絆の軌跡 〜過去と未来の交錯〜
























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巻之八 黒の有識者
泗拾 技無き猛攻
西暦7000年 エレキ平原 sideウォルタ

「ここが、[エレキ平原]かな?」

ぼく達はブルー君に頼まれて[エレキ平原]に来たんだけど………、

「そうかもしれないね。…………でも、雨が降り始めそうだよ…。わたしは、雨はちょっとね…」

空は雨雲でまっ黒。たぶん雷雨になるね。

ぼくは雨は好きだけど、ベリーは炎タイプだからね……。

「うん。(ベリーのためにも)早めに行こっか〜!」
「そうだね。僕も、毛が濡れると乾くのに時間がかかるから、急いだ方がいいね。」

ラテ君の毛は長いからね。
たぶんぼくも、[ウォーグル]の姿だと同じかもしれないね。

ぼく達は足早にダンジョンへと足を踏み入れた。


数分後

「えっ!?ここのダンジョンって電気タイプが中心だったの〜!?」

ぼく達は入ってから2体に遭遇したんだけど……

「そうかもしれないよね。さっきから[コリンク]とか[ラクライ]しか見かけないもんね。」

ベリーが、相手に睨みを利かせながら言った。

「そのようだね。[神秘の守り]!」

ラテ君が技を発動させると、ぼく達は薄い光に包まれた。

これなら、麻痺状態になることはないね。

「「[電気ショック]!」」
「ラテ、ウォルタ、きたよ![炎の渦]!」

相手は、ぼくにとっては脅威となる電撃を放った。
………絶対にくらいたくないね。

ベリーは、ぼく達の前にたって炎の塊を打ち出した。

すぐに相手を取り囲んで、行動範囲を狭めた。

ベリー、強くなったね。

「[シャドーボール]!」
「ぼくは[爆裂の種]で……。」

燃え盛る炎にラテ君は漆黒の弾を放った。
ぼくは鞄から種を取り出して、そこに向けて投げた。

弧を描いて、炎の中に入っていった。

すると、炎の熱と衝撃で、赤の壁の中で爆発した。

これはフライから教わった戦法。

いつもは種だけだけどね。

「うわっ、凄い威力。」
「ぼくもあんなに強い爆発は初めてみたよ〜。なにしろ、炎に投げ入れるのは初めてだからね〜。」
「たぶん、炎で威力と増したと思うよ。」

きっとそうだね。

ラテ君は一息ついて呟いた。

「かもしれないね〜。」
「うん。バトル一発目は上手くいったし、先に進もっか?」

ベリーはぼく達のほうに振りかえって言った。

「「うん!」」

ぼく達は頷きあった。

今のは準備運動だね。

ベリーのかけ声と共に、ぼく達は奥地を目指して歩みを進めた。

…………技が使えなくても何とかなりそうだね。

………

中奥部 sideウォルタ

「[火炎放射]!」「[シャドーボール]!」

2、3回ぐらい[モンスターハウス]に入っちゃったけど、ぼく達は今のところ無傷。

ベリーは燃え盛る火炎を放ち、ラテ君は漆黒の弾を2発、火炎に向けて発射した。

「シルク達みたいにいくかなー?」
「さっきのは今までで一番、タイミングが合ってたとおもうよ〜!」

技を出し終えたラテ君が期待を込めて赤と黒のエネルギー塊を見つめた。

実は、2人はシルクの合成技の練習を前からしていたんだよ。
シルクが言うには、タイミングさえ合えば誰でも出来るらしいんだよ。

…………一秒、1cmでもずれると失敗するみたいだけどね……。
やっぱり、高度な技なんだね。

話に戻ると、二色のエネルギーは相手との丁度中間点で重なった。

「あっ!上手くいきそうじゃない!?」

ベリーが弾んだ声で言った。

「うん!僕もさっきのは手応えがあったよ!」

ラテ君も、技の結果を見守った。

二色のエネルギーは、重なってから混ざり…………



…………あわなかった。

[シャドーボール]は、完全には炎に収まりきらず、何事もなかったように両者は相手に命中した。

「………やっぱり難しいね。」
「でもベリー、タイミングは合ってきたからあと少しだよ!」

ラテ君は、失敗して気を落としているベリーを励ました。

「そうだよ〜。練習さえすれば何とかなるよ!だから、頑張ろ!」

ぼくも、ベリーに優しく声をかける。

タイミングが合ってきたから、もうすぐ出来るようになるよ!

「うん、そうだね!」

ぼく達の言葉で、沈んでいたベリーは再起動。
いつもの笑顔が戻った。

「気を取り直して、次いこっか。」
「うん。」

ラテ君、ベリー、頑張ろう!



数分後

《ウォルタ殿、聞こえるかな?》
「ん!?」

群がっていた相手を倒して一息ついていると、ぼくの頭に声が響いた。

………この声って………シロ?

《突然ですまないな。[真実のチカラ]を利用して話しかけている。 ウォルタ殿も、話したい事を念じれば話せるはずだ。》

[チカラ]で……?

あっ、そういえば前にシルクが言ってたっけ?

これが、[繋がり]なのかな?
念じればいいって言ってたけど………、

〈……こう、かな?〉

これで、出来るのかな?

《ああ、それで出来ているぞ。ウォルタ殿、筋がいいですな。》

〈本当に〜?〉「あれ?ウォルタ君?」

《簡単だろ?ウォルタ殿、拙者は貴方と合流したいのだが、どこにいますのかな?》「ぼーっとしてどうしたの?」

合流ね……。
うん。直接会って話がしたいし、ちょうどいいね!

《[エレキ平原]だよ〜。》「ウォルタ?聞いてる?」

「えっ!?」

ぼくは突然、肩をたたかれてとびあがった。

…………ビックリした〜。

「ぼーっとしてたけど、どうしたの?」《[エレキ平原]か。なら、その奥地で合流しようか。》

ベリーが不思議そうに聞いた。

「ごめん、ちょっと考え事をしてて……。」
〈奥地だね?うん、わかったよ〜。じゃあ、そこで会お!〉
《御意》

奥地だね?わかったよ〜。

「なら、安心したよ。でも、今日のウォルタ、何か変だよ?技、一回も使ってないし……。」

ベリーがぼくに聞いた。

いたいところを突くね……。

「そういえば、そうだね。どうしたの?」

話そうか……、でも、…………。

「たまには、道具を使った戦法も試してみようと思ってね。」

まだ完全に[チカラ]は馴染んでないから、言うわけにはいかないね……。

素早さが上がるはずだけど、まだその様子はないし……。

「だから、次はなにを試そうか考えていたんだよ〜。」

ぼくは笑顔をつくって答えた。

…………嘘をつくのは心苦しいけど、仕方がないよ………。

「へぇー、そうだったんだね?」

ベリーが目を輝かせて言った。

…………。

「技を使えなくなった時の対策だね?」

ラテ君が期待を込めて言う。

「えっ、ああ、うん、そうだよ〜。」

とりあえず、そういう口述にしておこうか……。

「うん。ウォルタ君も大丈夫そうだし、行こっか。」

ラテ君は、気を奮い立たして言った。

@ ( 2013/08/23(金) 00:39 )