絆の軌跡 〜過去と未来の交錯〜
























小説トップ
巻之七 真実とは
参拾伍 チカラと代償
西暦7000年 真実の頂5合目神社 sideウォルタ

「…………話は以上だ。」

まさか、昔にあんなことがあったなんて………。

これが、隠された[真実]……?

…………えっ?でも、おかしくない!?

シルクとフライはともかく、母さんやラックさんは進化してるよね?

「……ねえ?シロさん〜?進化出来なくなったって言ってたけど、どうして進化してる人がいるの〜?」

話と事実が矛盾してるよね?

「……世界は壊滅的な被害を受けたといったが、戦火を免れた所が少なからず存在する。そこでなら進化が可能だ。」
「父さんが進化したのはそこだったんだね?」

シロさん、わかったよ。
ルアン君も納得って感じで言った。

………あっ、シルクがノートに書く音が止まったね。

「…………、よく考えたら、私達にとっては3000年先の未来の事だから、聴いても何もできないわね。」
「言われてみればそうだね。ボク達はその事に関して何もできないしね…。」

そっか。シルクとフライにとっては未来の話だもんね。

「………、ウォルタ殿、シルク殿、貴方達に渡しておくものがある。」

「えっ!?ぼくに?」「ウォルタ君はともかく、私にも?」

渡すもの?一体何何だろう?

「ああ。まずは[英雄]には欠かせない物だ。」

それだけ言うと、シロさんは右手?右翼って言ったほうがいいのかな?……、をつきだした。すると、そこに光が集まって………、うーん、高すぎてよく見えないよ………。

「シロさん、ウォルタ君に渡す物って、宝具の[真実の証]よね?」

[真実の証]………? あっ、そういえば、遠征の時にシルクが言ってたっけ?

「如何にも。」
「[真実の証]……。シルクから聞いているよ。シロさんと、どこにいても話せるんだよね?」

[テレパシー]みたいなものって言ってたよね?……確か……。

「その通りだ。……それ以外にも特別な[チカラ]が授けられる。………」

「「「「[チカラ]?」」」[賢者]と同じようなものかしら?」

ぼく、シルク、フライ、ルアン君が声を揃えた。

「そうだ。だが、特殊な[チカラ]故に[代償]もある。」[利点]はすぐわかるとして、[代償]から話そうか。」

シロさんは白い布?を持って言った。

「[代償]………つまり、それがないとつりあいがとれないということですね?」

フライがまとめた……のかな?………。

[代償]って事は、ぼくにとってはマイナスの事だろうな………。

「そういう事だ。………一つ目は………」

……いくつかあるって事なのかな………。

「…………使える技が4つから2つになる………。」
「えっ!?技が………!?」

嘘………でしょ?

ぼく達、ポケモンは4つの技を使えるのに……、半分に……?

それだけ[チカラ]が強大ってこと?

シロさんは言葉を続ける。

「2つ目は、守りが弱くなる。………以上が[チカラ]の[代償]だ。」
「技が制限されるって、デメリットが大きすぎない?」
「ルアン君、確かにそうよね。」

守備まで!?

「そんなに……。」
「だが、[利点]の効果も強大だ。一つ目は、守りが弱くなる代わりに、素速さが格段に向上する。」

素速さが?

「ってことは、守りを捨てて素早くなるってこと〜?」
「そうなるわね。」

守りを……ね……。

「2つ目は…………、口で言うより、直接身に着けた方が早いな。ウォルタ殿、[チカラ]と[代償]、これらを踏まえてこれから貴方に起こる現実を受けいれる[覚悟]はあるか?」
「えっ!?どういうこと〜!?」

「…………、そういう事ね…。」「非現実的的な事が起こる、とだけ言っておこうか………。」

非現実的な事?

気になるけど、使える技が減るし………。

何が起こるのか不安だけど、ぼくは[真実の英雄]………知る義務がある……。

たぶん、ぼくの前の人たちも受け入れた………。

[チカラ]と[代償]…………。

…………………………………………。

…………………………………………よし!!

「……………、うん!受けいれるよ〜!ぼくは[真実の英雄]に任命されたんだ!だから、何があっても[後悔]はしないよ!!」

ぼくは自分に言い聞かせた。

ぼくは[真実の英雄]………、現実を受け入れないと!!

「御意。では、着けてもらおう。」

シロさんは身をかがめて、ぼくにその白い布を手渡した。

「ウォルタ君、スカーフみたいに、首に着けるのよ。」
「首に?うん。」

ぼくはシルクに言われた通り、自分の首に[英雄の証]を着けた。

一瞬の事だけど、ぼくには何時間にも、何日間にも感じられた。

「………、シロさん、着けたよ。」

ぼくは再び目線を上にやった。

「………なら、目を閉じ、心を無にするといい。………全てがわかる。」

ぼくは頷いた。

目を閉じて………………、心を、無に………。

……………………………………。

「「ウォルタ君!?」」

…………何だろう……………、この感じ………………。

身体が……………殻から………………解き放たれるような………………。

………………身体が……………、軽い……………。

………力が………………溢れてくると言うか……………、漲ると言うか…………、不思議な感じ…………。

「………うそ……でしょ?夢…………だよね………?」

暗闇からルアン君の声がした………。

「ウォルタ殿、目を開けてみるといい。」
「…………、うん。」

ぼくはシロさんに言われて、ゆっくりと目を開けた。

「…………?目線が………高くなった………?」

シルクとルアン君って、こんなに背、低かったっけ?ぼくとはほとんど変わらないはず………。

「………ウォルタ君………なの?」
「うん。ぼくはぼくで変わりない………?あれ?ぼくってこんなに低い声だったっけ?」

ぼくは首を傾げた。

「それに………前脚がついてない!? えっ!?羽!?それに、これって、翼??」

おかしいよ![ミズゴロウ]には羽なんて生えてないし、翼もないはず……。

何で!!?

「シロさん、どういうことなの〜!?」

全くわからないよ!!

「ウォルタ殿、2つ目の[チカラ]は、……………[英雄]の姿、そのものを変える事だ。」
「[絆の賢者]と同じ能力ね。」
「姿を……………かえる…………?」

えっ!?姿を変えるって…………

「ええっ!!?本当に!??」

これって、夢じゃないよね!?

「ウォルタ君、本当だよ。今の君の姿は、誰がどう見ても[ミズゴロウ]じゃないよ。」

フライが言った。

「[ミズゴロウ]じゃない?」
「ええ、そうよ。今のウォルタ君の姿は、完全に[ウォーグル]よ。」

えっ!?[ウォーグル]??あの飛行タイプの??

「[ウォーグル]………?」「17代目は[ウォーグル]だったか………。言い忘れたが、その姿と元の姿、両方とも好きな時に代える事ができる。第2の姿でも、使える技は2つだ。……今から2、3日は使えなくなるがな。」

この姿でも、技が使えるんだ………。
こっちも2つ。

………結局は、使える技の数はかわらないって事だね………?

「………でも、シロさん?どうやって元の姿に戻るの〜?」

ぼくはシロさんに聞いてみた。

難しかったらどうしよう………。

「もう片方の姿を強くイメージすればいい。」
「…………それだけ?」
「そうだ。これだけだ。」

なんだ〜。何か儀式とかがいるのかと思ったけど、それだけでいいんだ〜。

「………。うん。わかったよ〜。なら、さっそくやってみるよ〜。」
「慣れる事が肝心よ。」

………うん。イメージすればいいんだね?

ぼくはまた目を閉じた。

………………………………。

………またこの感じ………。

この間に、ぼくの身体が変化してるのかな……?

………………おさまった………かな?

ぼくは目を開けた。

…………、見慣れた景色………。

前脚も…………、うん、いつも通り。

「………戻った。」

間違いなく、[ミズゴロウ]の姿だ。

[英雄のチカラ]、凄すぎるよ………。

@ ( 2013/08/17(土) 01:46 )