

……に!?今の!?

それに、この声は一体どこから!?

[テレパシー]じゃ無さそうだし………。

「何をしにって、ただ僕達は落とし物を………」
「問答無用だ!立ち入ったからにはくたばってもらうぞ!!」

ラテ君の言葉を遮って声が割り込んで、一匹の[ライボルト]が姿を現した。

「ちょ、ちょっと待って!!わたし達は………」「全員でかかれ!!」

「やられる前に殺る、」
「それが俺達の」
「モットーだ!!」

刹那、たくさんの[ラクライ]が……………えっ!?ヤバくない!?

「ベリー、ウォルタ君、これは戦うしか無さそうだよ!!」
「そうみたいだね!」
「でも、完全にぼく達が不利じゃない〜!?」

ぼく達は背中あわせになった。

今の状況は完全に四面楚歌……、おまけにぼくには殆ど攻撃手段が残ってない。

…………一体どうすれば………。

「「「「「[放電]!!」」」」」

四方から高電圧の電撃が放たれた。

っ! 逃げ場がない!!

「[守る]!!」「[炎の渦]!」

電撃が到達する前に、ラテ君がぼく達の周りにシールドを張り、ベリーがその外側に炎の壁を張り巡らせた。

「ウォルタ君、今のうちに地震をお願い!!」

ラテ君が大声でいった。

緑のシールドに少し亀裂が入った。

「ごめん!ずっと黙ってたけど、今日は訳があって技が出せないんだ!」
「えっ!?技が出せないってどういう事!?」

「今は話せないよ……。」「ベリー!ウォルタ君、もう保たないよ!!」

ぼく達が言い争っている間にも、亀裂が徐々に広がる。

破られるのも時間の問題………。

まさに絶体絶命………。

……………もっと道具を用意しておけば良かった………。

ぼくの脳内に後悔の言葉がよぎった。

ラテ君、ベリー、………本当にごめん………。

………

同刻 エレキ平原最奥部上空 sideシロ

「……やっぱり、旅はいいものだな。」

拙者は1人、風を切りながら呟いた。

………?そうだ。

読者の方々、お初にご挨拶し申し候。

拙者は[真実の使者]、[レシラム]のシロと申す。

以後、宜しくお願いし申し候。

堅苦しい事は嫌いな故、普段の話し方に戻させてもらおう。

拙者はウォルタ殿と合流するため、[エレキ平原]の最奥部に向かっている。

常に雷が鳴っていて、若干乾燥した地域として有名だな。

………雷といえば、クロを思い出すな。

確か、前に会ったのは[終焉の戦]の時だから………、2000年前になるな。

彼はこの時代では覚醒しているのだろうか…。

今度あそこに………

「「「「「[放電]!」」」」」

…行ってみて……?

地上から、幾つもの声がこだました。

……地上?

拙者は眼下を見下ろした。

「[守る]!!」「[炎の渦]!」

拙者が確認すると、何体もの[ラクライ]が3匹を取り囲んで電撃を放った。

「中の三体は………[イーブイ]に、[アチャモ]、それに[ミズゴロウ]………。………!?[ミズゴロウ]!?もしかすると、ウォルタ殿!?」

ここが待ち合わせ場所だから、確実………。

このままではウォルタ殿とあの2人が危ない!!

…………久しぶりに技を使うな……。

「[クロスフレイム]!!」

拙者は超高温の炎を口元に溜め、取り囲む標的に向けて拡散させた。

戦場に炎の雨が降り注ぐ。

「「「「「「!!?」」」」」「えっ!?今度は何!?」

「「「「っ!!」」」」「炎!?しかもわたしのとは比べものにならないぐらい強い!?」

「一体誰が〜!?」「1000年ぶりの技だ………。流石に威力が落ちるな……。

拙者は純白な翼を羽ばたかせ、大地に降りたった。

「ウォルタ殿、無事かな?」

「シロ!助かったよ〜!」「うわっ!凄く大きい!それに、威圧感が尋常じゃない!?」

「お仲間の方々も大丈夫そうだな?」「炎タイプの………ポケモン……、なの?種族………わからないよ……。」

ウォルタ殿の仲間の方々が、呆然と立ち尽くしている。
突然の登場だったから、驚かせたかもしれないな。

「うん!シロのおかげで無傷で済んだよ〜!」

ウォルタ殿が見上げて言った。

「………ウォルタ君?この人の事……、知ってるの?」

イーブイがウォルタ殿に、ゆっくりときいた。

「うん。昨日知りあったばかりだけどね。」
「申し遅れたが、拙者は[レシラム]のシロ、以後宜しく頼む。」
「えっ!?[レシラム]って、もしかして………[英雄伝説]のドラゴンポケモン!?」

アチャモが驚いて声を張り上げた。

「うん。ベリー、あってるよ〜。」
「でも、どうしてウォルタ君が伝説のポケモンと知り合いなの!?」

今度はイーブイがウォルタ殿に質問。

「ちょっと訳があってね。時が来たら話すよ〜。」
《シロ、今はぼく達の関係を黙っておいて。まだ話してないから〜。》

ウォルタ殿が話し終えるとすぐに、拙者の脳内に声が響いた。

………完全にコツを掴んだようだな。

〈御意〉

拙者は[真実のチカラ]でウォルタ殿に伝えた。


今は伏せておくのだな?

了解した。


@ ( 2013/08/24(土) 02:17 )