絆の軌跡 〜過去と未来の交錯〜
























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巻之六 霧の湖で
参拾壱 激闘の結果
西暦7000年 霧の湖 sideシルク

「…………っ……」

………?ここは………、どこなのかしら………。

私は目を覚ましたけど、初めて見る景色………。

私達は[熱水の洞窟]にいたはずよね??

「………シルクさん、気がつきましたね。」

私が起きたのに気づき、黄色………?

確か、[ユクシー]だったわね……?でも、どうしてここに!?

気を失う前はいなかったはずよね……?

「シルク、起きたんだね?」

起きあがって右を見ると、すぐ近くにフライが座りこんでいた。

フライ……、その様子だと大丈夫そうね?

「え………、…いじ……ぶよ……。」

っ!喉が………!焼けるように痛い!!

おまけに声が出ない!?

「シルク、大丈夫??」

何で!??

私は首を横に振った。

「まさか、シルクは喉にダメージが!?」

私は縦に振った。

このままでは意志疎通ができないわね……。

「おそらく、闘いで焼かれたのだと思います。」

なら………、あれを……。

《戦いが原因……、なのね。確かに、砂煙を沢山吸ったし、燃えさかる炎のすぐ傍にいたから……。》

私は念じた。

「えっ!?まさか、あなた………、[テレパシー]を使えるのですか!?」

ユクシーは驚きで声を張り上げたわ。

さすがに、もう慣れたわ。

「はい。ベガさん、確かに、シルクは使えます。」

フライが説明を加えた。

ベガって、おそらく、ユクシーの名前ね…。

《私の伝達範囲は20m、あと、人を選んで伝えられるわ。………あっ、紹介が遅れたわね。私はシルク、考古学者をしているわ。 会話から推測すると、あなたは[ユクシー]のベガさんね?》

私は彼女?に語りかけた。

「え、はい、お願いします。」

ベガは疑問符と共に言ったわ。

きっと[エーフィー]の私が[テレパシー]を使っているから、疑問にとらわれているのね。

《フライ?そういえば、ラテ君とベリーちゃんは大丈夫なのかしら?》

私が着いた時はラテ君、倒れていたから……。

「2人なら元気だよ。ほら、あそこにいるよ。」

そう言って、フライは遠くを指したわ。

ええっと、ここは湖?

岸辺に、何人か………、あれはきっとラックさん達。

………いつの間に…。

ってことは、あの中に………、あっ、いたわ!

ウォルタ君も一緒ね。

《2人共、元気そうね。安心したわ。》
「シルクさん、どうしてあなたは[テレパシー]を使えるのですか?」

2人の様子で安堵感に満たされていると、ベガさんが私に質問。

《使える仲間に教わったのよ。あまり知られていないと思うけど、[エスパータイプの恩恵]、これを利用したわ。》
「[エスパタイプの恩恵]?」

ベガさんは首を傾げる。それも当然ね。

「[水タイプの恩恵]みたいなものです。」

ここで、いつものフライの補足。本当に助かるわ。

「そういうことだったんですね……。」

ベガさんが納得、という感じで頷いたわ。


…………、身体は痛いけど…………、やっと意識がはっきりしてきたわ。

…………今更だけど………。


数分後 sideシルク

「シルク!無事で本当によかったよ!!」

私に気がついたベリーちゃんが、涙でクシャクシャになりながら駆け寄ってきた。

「ベリー、顔が凄いことになってるよ。 ……とにかく、目立った傷も無さそうだし、本当によかったよ。」

ラテ君もベリーちゃんに続いた。

彼は落ちついているわ。

「倒れてから3時間ぐらい意識が戻らなかったから、手遅れかと思ったよ………。でも、意識が戻ったから大丈夫だね〜。」

ウォルタ君も駆け寄ってきたわ。

ウォルタ君、今回はあなたのお陰で、助かったわ。
感謝してもしきれないわ。

《でも、無傷とは言えないわ………。喉が焼かれて、まともに声が出せないから……。それに、体中が痛くて……。》

喉を焼かれたとなると、本当にマズいわね。

もし治らなかったら………、考えただけでもぞっとするわ…。

「喉が………?」
「うん。 ボクは翼、シルクは喉をやられたみたいだよ……。多分ボクも治るまで時間がかかりそうだよ……。」
「それに、フライとシルクは予断を許さない状態ってことを忘れないでよね〜?」

えっ!?私って、そんなに危ない状態だったの!?

「………うん。」《まって!私って、どんな状態なのよ!?》

私は念を強めた。
どういう事!?

「シルクは気絶してからずっと昏睡状態が続いてたんだよ………。ギルドの皆が来てからスズネさんに診てもらったんだけど………、度重なるダメージが身体の限界を超えたんだって。フライも原因は同じって言ってたよ。」

ベリーちゃん?フライも!?

………よく考えたら、たぶんフライはグラードンが万全の状態で戦った……。

私はチェリー、Br達、手負いとはいえ、伝説のポケモン……。今日は戦いっぱなしだったわ………。

《なら、私達はしばらく動けそうにないわね……。》

私達は重傷ってことよね?

「あっ、そうそう。そういえば、シルクとフライに話があるって言ってた人がいるよ。」

「えっ!?ボク達に?」《えっ!?私達に?》

ラテ君の言葉を聞いて、私達はほぼ同じタイミングで言葉を発したわ。

「うん。」
「ぼくが呼んでくるよ〜!」

ウォルタ君は、そう言うと、メンバーがいるところに走っていったわ。

一体誰なのかしら……。


数分後


「お待たせ〜。つれてきたよ〜!」「よかった……。2人とも、意識が戻ったね…。」

何分かして、ウォルタ君が浮かない表情の………えっ!?[セレビィ]!?しかも、チェリーじゃない!?

声からすると♂のセレビィがウォルタ君と一緒に私達の元に来たわ。

「ぼくの不注意で…………、あなた達に大怪我を負わせてしまって………本当にすみません………。」

話すとすぐに謝罪………。………えっ!?

《ちょっと、私には何のことかさっぱりわからないわ!??》

どういう事よ!?

「単刀直入に言うと、ぼく……名前はシードと言うんですけど……、ぼくの不注意が原因であなた達はこの時代に来てしまったんです………。だから、シルクさん達の怪我の責任は全てぼくにあります。」

シードさん?は冷静に、かつ力強く言ったわ。

「シード、自分を責めないでください。」
《そうよ。あなたがいなかったら、この時代の人達に出逢わなかったし、フライとの[絆]を再確認する事も出来なかったわ。 シードさん、あなたの[時渡り]に巻き込まれてなかったら、ラテ君をはじめ、ベリーちゃん、ウォルタ君と[絆]を紡げなかったわ。》

だから、シードさん、そんなに自分を責めないで………。

お願いだから……。

「………でも………。」
「シードさん、ボク達は君の事を恨んでなんかないよ。 むしろ感謝しているぐらいだから……。」

フライが追加の一言。

「………わかりました………。ぼくがここで責めたら、居場所を教えてくれた彼女に逢わせる顔がないですね………。彼女とは住む時代が違うけど………。」

フライの言葉を聞いて、シードさんは少しだけ明るくなったわ。

……ん?住む時代が違う………?

《シードさん?その彼女って、出身は7200年代で、名前が[チェリー]で、色違いの[セレビィ]よね?》

同じ種族なら、可能性は高いはず………。

「………やっぱり、チェリーからぼくの事を聞いていましたか。……そうです。ぼくのガールフレンドは7200年代出身のチェリーです。あと、ぼくはシルクさん達と同じ2000年代の出身です。…………1つ聞きたいんですが、完治してからになりますが、元の時代に帰りたいとおもってますか?」

シードさんが真剣な表情で聞く………。

すると、黙って聞いていたラテ君達の目が一斉に私達に向けられた。

《………………、私は、この時代で調べたい事が沢山あるし、せっかく繋いだ[絆]の架け橋を私の独断で壊す訳にはいかないわ。………だから、今は元の時代に戻るのは止めておくわ。》

ウォルタ君の事もあるし、ラテ君の記憶喪失の原因もわかってないから…………。

《フライは?》

私の意見だけだといけないから、フライにも………、

「ぼくは、ウォルタ君にまだ全部伝えれてないし、ラテ君達の事も気になるから、ボクも残るよ。」

フライも、私と同じ想いなのね。

《だから、せっかくだけど、また今度にするわ。》
「………うん、わかりました。  なら、またの機会ですね。」

……………帰る時は、頼んだわ……………。

「なら、まだ一緒にいてくれるんだね??」
《ええ、もちろんよ!》

「「やった!!」」

私達の言葉を聞いた途端、ラテ君達がパッと明るくなったわ。

だから、これからもよろしくね!



私達はこの後、ラックさん達と合流し、ギルドへの帰路についたわ。

私とフライは動けないから、ラックさん達の手助けを借りながらね。

私は終始、担がれてたけど……………。


これで、長くて短いギルドの遠征が幕を閉じたわ。


巻之六 完  続く

@ ( 2013/08/13(火) 01:02 )