絆の軌跡 〜過去と未来の交錯〜
























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巻之六 霧の湖で
弐拾九 マモるために………
西暦7000年 熱水の洞窟奥地 sideシルク

「だから…………あとは…………頼んだ……よ………。」
「フライ?フライ!何があったのよ!!返事して!!フライ!フライ!!」

ついさっき、フライから連絡が入ったわ。
でも、フライの声は弱々しくて………、

「!?シルク!?どうしたの〜!?」

私の様子を見て、ウォルタ君が切羽詰まった様子で聞いた。

「私の推測でしかないけど………、フライ達、何者かに襲われて、倒れた可能性があるわ………。フライの様子からすると、一刻の猶予も許さない状態………、戦いで敗れたかもしれないわ……。」

フライもかなりの実力をもってるのに………、まさか彼がやられるなんて……。

「嘘………でしょ?フライも、あんなに強いのに………。」
「となると、一緒にいるラテ君とベリーちゃんが危ないわ!!ウォルタ君、急ぐわよ!![サイコキネンシス]!!」

急がないと………、フライ達が……全滅してしまう………。

私は、ウォルタ君を超能力で浮かせた。

「!?シルク!?」
「ウォルタ君、少しの間我慢してて!!……素早さでは私の方が上だから………、とばすわよ!!」

私は四肢に力を込める。

「でも、ぼくも頑張れば………!?」

後ろ脚で地面を蹴る。

たちまち、私は風に乗った。

っ! やっぱり、簡単には進ませてくれないわね………。

私の前に2、3体が立ちはだかる。

「今はあなた達の相手をしている暇はないのよ!![シャドーボール]、[目覚めるパワー]!!」

走りながら口元に竜、霊を蓄積させる。
深青色の弾を生成、発射。

「「っ!?」」

種族は確認してないけど、何体かに命中。

「[水鉄砲]〜!」

浮遊しているウォルタ君が私を援護。

相手の状態は……………、確認する暇はないわ!!
急がないと………!!

フライ、ラテ君、ベリーちゃん、今行くから!!
だから、もう少し耐えて!!

………

熱水の洞窟最奥部 sideベリー

「………ちょこまかと………、目障りだ……、[火炎放射]!」

わたしに向けて炎が放たれた。
同じ炎とはいえ、あれをくらったら……、わたしでも……耐えられないかもしれない……。

でも、今はかわせそうにない!

わたしは向きを変え、

「[火炎放射]!!」

同じ技で応戦。

………くっ!火力が強い!!気を抜いたら………いや、全力を出しても圧されてる……。

このままだと……。

相手の炎がわたしに迫る……。

わたしまであと2m……。

1m…………、50cm……………。

フライが削ってくれたとはいえ、伝説……。

!! ヤバい!!

わたしは技を解除して、ありったけの力で左に跳ぶ。

……っ!

完全にはかわせずに、右脚を掠めた。

………やっぱり………強い……。掠っただけなのに……、体力をごっそり……持ってかれた……。

「これで…最後だ!![地震]!!」

わたしの隙をついて、赤の巨体が地面を踏みならす。

…………!やられた……。

わたしは………結末を覚悟して、目を堅く閉じた。

「[サイコキネンシス]!」「[水鉄砲]!」

………あれ?ダメージが………ない?

「良かった、間にあったわ!ベリーちゃん、[グラードン]相手によく耐えたわね!もう安心よ!!」

わたしは恐る恐る目をあけた。

………この声は………、シルク!?それに、わたしの幼なじみのウォルタ!?

「ウォルタ君、[復活の種]は持ってるわよね!?」
「うん〜!ちゃんと2つ持ってるよ!!」

「なら、そっちは任せたわ!!」「くっ、……新手か……。誰が来ても同じこと……。」

わたしは……シルクの超能力で……脇に移動されられた。

技が解除され、わたし達は地に脚をついた。

「ベリー、これ飲んで〜!」

ウォルタは……鞄から薄い水色の液体が……入った瓶を取りだした。

「これは……?」
「何も言わずに、すぐに飲んで〜!」
「えっ?」

それだけ言うと……ウォルタは………ラテが倒れている方に……走っていった。

………

sideシルク

「手負いとはいえ、油断は出来ないわね……。」

グラードンは伝説。気を抜いたら私でも……。

「俺が手負いだと?………確かに……あいつは……侵入者にしては…強かった。…俺をここまで追いこんだからな……。」

相手はうなり声をあげる。

“あいつ”は、フライの事ね……。
フライを倒すなんて……。

「だが、[エーフィー]如きに………倒される俺ではない!くたばってもらうぞ!!」
「言っとくけど、私の事もなめてもらったら困るわ!」

私達は互いに睨み合う。

「相手が誰であろうと、……ここを通す訳にはいかんのだ!!」
「望むところよ!![絆]の名に賭けて……、いくわよ!![瞑想]!!」

私は目を閉じ、精神を研ぎ澄ます。
相手との距離は10m。

「[火炎放射]!」

私に向けて放たれた。
スピードは………、そこそこあるわね……。

私はそれを右に跳んでかわす。

「かわしたか………。」

風から推測すると、右脚を上げたわね……。何かをするつもりね。

「[シャドーボール]、[サイコキネンシス]!」

私は目を瞑ったまま漆黒の弾を形成。
すぐに拘束。

相手は地面タイプ。片足を上げたということは、次にくるのはあの技……。

「[地震]!」「発散っ!」

案の定、大地が揺れはじめた。

私はその前に垂直に跳び、上昇気流を発生。
私は宙を舞った。

「何っ!?かわされた!?[ソーラービーム]!」「[目覚め……]……!?」

!?

相手はその巨体からは想像できないような速さで光線を放ったわ。
[ソーラービーム]は溜めが必要な技のはず………。

………あっ、そっか。グラードンの特性は[日照り]。だから溜める必要が無いのね…。

「発散っ!」

私は溜めかけていた暗青色の弾を左に発散させ、私自身を右に飛ばした。

「っ!!」

風力が足りず、二股に別れた私の尻尾に命中。でも、直撃は避けたわ。

流石は伝説。クロさん並みに威力が高いわね。
おそらくフライが敗れた要因はこのワザ……。

「[目覚めるパワー]、[シャドーボール]!」

私は深青色のエネルギーを溜める。

これで属性のストックは3色。

でも、三色以上は混ぜられないから実質二色。

「[炎の渦]!」「連射!!」

相手は炎の塊を放ち、私は青の雨を降らせる。

膨張し、増え続ける弾により、炎塊は打ち消された。

「何っ!? っ!」

相手に降り注ぐ。

その間に、私は地面に着地する。

私は相手との距離を詰める。

その距離、3m。

「拡散!![シャドーボール]!」「[地震]!」

私は留めていた二色を含め、[サイコキネンシス]を駆使してエネルギー弾で相手を取り囲んだ。

対して、再び大地がうなりをあげて振動。

エネルギー弾を円の中心、グラードンに向けて収束させた。

「「くっ!!」」

相手は無数の弾で、私は大地の猛威で大ダメージ。

………ここまで追い込まれたのは………初めてだわ………。

「………………っ、[ソーラー………ビーム……]!」「[目覚める………パワー]!」

両者は………相手に向けて……技を放つ。

丁度中間で衝突………、両者共に消滅………。

威力は…………、互角ね……。

まだ………集中が…………足りない………。

「[瞑想]、………[シャドー………ボール]!」「[火炎…………放射]]!」

目を閉じ、風と聴覚だけを頼りに………火炎を……かわす。
同時に…………ありったけのエネルギーを…………口元に………蓄積させる。

おそらく、これが………私の出来る………最後の攻撃……。
私のエネルギーは底を尽きかけているわ………。

もし、これで……倒せなかったら………。

「[ソーラー………ビーム…]!」

相手もおそらく………これが最後………。

私は全神経を耳に集中させ、接近する。

相手の光線が………放たれた。
私まで4m。

3m、

私はここで目を開ける。

2m、

私は脚に力を込めて…………左に跳ぶ。
………間にあって!!

1m、

私は大ダメージ覚悟で………最後の弾を放つ。
この時、私の……脚は……地を離れている。

0m、

「っっ!!!」

私に……………光線が……………命中………………。

私は……………10mぐらい…………………飛ばされた……………。

意識が……………飛びかけて……………いるわ…………。
でも……………結果を………………確認するまで…………倒れる……………訳には…………いかないわ………。

2秒後、…………私の弾が…………相手に………命中………。

「当たった………わね………。」「くっ!!!」

相手の……………巨体が…………………揺らぐ…………。
前のめりに……………なって………………、地響きと………………共に……………崩れ落ちた……………。


結果を…………確認すると……………私は………………意識を………………手放した。


激戦の……………結果……………引き分け……………。

私の………………連勝………………記録が…………ここで………………途絶えた。



@ ( 2013/08/11(日) 20:25 )